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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第10章 学園行事
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253話 式典

さて、場所を移して今は大広間の中です。

謁見の間の様に厳かな雰囲気ではなく、各所に椅子はないがテーブルを配置して、それを囲む様に好きに集まってて。という感じです。

なので、特に申し合わせなくても子供達に合わせて集まってくれた大人達。


辺境伯家(私と父様)大公家(ヒスイ兄様夫妻)公爵家(当主様、リゲル、ルビア)伯爵家(アポロ伯父様とリジア)が集まっている。


加えて、この場に私達以外の子息・令嬢は参加していない。当主のみ。

そういう意味でも私達は今、注目の的にされている。


ちなみにシリウスの部屋からこの大広間への移動中に父様が教えてくれたのだが、シリウスはまず貴族当主達の前で王太子就任の式典をする。その後、城門を出た先にある広場で今度は国民に向かって話すことになるそうだ。

それを聞いた私は「王子じゃなくて良かった‥‥。」と本気で思った。


私が視線を感じながらも用意されていた飲み物を飲んでいると。


「なあ、マリン。ここにいると視線が半端ないんだが。」

「伯父様。仕方ありません。私達以外に子息も令嬢もいないんですから。何故いる?と注目されるのは必然です。」

「‥‥‥だな‥‥。」

「加えてここには元王女のリリ姉様もいらっしゃいますしね。」

「あら。私達、別の所にいた方が良かった?」

「そんなわけありません。むしろ心強いです。」

「ふふっ。良かったわ。」


とりあえず視線を無視して話していると、私達が入ってきた所とは別の入り口(王族専用扉だそうだ。)からまず、宰相様が入ってきた。


そして宰相様が呼び込みの言葉を掛けると、まず陛下が入ってきた。その後ろから王妃様、シリウス、リオト、レグルス、ベネトさんの順に続いて入ってきた。

その時の私達や貴族当主達は立ったままなのでそれぞれ頭を下げて礼をしていた。


「皆の者。面をあげよ。」

という陛下の言葉で頭を上げると、陛下達は用意された席に座っていた。


そして。

「この度は我が息子、シリウスの王太子就任の為遥々集まってくれたことをまずは感謝する。そして我々と共に入ってきた二人は今、シリウスと同じ学園にいる学友でもある皇太子殿下とそのいとこ殿だ。」

というと、レグルスとベネトさんが立ち上がって一礼した後、再び座った。


おお‥‥ベネトさんがちゃんとしてる。

と思った瞬間、ベネトさんと目が‥‥合った様な‥‥?


そして進行役はやっぱり宰相様の様で、

「さて、皆様。とあるテーブルに子息・令嬢がいらっしゃるのが気になっておいでだと思いますので、先にそちらのご説明を致しますね。」

「リゲル殿やルビア嬢は陛下の甥子や姪子でいらっしゃいますので分かりますが、確かに残りのお二人の令嬢は何故いらっしゃるのかは気になります。ご説明頂けるのですか?」

という言葉がどこからか聞こえてきた。


まあ、確かに私達本当なら出席しなくていい筈だからね。


「ええ。まず、同じテーブルにリリアーナ様がいらっしゃいますが、嫁いだのは西の辺境伯家の長男。現大公家の当主殿ですね。その大公の末の妹、それがそこにいらっしゃるマリン嬢です。マリン嬢とそのいとこである伯爵家のフリージア嬢は共にシリウス殿下の友人でもありますので、陛下が特別にご招待したのですよ。」

『え!?』

私達以外の全テーブルから驚きの声が上がった。


「さ、宰相閣下。私の記憶が正しければ、お披露目会の時の様子ではマリン嬢と殿下はとても友人になる様には見えなかったのですが?」


だろうね。私も当時こうなるとは思わなかったもん。


「でしょうね。ですが、ご子息達から話を聞いたりはしてませんでしたか?」

「いつの間にか友人になっていたとしか。」

「友人だとご存知でしたらそれで十分でしょう?」

『‥‥‥。』

「おや?納得いきませんか?大人が殿下の友人関係に口を出すのですか?」

『‥‥‥。』

「殿下はマリン嬢のお陰でリゲル殿以外にも皇太子殿下やベネト殿、フリージア嬢と友人の輪が広がっているのです。それは喜ばしいことでしょう?それだけで十分の筈ですよ。」

「そうですね。失礼致しました。」

「あ。あとでマリン嬢達に聞こうとしたりしないでくださいよ。大人で囲んだら可哀想ですよ。」

『はい‥‥。』


ありがとうございます!宰相様!

説明しろとか言われたらどうしようかと思った。

苦行でしかないからね。


で、ここで切り替えて式典を再開させた宰相様。


私は式典の流れを全く知らずに出席してしまったので、全てが始めて見ることになる。

でもやっぱり王太子就任の式典だし、すぐに終わる。

なので、この場は。


「シリウス。これからは王太子として精進し、国民の為に尽力することを誓うか。」

「はい。日々精進し、国民の為に尽力することを誓います。」


的なことを陛下とシリウスが言い合った後、代々王太子に引き継がれるという宝剣の授与がされた。

あの宝剣が王太子と認められた証だそうだ。


それで式典は終わり、あとは貴族当主や国民達に向けてシリウスが王太子としての宣言をするそうだ。

なので、大広間に集まっていた貴族当主達も含めて移動しないといけない。その間、先に大広間から出た王族達は休憩時間らしい。


そんな話を父様から聞きながら私達が今、向かっているのは王族達がいる筈の一室。


何故か。勿論呼ばれたからだ。事前に父様には言っていたそうだが、式典が終わったら私達に来てほしいと。

そして、私達が到着すると。


「お。来たな。マリン、ラルク。リゲル達も。」


同じテーブルを囲んだ全員が来たのだ。伯父様以外。

伯父様は式典が終わったあと、私達が陛下達のところに行くと知った途端「自分はいい」と言って、他の当主達と移動していった。


「はい。陛下、私達をお呼びとのことですが、なんでしょうか?」

「マリンに用事だったんだ。」

「私ですか?」

「これだ。」

と陛下が差し出してきたのは魔道具‥‥だよね?


「これは?」

「拡声の魔道具だ。」

「へ~。そんなのあるんですね。」

「実はな、壊れていたんだ。それ。」

「へ?壊れてるんですか?‥‥ってこの魔道具、拡声ってことはまさかシリウスがこの後使う予定だったとかですか?」

「その通りだ。」

「‥‥‥‥私が修理できないかな~って思った感じですか?」

「またしてもその通りだ。」

「私、何でも屋じゃないんですけど。魔道具は作ったことないですし。」

「何とかならないか?」


う~ん‥‥‥下手に弄ってますます壊れたとかなるとまずいしな‥‥‥。

どうするかな‥‥。

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