239話 意外な方々の登場
私達が和やかに話してる中。
《マリン。聞こえるかの?》
「ん?」
「どうしたの?鈴。」
「ん?ちょっと待って。多分創造神様だから。」
『え!?』
《創造神様?》
《うむ。この間はすまんの。折角ハデスを倒してくれたというのに素っ気なくなってしまった。》
《いえ。何かありましたか?》
《実はハデスの妻が儂らのところに来ておる。》
《‥‥‥何故でしょうか?》
《マリン達に謝りたいそうじゃ。》
《今更?》
《ぐっ。》
《今の声はペルセポネ様ですか?》
《ああ。マリン達3人だけじゃなくて、そこに集まっている者達にも謝りたいそうじゃ。》
《直接は関係ないのにですか?》
《ああ。迷惑を掛けたのは事実じゃし、その者達は大半が子孫達じゃろ?先祖の代わりに聞いて欲しいそうじゃ。》
《はあ。でも私達はともかく、他の人達はそっちに行けませんよね?》
《ああ。じゃから儂らがそっちに行く。》
《は!?来れるんですか?》
《ああ。普段マリン達がいる世界だと駄目じゃが、今いるのは雪奈さんが作った別世界じゃ。問題ない。》
《‥‥‥分かりました。聞いてみます。》
「はぁ‥‥‥。」
「鈴。創造神様、なんて?」
そして会話の内容を伝えると。
『‥‥‥。』
私達三人以外が固まった。
「へ~。じゃあ、創造神様とハデスの奥さんが来るの?」
「うん。私達が聞くならだけど。雪奈姉、柚蘭。どうする?」
「ん?聞いてあげようよ。」
「うん。私もいいよ。」
「実は私も。皆さんはいかがですか?」
「いや、マリン。色々ついていけてないところで聞かれてもな。」
「ああ。でもとりあえずここに私達がいる間しか機会はないんだよな?」
「うん。そうだと思うよ。」
「ならまずは聞くだけ聞いたらいいんじゃないかと私は思うんだが。皆さんは?」
『‥‥‥。』
「そうだな。とりあえず聞くだけ聞くか。」
とベネトさんが答えた後、全員が了承を示したので。
「創造神様。聞いてましたよね?いいそうですよ。」
『え!?』
やっぱり会話を聞いていたらしく、創造神様が女性を連れて来た。
「おお。本当に来ましたね。創造神様。あの場所以外で会うと不思議な感じですね。」
「本当。お久しぶりですね。創造神様。」
「お久しぶりです。創造神様。」
「うむ。こうして会うのは久しぶりじゃな。雪奈さん、柚蘭さん。そしてマリン。橋渡し、ありがとな。」
「いいえ。ところで、創造神様。一緒にいらっしゃった方が?」
「うむ。」
「初めまして。ペルセポネと申します。まずは雪奈さん、柚蘭さん。元夫がご迷惑をお掛けしました。私が勝手にハデスを叩き落としたばかりに‥‥‥私としては改心するのを期待しての行動だったのですが、ハデスには届かなかった様です。謝って許される筈ありませんが、夫に代わり謝罪させてください。申し訳ありませんでした!」
と最後に頭を下げた。
「「‥‥‥。」」
今、二人は複雑な心境なんだろう。目の前にいるのはある意味、柚蘭が封印に入らないといけなくなった元凶の一人。でも、この人は一応ハデスを止めようとはしてくれた人。
‥‥人じゃないだろうけど。
そしてペルセポネ様は今度は私の方を向いた。
「あなたがマリンさん?」
「はい。そうです。」
「前世では雪奈さん達のいとこだったのよね?」
「はい。」
「なら、ハデスと戦う時に柚蘭さんとも戦うことになったのよね?」
「はい。」
「辛い思いをさせてしまったわね‥‥‥ハデスを浄化で私のところに送ってくれたのもあなただったわよね?」
「‥‥‥はい。」
「‥‥あなたの手で消したかった?」
「いえ。ハデスに自分の罪の重さを解らせるなら奥さんであるあなたの制裁を受けた方がいいですから。」
「!!‥‥‥ありがとう。そして辛い思いをさせてごめんなさい。」
と言って私にも頭を下げて謝ってくれた。
