242話 これから
さて、色々話は尽きないが。
「さて、そろそろ戻るか。ここにいて、これ以上初代様にご迷惑は掛けられないからな。」
「ん?別にいいけど?」
「我々は今の国を預からせて頂いてる身ですからそろそろ戻らねば。」
「そうですね、先輩。マリン、いいか?」
「はい。私はいつでも来れますし。それより両国の陛下、重鎮の皆さん。休息はできましたか?」
『!!!』
「気付かれていたか‥‥‥。」
「一国の国王が例え情報過多な話を聞いたとしても日々のやるべきことに影響を出す筈ないでしょう?」
「そうあろうとはしてるな。」
「お。私達は息抜きに使われた?」
「うん。雪奈姉と柚蘭と話せて、私は楽しかったけどね。」
「うん。私も楽しかったから息抜きぐらいに思ってくれたなら良かったよ。」
『‥‥‥。』
「セツナ様、ユラ様。お話をお聞かせ頂き、そして休息までさせて頂いてありがとうございました。」
「うん。柚蘭と鈴が守ってくれた国をよろしくね。」
「はい。」
「シリウス、レグルス。」
「「は、はい!」」
「王国と帝国の未来をよろしくね。鈴を泣かせたら許さないからね?」
「「勿論です!」」
「鈴。なんかあったらいつでも来ていいからね?」
「うん。また遊びに来るよ。それにシリウス達に泣かされることはないよ。私に勝てる人はいないんだから。」
「それもそうか。」
そして全員で外に出て、四神の元へ行くと。
「マリン様。お戻りに?」
「うん。」
「我々がついていきたいと申し上げれば、ご迷惑になりますか?」
「え?嬉しいよ?嬉しいけど‥‥」
「うん。そのままは目立つね‥‥。」
「どうすれば?」
「う~ん。ちっちゃくなるか、擬人化するかじゃない?」
「‥‥‥‥すぐには難しそうです。」
「なら、ここにいたらいいよ。」
「うん。学園を卒業したら私、旅に出るつもりだから誘いに来るよ。あ、雪奈姉達もその時一緒に行く?」
「お。面白そうだね。待ってるよ。」
「うん。じゃあ雪達もまたね。」
「はい。必要とあらばいつでもお呼びください。」
「うん。ありがとう。」
そして私はまず、王国の城にある陛下の執務室にゲートを繋げると、陛下達と姉様が帰っていった。
次に領地の屋敷の私の部屋に繋げてセレス母様と共に戻り、茶器を返した。
そして最後に私達は帝国の陛下の執務室に戻った。
『‥‥‥‥。』
「本当にさほど時間が経ってないみたいだな。」
と、執務室にある時計を見て陛下が呟いた。
「あ!」
「な、なんだ?マリン。」
「いや、どうせなら慰霊碑に行くの誘えば良かったかなって。」
「ああ~。直前に聞いてみたらいいんじゃないか?」
「それもそうだね。」
「さて、お前らこれからどうする?」
「まずはルナに報告に行きます。ルナにもらった祝福、使わずに済んだので。」
「世界樹だよな‥‥?」
「はい。いいですか?陛下。」
「ああ。」
「では、早速行ってきます。」
と言ってすぐに執務室を出ていったマリンを見送った一同は。
「‥‥‥マリンは変わらないんだな。」
「ああ。色々聞かせてくれたが、確かに隠すよな。あんなとんでもないことなら。」
「ああ。道理で色んな意味で強い訳だってすごい納得した。それでもマリンを諦めないか?レグルス。シリウス達も。」
「「「勿論。」」」
「父上。前世の記憶を持っていようと関係ありません。」
「俺達は今のマリンしか知りませんから。」
「精神年齢が上でも関係ありません。」
『‥‥‥。』
と、リゲルの一言で固まる一同。
「マリンって前世と合わせると幾つなんだろうな?」
と言ったベアルに反応したのは女性陣。
「陛下。女性に年齢を聞いてはなりませんよ?」
「お、おう。」
リリを含め、女性陣の無言の圧に襲われるベアルであった。
ただ、前世の記憶がある時点でヒスイよりは上だなと心の中で呟いた一同だった。
◇◇◇◇◇
一方マリンは庭園に向かい、世界樹の元に移動していた。
「ルナ。」
《いらっしゃい。マリン。》
「うん。ルナ、祝福使わないで済んだよ。」
《そうみたいね。私としても良かったわ。親友を一度でも手にかけてたらマリンの精神に少なからず影響があったかもしれないから。》
「そうだね。私もそう思う。でも祝福があったから思いっきりできた。だから改めてありがとう。ルナ。」
《ふふっ。どういたしまして。でもそのまま祝福は持ってていいわよ。》
「え?いいの?」
《うん。困るものでもないでしょ?》
「うん。むしろ有難い。治癒とかの効力が上がるのもあるから。」
《ふふっ。なら持ってていいわ。》
「うん。」
「マリンはこれからどうするんだ?」
「ん?自由に生きるよ。創造神様からもいいよってお墨付きもらったしね。で、まず学園を卒業したら旅に出る。魔素溜まりを見つけたらその時消すよ。後でできても一度行ったところならゲートで行けるしね。」
《なるほど。楽しみね。》
「うん。さて、報告も終わったし。戻ろうかな。」
《毎年来てくれるしね。》
「うん。来年もまだ学生だからこの時期にくるよ。卒業後は気が向いた時にも来るね。」
《ええ。待ってるわ。》
「じゃあ、帰るか?マリン。」
「うん。精霊王も毎回ありがとね。」
「気にするな。送るぞ。」
「うん。二人共またね。」
「ああ。」《ええ。》
そして私は再び庭園に戻った。
やっと戻ってきました。
マリンの精神年齢は何歳か。作者の中でこれぐらいというのはありますが、申し上げることはありません。
※女性の年齢は考えてはなりません。