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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第10章 学園行事
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267話 辺境伯邸にて

さて、ネウスが当主を呼びに向かったところで。


「姉様、リゲル。怪我、見せてください。治療します。」

「あ、そうね。お願い。」

「すまないな。頼む。」


そして治療しながらふと気付いたことを聞いてみる。


「そういえば、ルシア聞いていい?」

「なんでしょう?」

「あの、闇ギルドのマスターが私に使おうとした魔法、隷属させるって言ったよね?」

「はい。」

「まさか、姉様達にも?」

「いえ。お二人以外の護衛全ての方です。」

「え?護衛だけ?なんで?」

「護衛同士で仲間討ちさせたのですよ。」

「はあ!?何でそんなこと‥‥」

「決まってます。その光景を見て楽しむ為です。お二人と私を捕らえられれば十分だったみたいなので。」

「‥‥‥‥やっぱり瞬殺しなくても氷像ぐらいにはしてやれば良かったかな‥‥‥ん?姉様とリゲルを誘拐した理由は?」

「それはお二人共上級貴族の子息令嬢ですから高値で売り捌けると思ったからでしょう。」

「やっぱり今からでも氷像にしてやるわ‥‥」

「待て待て!早まるな!」


姉様達の治療も終わった。と向かおうとしたらリゲルに止められた。そしてちょっと冷静になってふと思った。


「‥‥‥ん?護衛に掛けた‥‥?ルシア、隷属の魔法の効き目ってどれくらい?」

「えっと‥‥確か、術者が自ら解くか、術者か被害者が死なない限り掛かったままの筈‥‥」

「じゃあ、今護衛達が目を覚ましたら‥‥」

「もしかしたら再び争い始めるかもしれません。」

「「「な!?」」」


そこにタイミングよく、辺境伯親子が来た。


「お待たせして申し訳ありませ‥‥」

「辺境伯様!申し訳ありません!怪我をされた護衛の方々、どうされてますか!?」

「え!?えっと、まだ目覚めてませんが‥‥?」

「そうですか‥‥ある意味良かった‥‥。」

「‥‥どうされたのですか?」

「申し訳ありませんが、お話は後で。私は治癒が使えますので怪我した護衛の方々のところに案内して頂けませんか?」

「え?は、はい。こちらです。」

と私の様子を見て察してくれたのか、あっさり案内してくれた。


そして廊下を歩きながら何故かついて来てるルシアに聞いてみた。


「ルシア。隷属魔法は浄化で消せる?」

「恐らく。あれも闇魔法ですので。しかし、勿体ないですね‥‥解いてしまうのは。‥‥面白かったのに。」

「はぁ‥‥‥あのギルドマスターがルシアに心酔してる訳だわ‥‥。」

「む。あんなやつに好かれても気持ち悪いだけです。私はマリン様がいいです。」

「駄目!」「駄目に決まってるだろ!?」


「あの、皆様。着きましたよ‥‥?」

「「「「あ。」」」」

確かに大きな扉の前に着いていた。


「すみません。えっと、今更ですが入ってよろしいのでしょうか?」

「確かに今更ですね‥‥構いませんよ。お呼びした医師殿も治療に苦戦してらしてるので。」

「そうなのですか?」

「ええ。治癒魔法の効き目が良くない様です。」

「‥‥‥ルシア、まさか‥‥」

「ええ。隷属魔法は闇魔法ですからね。」

「じゃあ、浄化が先だね。」


そこでようやく中に入ると、そこは広間だった。内輪でパーティーとかするならここだろうなって感じの場所が、今はベッドと怪我人達だらけのパーティーとはかけ離れたことになっていた。