「頭を上げてください。私も柚蘭も無事に今こうしていますから。それにハデスに制裁を加えてくださったんですよね?」
そしてペルセポネ様は頭を上げてから答えてくれた。
「勿論よ。いい加減愛想が尽きたし、冥界に叩き落とすだけじゃ気が済まなくてね。魂を私の手で完全に消してやったわ。だからもう二度と復活しないから安心して。」
「「「え!?」」」
「す、すごいですね‥‥‥安心はできましたが。」
「うん‥‥でも、ハデスが完全に消えたならいいか。鈴も言ってたけど、私もお姉ちゃんも鈴も無事でこうしてまた話せる。だからペルセポネ様。あなたの謝罪を受け入れます。」
「うん。私も。ペルセポネ様。第二のハデスにならないでくださいね。」
「勿論です!それに仮に私が第二のハデスになってもマリンさんに負けます。浄化持ちだからあっさり。」
「確かにそうですね。」
「さて、最後に王国と帝国の子孫の皆様。」
『は、はい。』
「先祖のことで、正直謝られても戸惑うだけでしょうが‥‥‥ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。」
と、こちらにも頭を下げて謝っていた。
『‥‥‥。』
戸惑ってるな~。
「両国の陛下。皆様。何かお答えしませんと。」
『あ。』
「確かに戸惑いますが、謝罪は先祖に代わり受け取りました。頭を上げてください。」
「はい‥‥。」
「我々帝国も謝罪を先祖の代わりに受け取りました。」
「ありがとうございます。」
と、やっとペルセポネ様の謝罪タイムの終了だ。
すると今度は創造神様が話がある様で。
「マリン。」
「はい?」
「四神がいた遺跡、あったじゃろ?」
「はい。当初はそれでダンジョンを作ろうとしていたやつですね?」
「うむ。あれな、一旦儂が回収した。」
「四箇所共ですか?」
「ああ。四神がいなくなった後、あれを囲っていた結界も解けたからの。放置してもいいことはないじゃろ?」
「確かにそうですね。放置するならちゃんとダンジョンにしてからですね。」
「うむ。で、それを回収せねばと思って念話が素っ気なくなってしまったんじゃ。すまんの。」
「いえ。私はそれを考えてなかったのでむしろ良かったです。あ。そういえば、創造神様。」
「なんじゃ?」
「雪達。どうしますか?」
「む?」
「雪達は私と雪奈姉の二重で契約している状態ですよね?本人達が望めば解放してあげられますか?」
「ああ。その事か。四神達が望むなら儂が解除してやれる。いつでも言ってきてくれ。」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
「儂もあの子達を400年も縛ってしまったから自由にしてやりたいしの。構わんよ。ところでマリン。」
「はい?」
「修行したダンジョンは鬼畜だったのか?」
「はい。あれは私と雪奈姉しかクリアできません。」
「そうか。四神達がいた遺跡を使って改めてダンジョンを作ろうかと思っておるんじゃが‥‥」
「あのレベルはやめてくださいよ!?死者を増産しますよ!?むしろ死者しか出ませんよ?」
『え!?』
「うむ‥‥‥その様じゃな。雪奈さん、柚蘭さんと合わせて、相談に乗ってもらってよいか?」
「はい。是非とも参加します。あのレベルのダンジョンを作られたら堪ったもんじゃありません!勝手に作らないでくださいよ!」
「分かっとる‥‥。」
「お姉ちゃん。鈴が話してるのって創造神様だよね?」
「うん。そうだよね‥‥でも、ダンジョンを一緒に作れるって楽しそうだよね?柚蘭。」
「‥‥‥そうね。」
一方。ペルセポネを含めた他の人達は、雪奈達3人と創造神の様子を信じられない光景を見ている様に固まっていた。
あれ‥‥?創造神とマリンの立場が逆転してきてる様な‥‥?
口で勝ち始めてきましたね‥‥マリン。
そうなる様にマリンに作者の手を動かされてる気分です。