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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第10章 学園行事
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262話 盗賊制圧

さて、もうすぐ父様達から聞いていた盗賊が来るよ。

という時。


私達は迎え撃てる様に休憩場所から動いてない。

そして、私は本来は馬車の中にいるべきだろう。

しかし、いざという時にすぐに動ける様にとちょっと行儀が悪いが、馬車の扉を開けっ放しにしてそこに座っている。


やがてぞろぞろと盗賊が森の中から姿を現した。


あら、本当に来た。

近付いて来た時点で騎士や魔法師団が見えただろうに。

数で勝てるとでも思ったのかな?


と悠長に考えていると、盗賊達は「上玉ばかりじゃねぇか」とか「女は残して男はやっちまえ」とかありきたりなことを口々に言っていた。

確かに私に合わせたのか、護衛は女性の方が多い。騎士、魔法師団、冒険者全て男女両方いる。


なるほど。女性を拘束しつつ男性陣を排除すればいいと考えたのか。


と考えてる間に戦闘は開始されていた。

馬車で見学していると、護衛の隙をついた一部の盗賊がこっちに向かってきた。


「お前が辺境伯令嬢か?」

「あら?私をご存知で?」


話し掛けられるとは思ってなかったので、素直に答えてしまったら


「本当にこいつも上玉じゃねぇか。悪いが、痛い目に合いたくなかったら大人しくしてな。」

と、私の手を掴もうとしてきたので


「お断りします。【真空弾(エアバレット)】」


と近付いて来た盗賊の一人の体に一撃を入れると、ついて来ていた仲間4人も私を拘束しようと迫ってきたので


「【真空弾(エアバレット)】‥‥申し訳ありませんが、捕まるつもりはありません。」


今度は迫ってきた全員に一撃を当てたが、全員再び立ち上がってきたので、


「あら?頑丈ですね。では、【岩弾(ロックバレット)】」


立ち上がった瞬間に再びの一撃。今度は気を失った様だ。


たった5人で拘束できるとでも思ったの‥‥?


まあいいや、と水牢獄(ウォータープリズン)に5人を入れたあと、再びメリアさん達の様子を見るとこちらも着実に数を減らしていた。


私は手伝わなくても大丈夫かな。


と思っていたら倍程の人影が近付いてくるのを察知して、まずいと思った私はメリアさん達に向かって声を掛けた。


「メリアさん!先生達!倍の数程の人影が近付いて来てます!」

『え!?』


全員が驚いていたが、盗賊達は「やっときたか」と口々に言っている


ということは、やっぱり盗賊の仲間か‥‥なら。


「メリアさん。私が向こうを片付けてきます。」

「は!?え‥‥いや!だ、駄目ですよ!」

「普通は護衛対象が動くべきじゃないのは分かってますが、今はそんなことを言ってる場合ではありませんよね?」

「そうですが!」

「‥‥あ。あ~あ‥‥もうそこまで来ちゃいましたね。」

『え!?』


倍程もいるのにここまで早くやってきた理由、それは森を通らずに堂々と街道を通ってきたからだった。


「まあ、来てしまったのはしょうがないですね。さすがにお手伝いに加わって構いませんよね?メリアさん。」

「‥‥‥はい。申し訳ありませんが、お願いします。」

「はい。」


という訳で私は街道を堂々とやってきた盗賊の援軍を迎え撃つべく、移動して待ち構えた。

そして近付かれる前にと、ちょっとした遊び心も含めて。


「【水沼(ウォータースワンプ)】」


私と援軍の間に突然のぬかるみ。まあ、当然だがそれに引っ掛かったのは前方のみ。

後方は左右に分かれて迂回しようとしたので地面に手を付き、向かって左側を土壁(アースウォール)で通り道を阻んだ。

そして右側には岩弾(ロックバレット)氷弾(アイスバレット)を連射して全員戦闘不能にした。


その頃には土壁(アースウォール)で通り道を阻まれていたやつらが、更に迂回して森からこちらに向かってきた。

そしてぬかるみに嵌まっていたやつらも抜け出して来そうだったので、こっちにはまず氷結(フリージング)で足元を凍らせて再度動きを封じた。

どうやら、魔法を使えるやつがいた様で火弾(ファイアバレット)が飛んできたが、シールドで防いだ。

シールドを維持したまま、森を迂回して来たやつらにも岩弾(ロックバレット)氷弾(アイスバレット)をお見舞いしてあげると、こっちも戦闘不能に。


ここでようやく私も動き、戦闘不能にしたやつらを水牢獄(ウォータープリズン)の中に水を使って入れていき、足元が凍ったまま、動けないやつらに自ら近付いて麻痺(パラライズ)で動けない様にした。


