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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第9章 封印とその後
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250話 慰霊碑へ

みんな満足して帰ってきた。はいいが。


「あ!!!」

「な、なんだ!?マリン。」

「私、また慰霊碑に一緒に行くか聞くの忘れてた。」

『‥‥‥。』

「あ。念話で聞けばいいか。」


《雪奈姉~!》

《ん?どうした?鈴。》

《聞こうと思ってすっかり忘れてたことがあって。》

《なに?》

《おじさんが亡くなった原因、大規模討伐だったのは話したでしょ?》

《うん。》

《つまり亡くなったのはおじさんだけじゃないんだよ。だから慰霊碑があるんだけど、一緒に行く?って。》

《あ。そうなんだ。》

《明後日王国に帰るために帝国出るから明日行こうと思ってるんだけど、どうする?》

《う~ん。慰霊碑なら今日と違って人が多いよね?》

《うん。去年も一昨年も多かったよ。》

《なら別の時に柚蘭と二人で行くよ。いつでもいいから場所だけ教えてくれる?》

《分かった。あ、今から行こうか?》

《いいの?》

《うん。ちょっと待ってて。》

《はーい。》


「雪奈姉達は別の時に二人で行くそうです。」

「そうか。」

「で、皆さん怪我してたりはないですか?」

「ああ。大丈夫だ。」

「皆さんも?」

コクンと全員頷いたので。


「では、場所だけお知らせにちょっと雪奈姉の所に行ってきます。」


そして雪奈姉の所にゲートで向かい、世界地図を出して「ここだよ~」と伝えてとっとと戻ってきた。


「あれ?早かったな。」

「はい。雪奈姉が自分で作ったあの世界ですが、時間経過をこっちと同じにしたらしいです。なので向こうで過ごした分、こっちでも同じだけ時間が過ぎるのでとっとと戻ってきました。」

「そ、そうか。」



そして翌日。

午後に慰霊碑に向かうと、やっぱり人が多く来ていた。

私は慰霊碑の前に来て祈った。


おじさん。柚蘭も助けられたよ。

私の声はもう届かなくても報告だけはさせてね。

柚蘭は雪奈姉と一緒に別の時にくるから。


ふと、ものすごい視線を感じて振り返ると、私と一緒に来た人達に加え、他の遺族の人達からも生暖かい視線が向けられていた。


「‥‥‥‥えっと、なんでしょうか?」

「ふふっ。今年も長めに祈ってるな~って思っただけよ?」

「それにしては視線が生暖かいものだった気がしますが?」

「そう?」

「はい。」


これは答えを教えてくれない雰囲気だな、母様。


「さて、戻るか。」

『はい。』


そして今年も遺族の人達が天使だなんだと騒がないでくれたのであっさり城にもどれた。


翌日。

今日から王国に帰る。

見送りに出てきてくれた陛下。


「レグルス、そして学生諸君。三国の交流会だが、王国に集まることになりそうだぞ。」

「‥‥‥ちょうど間だからですか?」

「だろうな。詳しくは王国の陛下に聞いてくれ。帰るまでの間で少しは話が進んでるだろうからな。」

「分かりました。陛下、今年も一週間お世話になりました。」

「おう。またな。」

「はい。」

「では、父上。行って参ります。」

「ああ。」


そして私達は王国に向けて出発した。

私とリジアは変わらずシリウス達と同じ馬車だが。


帰る道中。

「そういえば今年は観光とかしなかったね。」

「心境的にそれどころじゃなかったからな‥‥。」

「む。私のせい?」

「だけじゃないけどな。」

「色々考えさせられた感じだな‥‥。」

「そうね‥‥。」


おおう‥‥。馬車の中がしんみりしちゃった。


「お前ら、殿下も。言いたいことは分かるが、お前らがしんみりしてどうする?当のマリンがいつも通りなんだぞ?」

とベネトさんが言った瞬間、全員の視線が私に集まった。


えっと‥‥‥どう答えろと?


と思っていると、

「確かに。」と。


その後はみんなもいつも通りに戻ってくれたので内心、ホッとしつつも馬車は進んでいった。


そして辺境伯領で休息をとって、フレイ兄様夫妻やアクア兄様と別れて、再び王都に向けて出発した。


今までのはなんだったんだ。


と言いたくなるぐらい何事もなく進み、王都へと到着した。


まあ、何事もないのが一番だけど。

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