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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第10章 学園行事
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263話 ようやく合流

兵士さん達が盗賊達を拘束している中。


私は父様とちょっと離れたところで話していた。


「父様。恐らくあの盗賊達には別に指示を出してる黒幕がいます。」

「何故そう思うんだ?」

「最初に来た一団、大半の盗賊達が女性だけ捕まえろとかふざけたことを言ってましたが、その中から5人程私に近付いて来たんです。「辺境伯令嬢か?」と確認までしてきました。」

「マリンの容姿は知られてるだろ?」

「はい。それだけならあまり疑問には思いません。ですが、次に盗賊は私を見て「本当に(・・・)上玉じゃねぇか」って言ったんです。「本当に」とは誰かから聞いた情報だからこそ出る言葉ですよね?」

「それこそ噂じゃないのか?」

「勿論、その線もあります。でももう一つ。援軍が来ると私がメリアさん達に知らせた時、盗賊達は「やっときたか」と言ったんです。そもそも騎士、魔法師団、冒険者が揃ってるところに40人程度で来るなんて馬鹿のすることでしょう?でも援軍があると分かってるなら突っ込んで来るのも理解できます。でもどこにも首領らしき人はいませんでした。統率も取れてなかった様ですし、最初に私に声を掛けてきた人達も私の実力までは知らなかったみたいです。」

「だから別に指示を出してる者がいると?」

「はい。盗賊を差し向けた目的は勿論分かりません。この人数を捨て駒にしただけかもしれませんし、あわよくば本当に私を捕らえて売り捌くつもりだったかもしれません。私が強いと分かってるからこそのこの盗賊の人数だと思いますし。まあ、私を舐めすぎだとは思いますが。」

「‥‥‥本当の実力を知ってるのは俺達だけなんだから仕方ないだろう‥‥。」

「それもそうですね。それで私が申し上げたいのは、もし本当に別に黒幕がいるなら、敵が何を考え、どこに潜んでいるか分からないので父様も気を付けてくださいね。ってことです。」

「ああ。分かっている。」

「ならいいです。あ、父様。冒険者の男性二人が重傷を負って今、馬車で休んでいるんです。私が治療はしましたが、念のため医師の方に診てもらった方がいいかと思いますので、ついでに連れて帰ってもらえませんか?」

