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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第9章 封印とその後
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246話 マリンに足りないもの

「やっぱりここにいたか。」


そう言って近付いてきたのは勿論陛下。


「陛下?‥‥‥あれ?父様も?とりあえずおはようございます。」

「おう。おはよ。」「おはよ。」

「みんな集合してたか。マリン以外の女性陣は剣術しないよな?見学か?」

「その通りです。陛下。お二人も剣術の訓練ですか?」

「おう。マリンとセツナ様の対戦見てたら疼いてな。マリンには毎年相手してもらってるから‥‥」

「たまには父様と。ということですか?」

「おう!」

「強制連行されてきたんだ‥‥。」

「そ、そうですか。頑張ってください。父様。」

「ああ‥‥。」

「この中だと‥‥‥マリン。審判頼めるか?」

「いいですよ。」


そして父様と陛下がそれぞれ配置に着いたところで。


「お二人共、準備はよろしいですか?」

「「ああ!」」

「では‥‥‥始め!」


私の声で始まった対決。


あ。何気にこの二人の対決、初めて見るな。

そもそも父様が戦ってるところをなかなか見ないし。

‥‥‥‥っていうか二人共動き速いな。陛下は日頃から鍛えてるのは対戦してて分かるけど、父様が訓練してるところ見たことない気がするのに。


と考えながら二人の対決をしばらく見ていると。


お?決着付きそう。


すると、陛下に振り抜かれた剣で体勢を崩し、倒れ込んだ父様に陛下の剣が迫る。


うん。終わりだな。


「そこまで!勝者陛下。」

「‥‥‥ふぅ‥‥‥ん?マリン!ちょっと来てくれ!」


陛下に呼ばれたってことはやっぱり怪我したかな?父様。


そして父様達に近付くと、父様はその場に座り込んだまま動かずにいた。


「父様、怪我しました?」

「ああ‥‥多分足ひねった。」


ちょっと診ますね~と靴を脱がして、魔法で水のクッションを作ったその上に足を乗せて診てみると。


「腫れてきてますね‥‥一応。【ヒール】」


う~ん‥‥私は医者じゃないからちゃんと診てもらった方がいいかな。


「父様。とりあえず応急処置なので念のためちゃんと医師様に診てもらってください。」

「ああ。ヒスイ、フレイ。肩貸してくれ。」

「「はい。」」

「もうすぐ昼食だし、みんなも戻らないか?」

「そうですね。」

「悪い。ラルク。」

「いや。いいよ。」


そして全員で戻り、各々の部屋に向かった。

私も備え付けのお風呂で汗を流してから食堂に向かった。


昼食後。


「今からの時間、みんなはどうするんだ?」

「私は特に決めてないです。」

『同じくです。』

「う~ん‥‥‥なら、学生で集まって剣術・魔法大会の内容とか決める?」

「今決めるのか?」

「だって帝国の学園にも広めるんでしょ?なら確定させたのを提案する方がよくない?」

「お。そうしてくれると助かる。できれば学祭のも知りたいところだが‥‥」

「それはあとです。最悪、交流会の時に直接生徒会の方々に渡しますから。」

「おう。頼む。」

「なら、私の部屋に集まるか?」

「そうだね。レグルスの部屋、広いし。」

「入ったことあるの!?」

「え?うん。あるよ?リジア、そんなに驚くこと?」

「うん。‥‥‥私、普通よね?」

「「「「ああ。」」」」

「え?私がおかしいの?」

『うん。』

「まあ、いいじゃん。入ったことあるのは事実なんだし。行こ。」

『‥‥‥‥。』


『マリンは別の危機感が足らない。』

※食堂に集合していた全員の心の声(マリン以外)


「はぁ‥‥‥頭では理解してる筈なんだけどね‥‥。」

「だな。じゃないと首席になれる筈ないからな。」

「本当にな。自分が貴族令嬢だという意識が薄いんだろうな。」

「あと、戦闘面で強いからなにかあっても大丈夫だと思ってるからだろうな。」

「?」


リジア達友人が立ち上がりながらなんか呟いてる。なんだろ?


「マリン。貞操観念とか貴族令嬢としてどうなのよ?ってことよ。」

「ああ。そういうことか。別に私、冒険者でもあるから何言われてもいいかなって。」

『え?』

「え?私、最悪生涯独身でもいいかな~って思ってるし。」

『はあ!?』

と全員が驚いていた。


「駄目だ!マリン。それは勿体無さすぎる!」

「え?へ、陛下?」

「そうだ。それに20歳までに結婚相手見つけなかったらお見合いさせるって言ったよな?」

「と、父様。確かに言われましたが、逃げようかな~と‥‥」

「駄目だ。あの時は皇太子殿下だけは確実にお見合い相手に入れると言ったが、王子達も入れるからな?」

「「「え!?」」」

「シリウスとリゲルもですか!?」

「ああ。」

「‥‥‥‥なんで私の相手、そんなに身分が高い人達ばっかりなんですか‥‥?父様は私に冒険者をやめさせたいんですか?」

「そうじゃない。それにマリンの場合は王妃だろうと皇后だろうと冒険者の立場は無くならない。」

『え?』

「何故ですか?」

「浄化を使えるのはマリンだけ。だから魔素溜まりを消すのもマリンにしかできない。ならどんな立場になろうと冒険者の立場がないと他の国に魔素溜まりができた時や何かあった時に依頼が出せないだろ?」

『あ。』

「確かにそうだな‥‥‥ラルク、その理屈で言うと今すぐにでもマリンに三人の内の誰か選べって言えるんじゃないか?」

「「「「!!!」」」」

「‥‥‥‥そうなるな。」

「‥‥‥‥決められません。」

「だよな。‥‥という訳だから貴族令嬢として、世間の目にも気をつけてくれよ?」

「‥‥‥‥はい。えっと今の場合はみんなも一緒だから大丈夫。レグルスと二人っきりで部屋にいるのがまずいんですよね?」

「ああ。そういうことだ。」

「なら、レグルスと二人っきりになったことがあるのは黙ってて正解だったんですね。」

「そうだ。」

「「「え!?」」」

「リジア、リオト、ルビア。どうしたの?」

「どうしたの?って‥‥レグルスと二人っきりになったことあるの!?」

「うん。初めて帝国に来た年にね。」

「‥‥‥叔父様。」

「ああ。マリンを頼むリジア。」

「お任せください。側にいる間は私がマリンを守ってみせます。」

「え?」

「とりあえず行きましょ。マリン。」

「え?う、うん。」


そして私達は会議をするべくレグルスの部屋へと向かった。

あれ?また帝国滞在が長い‥‥。

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