そして。


「おや?辺境伯様、そちらの方々は?」

「西の辺境伯令嬢のクリス様とマリン様、それと公爵家のリゲル殿に連行中だったネクロマンサーです。」

「何ですと!?色々伺いたいことはありますが、マリン嬢はどちらですか!?」

「え?えっと、私ですが‥‥?」


医師の人のテンションについていけなくて、戸惑ったが手を軽く上げて言うと、


「あなた様がかの有名な天使殿ですか!!いつかお会いしてみたいと思っていたのです!」

「そ、そうですか‥‥」

「はい!それで、こちらにいらしたのは天使殿の治療を見せて頂けるので?」

「えっと‥‥はい。なので、そろそろ手を離して頂けますか‥‥?」

私が上げた手を掴まれていたのだ。


「は!失礼致しました。」

と言ってあっさり離してくれたからいいが‥‥


ここでも「天使」かぁ‥‥‥

何か変な人ばっかり寄ってくるよなぁ~私‥‥。


と思ってる場合じゃなかったと護衛の人達を改めて見ると、全身包帯だらけだった。

同士討ちさせられたし、持っていたのが剣だったりするのでむしろよく生きてたなと思う。


辺境伯様に知らせた人は偶々隷属魔法から逃れたのかな?後で聞けるかな?

まあとりあえず、もう一頑張りだな。


「さて、まずは。【空間浄化(スペースピュリフィケイション)】」

『!!』

「へ、辺境伯様。天使殿の姿が!」

「あ、ああ‥‥」

と、戸惑う二人を他所に、


「ふふっ。やっぱり可愛いわ~マリン。」

「ええ‥‥可愛いらしいです。マリン様‥‥。」

「確かに可愛いが‥‥説明する人が‥‥はぁ‥‥辺境伯殿。」

「は、はい。なんでしょう?リゲル殿。」

「マリンのあの姿は精霊王の加護の恩恵だそうです。マリン曰く、浄化魔法を使う度にあの姿になるそうですよ。」

「「へぇ~!!」」


うん。代わりに説明ありがとう。リゲル。

さて、もういいかな。次は、


「えっと‥‥そういえば、魔法師団の方々が見当たらないのですが‥‥?」

「それは‥‥亡くなったのが、魔法師団の方々だからです。」

「!!!‥‥そうですか‥‥分かりました‥‥特に重傷の方から優先的に治療します。」

「お願いします。」


そして生存者全員の治療が終わると。


「医師様。治療は終わりましたので、あとお願いしますね。」

「はい。ありがとうございました。」

「それと、辺境伯様。誘拐犯一味を捕らえて検問の兵士に引き渡してます。そちらも、あとをお願いします。」

「え!?は、はい。」

「では、辺境伯様。すみません。さすがに疲れたので申し訳ありませんが、失礼します。明日、またこちらに伺います。」

「それは構いませんが、マリン様。どちらで休まれるおつもりですか?」

「宿にでも行こうかと。」

「それはなりません。うちにお泊まりください。勿論、クリス様とリゲル殿もです。」

「え?でも‥‥」

「今は非常時です。世間から妙な勘繰りをされることもないでしょう。リゲル殿も一緒ですし。」

「「あ。」」

「そうですね。申し訳ありませんが、お世話になります。」

「私も、お世話になります。」

「はい。ネクロマンサーは部屋に監視をつけさせます。」

「はい。お願いします。‥‥ルシア。大人しくしててよ?」

「はい。マリン様の疲労は分かってますから‥‥‥待てよ?今が絶好の機会では‥‥?」

「辺境伯様。一番の危険人物が良からぬことを企み出したので、こいつも検問の兵士に預けてください。」

「冗談です!」

「「「「‥‥‥」」」」

私、姉様、リゲル、辺境伯様から疑いのジトンとした目を向けると


「‥‥‥本当に大人しくしてます。」

「‥‥‥まあ、本当に来たら叩きのめせばいいか‥‥。」


そして辺境伯家で部屋を用意してくれたので、移動していると


「マリン様!」


げっ!そういえば、ここにいるんだった‥‥


顔に出てないよね!?と内心、焦りながらも

「せ、聖女様。お久しぶりにごさいます。」

と答えると


「うっ。やっぱりまだ呼び方は聖女様なのですね‥‥。」

「申し訳ありません。」

「いえ。ところで、マリン様は何故こちらに?」

「聖女様。色々ありまして、マリン様はお疲れです。休ませてあげたいので、お話は後日でお願いできますか?」

「まあ!申し訳ありません。私は急ぎませんのでお休み頂いてください。」

「ありがとうございます。」


本当にありがとうございます!辺境伯様!


そしてやっと私の長い一日が終わった。

ああ~‥‥‥頑張った‥‥私。


そんなことを思いながらベッドに横になった瞬間、私は眠りに落ちた。

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