これで終わったと土壁(アースウォール)を含めて解除し、麻痺(パラライズ)の餌食になったやつらも水牢獄(ウォータープリズン)へ。

無血制圧完了である。


‥‥魔法だけで対処できるもんだな。

まあ、これができるのは魔力が多い人だけだろうけど。


そしてふと視線を感じて振り返ると、こちらも返り討ちが終わっていたメリアさん達が唖然としていた。


「あ。そっちも終わったんですね。」


とマリンが無傷で言ったのを見て、メリア達の顔は引きつっていた。

マリン越しに水牢獄(ウォータープリズン)に盗賊約85人以上が入れられている光景が見えたからである。


「皆さん。怪我は?」


とマリンに聞かれて「は!」と確認したところ、みんなそれぞれ怪我しており、中でもクリードとヴァルトは重傷といえる傷を負っていた。

先生達によると、自分達を守りながら戦ってくれたそうで、一段落ついた瞬間倒れたらしい。


私は二人に手を翳して【エクストラヒール】を使い、治療をしていった。


そして二人は傷の治療が終わったあと、馬車の中に入れて休ませた。他、全員の治療も終えたあと、私達は目線の先にある水牢獄(ウォータープリズン)を見て困り果てていた。


「メリアさん‥‥。」

「はい‥‥。」

「「どうしよう‥‥。」」


盗賊達、どうしよう?だ。ここは王国国内だが、辺境伯と帝国との国境の中間。私が生け捕りにしたやつらや先生達が返り討ちにした中で生きてるやつを水牢獄(ウォータープリズン)に纏めて入れてるのでこのまま動かせるが、そもそも帝国の人達を迎えに行く途中だったのだ。

しかも私が一番抜けられないし、辺境伯の検問の所まで戻っている余裕もない。

最初にきた一団は死者もいるので、それは私のストレージに入れた。


「‥‥‥これ、連れて行ったら帝国の人達を驚かせてしまいますよね?」

「驚くどころではないかと‥‥あ。国境警備の者に渡しますか?」

「いえ、あそこは確か牢が少ないので100人以上いる盗賊を管理することは無理かと。」


う~ん‥‥‥やっぱりゲートで王都の騎士団に移動させるしかないかな‥‥?


とか考えていると、また人の塊が近付いて来た。


「あれ?また人の塊?」

『え!?』

「まだ来るんですか‥‥?」

「‥‥‥‥ふふっ。大丈夫な様です。今度は味方ですから。」

「マリン、何で味方って分かるの?」

「先頭に父様がいます。」

『なるほど。』


馬を駆って大分急いで来てくれた様で、父様率いる兵士さん達はあっという間に私達の所に着いた。


「マリン!無事‥‥みたいだな。」

「はい。無傷です。父様達はもしかして、盗賊の援軍を追ってきてくださったんですか?」

「ああ。大勢でこちらの方に向かっていると目撃情報が入ってな。急いで来たんだが‥‥‥マリン、さすがだな。」


父様は水牢獄(ウォータープリズン)を見て、一瞬顔を引きつらせ、私に視線を戻すと苦笑いを浮かべた。


そして父様達の更に後ろから移動式の牢屋を乗せた幌馬車が来た。


「‥‥‥父様。私が制圧済みなのを想定してましたね?」

「ああ。実際、制圧済みだろ?」

「ええ‥‥まあ。あ、父様。最初に来た盗賊達は先生達が返り討ちにして、私はほとんど参加してないんです。その時に盗賊側に死者が出たので、私のストレージに入ってます。帰りに検問の兵士さんに渡したらいいでしょうか?」

「ああ。それでいい。で、その水の中のやつらの方は生きてるんだよな?」

「はい。全員気を失った状態のところをあの中に入れたので、そろそろ起きるかもですが。」

「どれぐらいいるんだ?」

「数えるのが面倒だったので正確ではないですが、多分100人ぐらいはいます。」

『‥‥‥。』

父様と合流してきた人達が唖然としていた。


父様は私のステータスを知ってるので苦笑い。


「それで、全員連れて行けそうですか?」

「ちょっと多過ぎますね‥‥。」

「ですよね‥‥連れて行けそうな人数だけ連れて行ってもらって、残りは国境警備に渡しますか?」

「‥‥‥そうするしかないか。大丈夫か?マリン。」

「起きてる間なら水牢獄(ウォータープリズン)に入れておけば大丈夫です。でも、寝てる間も維持できるかは試したことがないので、その間は拘束してれば大丈夫かなと思います。」

「じゃあ悪いが、マリン。それで頼む。国境警備の者には後程引き取りに行くと伝えてくれ。」

「分かりました。」


それから私は水牢獄(ウォータープリズン)越しに念のため、麻痺(パラライズ)を掛けてから牢獄を解除した。

兵士さん達が次々と盗賊達を拘束して、牢屋にある程度ずつ入れて幌馬車に乗せるという工程を繰り返していた。

マリンは魔法を使いまくったのに何故火系の魔法を使わなかったか。

それは火を使うと当然、服とかから燃えるから。怪我の原因というか、盗賊達が見たくない姿になると分かっているからです。

もう一つはリサとミラの先生達は全属性使えることを知ってますが、それ以外の人達は知らないからです。

まだ隠し通す努力をしてます。

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