「ああ。いいぞ。」


と話していると、兵士さんが近付いて声を掛けてきた。


「お館様、マリン様。盗賊達、拘束完了しました。」

「はい。分かりました。あ、兵士さん。馬車の中に治療済みの重傷者が二人いますので、一緒に連れて帰ってください。」

「え?あ、はい。畏まりました。」


そして、クリードさんとヴァルトさん、一部を除いた盗賊達を連れて父様達は帰っていった。

それを見送ったあと、私達も再び出発した。


国境まで連行する一部の盗賊達まで兵士さんが縄で拘束してくれていたので、抵抗を気にせず再び水牢獄(ウォータープリズン)に入れて進んだ。



翌日。

帝国との国境付近。

まず、私は予定通りに国境警備の人達に事情説明と後々盗賊達を引き取りにくる旨を伝えて、盗賊達を引き渡した。


そして帝国側の人達はまだ来てなかった。

間に合ったことにホッとしていると。


「マリン。馬車の中でちょっと休んだら?」

「え?でも‥‥」

「ずっと盗賊達を運んでたんだからちょっとは休憩しておいた方がいいわ。帝国側の人達が来たら知らせるから。」

「それもそうですね。ではお言葉に甘えて休んできます。」


そして私は馬車の中で少し仮眠をとったあと、起こしに来てくれた先生達と共にやってきた帝国側の人達を出迎えた。護衛の人達は馬で並走していて、見知った人達が多かった。

そして馬車から降りてきたのも見知った人達ばかりだった。


「あ!マリン様。」

『本当だ。』『本当ですわ!』

と生徒会の中でも貴族の子息、令嬢が私に気付き声を掛けてくれた。


貴族の子息、令嬢達は親善パーティーで見る顔ばかりだ。ただ、名前を覚えているのは‥‥


「アリス様、皆様。お待ちしておりました。」


アリス様ただ一人。一年に一回しか会わない+名乗ったのは一回だけ。覚えきれる訳がない。


そして帝国側の人達が近付いて来て。


「よっ!マリン。夏以来だな。」

「はい。皆さんは護衛に?」

「まあな。」

「マリン様。冒険者の方々とお知り合いですの?」

「はい。私も一応、冒険者でもありますので。」

「まあ!そうでしたの!?」

「だから申し上げたではないですか。お嬢様方。マリン様は冒険者でもある、大変お強い方だと。」

「兵士さん。何、変なこと吹き込んでるんですか?」

「事実を申し上げただけですよ?‥‥では。マリン様、王国の護衛の皆様。お嬢様方をよろしくお願い致します。」

「はい。」

「あ、マリン。兵士達はここまでだが、俺達は王都まで護衛を続けるからよろしくな。」

「え?本当ですか!」

「ああ。やっとレウスさんの故郷を見に行く気になれたからな。」

「そうでしたか‥‥。」

「では、我々は失礼致します。」

「はい。ご苦労様でした。」


そして帝国の兵士さん達と別れ、冒険者の護衛が増えたところで、まずは辺境伯領へと帰還する。

さすがに今度は話し相手がいるので馬車の中に大人しく入って過ごした私。


そして行きの騒動が嘘の様に何事もなく、2日の旅路を進み、和やかなまま辺境伯家に到着した。

生徒会の人達はうちに泊まる。護衛の人達は宿だ。

そして丸1日休息をとって、明後日に王都へ向けて出発する。


そして帰ってきてすぐに父様の執務室に呼ばれた私が向かうと、フレイ兄様、アクア兄様、マリア姉様、セレス母様もいた。


「帰ってきたばかりなのにすまないな。マリン。」

「いえ。盗賊の件ですか?」

「ああ。尋問したんだが、大抵のやつが黙秘しててな。話したのは「あんなに強いなんて聞いてない」「聞いてた話と違う」「あいつに騙された」とかだった。」

「あいつとは?」

「それには誰も答えなかった。だが、拠点は吐かせて既に破壊済みだし、残っていた盗賊達も連行済みだからもう大丈夫だ。」

「そうですか‥‥。少し安心しました。」

「まあ、国を代表して向かった辺境伯令嬢を襲ったからな、あいつらも王都行きが決まった。マリンが国境に預けた奴等もな。」

「分かりました。それはまた別に騎士団が引き取りにくるんですか?」

「ああ。マリンに連れていけとは言わないから安心してくれ。」

「ふふっ。父様はそんなこと仰る人じゃないと存じてますよ。」

「そうか。あ、それと俺達が連れて帰った冒険者達だが、もう護衛に戻っても問題ないそうだ。マリンの治療は完璧だったそうだぞ。」

「そうですか‥‥!良かった‥‥。」

「ああ。」


父様との話が終わると、今度はアクア兄様の方から


「で、話は変わるがマリン。」

「なんでしょう?」

「マリンが掃討してくれたゴブリンの巣窟。冒険者の間で報告が上がっていたのは正しくあの辺りだったらしい。現にあれから目撃情報はなくなった。」

「では、そちらの問題は片付いたんですね。」

「ああ。助かった。改めてありがとな、マリン。」

「ふふっ。ここは私にとっても帰る場所ですし、父様や兄様達のお役に立てたなら嬉しいですから。」


そしてお互いの報告を終えて、私は自室に戻り休んだ。


翌日は言われた通り、休息に当てた。

そして更に翌日。

王都に向けて出発した。


その道中も特に何事もなく進み、もうすぐ王都に到着というところで王都側から近付いて来る人達がいた。

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