240話 明らかになっていく理由
創造神様とペルセポネ様が来てまた話が二転三転してますが。
「ま、マリン。今話してるダンジョンってあの塔の話よね?」
「え?うん。そうだよ、リジア。」
「100階あるとしか聞いてなかったけど、中はどうなってたの?」
「ん?えっとまず1階がAランクで、それから上に上がって行くと徐々にSランクとかSSランクになっていって、最後の方はSSSランクしか出なかったね。」
「‥‥‥‥‥魔物の話よね?」
「うん。うじゃうじゃいたよ。だから最後の方は竜ばっかりだったね。あ、創造神様。ヒュドラは正しく私と雪奈姉しか倒せないので絶対入れないでくださいよ。」
「分かっとるよ。」
「なら、いいです。」
「マリン。ヒュドラって?」
「頭が9本ある竜だよ。しかも再生能力持ち。」
『え!?』
「ど、どうやって倒したの?」
「ん?首をちょんぱして、その切り口を焼くと再生しないから9本全部にそうしたら倒せるよ。」
『‥‥‥‥。』
「それは日本で得た知識と同じなんだね。」
「うん。創造神様は地球の史実とか創作物が好きだからね。だから一緒なんですよね?」
「うむ。」
「マリン。ちきゅうって?」
「日本という国があった‥‥世界って言った方が分かりやすいかな?」
「だね。」
『‥‥‥。』
「さて、儂らの用事は済んだからの。戻るが、いいかの?」
「「「はい。」」」
「では、最後にマリン。御使いとしての役目は終わった。ありがとうな。柚蘭さん。長い間、閉じ込めることになってすまんかったの‥‥雪奈さんも。3人共これからは残りの人生、自由に生きてくれ。」
「「「!!!」」」
「では、またの。」
そう言って創造神様とペルセポネ様は帰っていった。
「‥‥‥さて、鈴。これからどうする?」
「‥‥‥う~ん。話自体は終わったから帰ってもいいけど‥‥‥皆さん、頭の整理の時間がいります?」
『勿論。』
「じゃあ、今日はここに泊まる?」
「いいの?」
「うん。みんなもどう?」
『‥‥‥お世話になります。』
「はーい。じゃあ、鈴。夕食前に一戦付き合ってよ。」
「う~ん‥‥‥まあ、いっか。いいよ。」
「今の悩み要素何よ?」
「気にしないでいいの。」
と言って私達が出ようとすると。
「俺、見学していいか?」
「え?はい。どうぞ。」
と皇帝陛下が私達に続いて出てきた。
いや、陛下だけじゃなく全員出てきた。
「さて、皆さん。危ないのでそこから動かないでくださいね。」
というと、全員コクンと頷いた。
「雪奈姉。修行の時と同じ?」
「うん。魔法は身体強化と纏う為の風のみ。」
「了解。柚蘭。」
「ん?」
「開始の合図いい?」
「いいよ~。もう始める?」
「「うん。」」
「なら。‥‥‥始め!」
柚蘭の合図で同時に切り結んだ。
ちなみに私は雪奈姉にもらった剣を使ってる。
そして私達の攻防を見ている皆様は。
『‥‥‥‥。』
いつも通りは柚蘭だけ。
「おお~!鈴やるね~!お姉ちゃんの動きについていけてる‥‥‥勝ってるかな?」
「見えるのですか!?」
「ん?うん。見えるよ~。お姉ちゃんと鈴は昔からああやって対戦してたからね~。」
『昔から?』
「日本では剣道だけど、お姉ちゃんに対抗できる同世代の女の子が鈴しかいなかったんだよ。だから今みたいにちょいちょいお姉ちゃんに付き合ってくれてたんだよ。」
『‥‥‥。』
そしてしばらく攻防を続けていると。
「お。やっぱり剣道とは違うから鈴にも勝機があるんだな。」
「え?負けてたんですか?マリンは。」
「うん。対抗できるってだけでお姉ちゃんの方が強かったからね。お。‥‥‥‥おお~!勝者、鈴!」
「やったぁ!雪奈姉に勝ち越した!」
「くっ。鈴に負ける様になってきたな‥‥。」
『道理で強い筈だ‥‥‥。』
と3人以外の全員が思っていた。
「雪奈姉!またご飯作ってね!材料は提供するから!」
「くっ。分かった。でも人数が多いから手伝ってよ?」
「勿論。」
「あ。鈴、お味噌と醤油。まだ持ってる?」
「あるよ~。柚蘭。雪奈姉の味噌汁食べられるよ~。」
「本当!?やった!」
『え!?』
「ふふふ。帝国の皆さん。今こそお伝えしましょう。何故私が、見たことがない筈の味噌と醤油、そして鰹節の存在を知っていたかを。」
『ま、まさか。』
「そうです。ご飯、お米ですね。と合わせて日本の家庭の味だったからです!」
「なに!?市民でも食べていたのか!?」
「はい。普通に店で買えました。誰でも。」
「誰でも!?」
「はい。陛下、それを目指してください。可能性を秘めた調味料ですよ。醤油と味噌は。」
「おう!分かった。」
「雪奈姉、柚蘭。楽しみだね。」
「「うん。」」
「道理でベアルと意気投合する訳だな。」
「ですね。」
「あ。父様達はいつものがいいですよね?」
「できれば。」
「なら、帝国側は雪奈姉に頼んで、私が王国側作りますね。」
「なら、私はお姉ちゃんの方を手伝うよ。」
「私はマリンの方を手伝うよ。」
「ありがとう。柚蘭、リジア。」
そして全員で再び中に入り、私達4人で料理タイムです。
その間、他の人達はリビングに座っていた。
そこから台所が見えるので。
「ふふっ。楽しそうね。マリン。」
「さっきの話を聞く限り、マリンといとこしかいない空間だからな。」
「確かにそうね。」
「ああいう姿見ると、普通の女の子なんだがな。」
「だな。」
と、両親と皇帝が話していた。
すみません。予想以上にこの人達が集まる空気感が楽しくて長くなってます。