236話 隠していたこと
さて、ようやく師匠もとい雪奈姉の現在の家に到着です。
「ここが師匠の家ですよ。」
「マリン。今更だけど、突然伺って良かったの?お知らせしてないよね?」
「ん?大丈夫だよ、リジア。行くよって言ってあるから。」
「え?いつ言ったの?」
「え?皇帝陛下の執務室で。」
「どうやって!?」
「念話で。」
『‥‥‥。』
呆気にとられてるっぽいな。
「?‥‥とりあえず入るよ?」
そう言って私はガチャっと扉を開けて入り、
「雪奈姉~!柚蘭~!来たよ~!」
『え!?』
「ま、マリン。勝手に入ったら‥‥」
とリジアが言ってる間に二人が来た。
「お。いらっしゃい。鈴。みんなもようこそ我が家へ。中に入って。」
「おお~沢山来たね~鈴。」
「うん。お邪魔しま~す。」
と言って私達3人は普通に中に入っていくが。
連れてきた全員が固まっていた。
「皆さん。大丈夫ですから入りませんか?」
「あ、ああ。そうだな‥‥。」
という父様の声で他の人達も中に入ってきたので、そのままリビングに案内して全員座ったところで。
「あ。鈴、こういう時ってお茶出すものだよね?」
「そうだね。でもコップないでしょ?」
「あ。うん、ない。忘れてた。」
「大丈夫。屋敷にも行った時にうちの茶器をちゃんと了承を得て借りて来たから。」
「え?マリン。いつの間に?」
「セレス母様をお迎えに行った時ですよ。別の場所でティーパーティーするって言ったら準備してくれました。」
『‥‥‥。』
「おお~やるね~鈴。」
「でしょ?じゃあ台所借りるね。雪奈姉。」
「私も手伝うよ。」
「あ。私も!」
「お。ありがとう~。雪奈姉、柚蘭。」
と私達が会話しながらお茶の準備をしていると。
「なあ、リジア。マリンの師匠に会うって話だったよな?」
「ええ。私もそう聞いてた筈だけど‥‥それにさっきからマリン、違う名前で呼ばれてない?」
「そういえば‥‥。」
と私の友達が話している‥‥。
そしてお茶(ちゃんと紅茶。)が全員に行き渡ったところで。
「さて。やっぱりここは私達の関係性からかな?雪奈姉。」
「だね。」
「じゃあ私のステータスを見せる時だね。」
『え!?』
「私が今までステータスをひた隠しにしていたのは御使いであることと、異常な能力だけじゃないんです。とある称号を見せるのが怖かったからです。」
「それなのに見せてくれるの?」
「うん。リジア、皆さん。覚悟してくださいね。」
『‥‥‥。』
コクン
全員が頷いてくれたので。
「【ステータスオープン】」
と表示させて気付いた。
「あ。間違えた。これ改竄してるやつだ。ちょっと待っててくださいね~。」
『‥‥‥。』
ちょちょいとプログラムして再度。
「お待たせしました。【ステータスフルオープン】」
[名前]マリン・フォン・クローバー
[種族]人間? [性別]女性 [年齢]十四歳
[称号]辺境伯家次女 転生者 神の御使い 亜神
四神の主人 神々に守られし者 精霊に愛されし者
世界樹の祝福を受けし者 勇者の弟子
神を浄化せし者
[レベル]表示不能
[体力]表示不能
[魔力]表示不能
[能力]測定不能
[魔法]
創造魔法Lv.10
火魔法Lv.10
風魔法Lv.10
水魔法Lv.10
土魔法Lv.10
光魔法Lv.10
闇魔法Lv.10
聖魔法Lv.10
空間魔法Lv.10
[スキル]
鑑定Lv.10
武術Lv.10
体術Lv.10
物理耐性Lv.10
魔法耐性Lv.10
[加護]
創造神の加護Lv.10
生命神の加護Lv.10
魔法神の加護Lv.10
武神の加護Lv.10
商業神の加護Lv.10
精霊王の加護Lv.10
『‥‥‥‥。』
「あれ?また称号増えてる‥‥神を浄化せし者?」
「おお~!鈴すごいね~‥‥ってお姉ちゃん。鍛え過ぎじゃない?鈴まで亜神になってるじゃん。」
「いやいや。柚蘭、これぐらいじゃないと助けられなかったからいいんだよ。‥‥‥自分でもドン引きしたけど。」
「それより、鈴。ちゃんと説明しないと。」
「あ。うん。皆さん。衝撃は理解できますが、お話してよろしいでしょうか?」
『‥‥‥どうぞ。』
「私がひた隠しにしたかった称号は「転生者」です。」
『!!!』
「転生者って‥‥‥マリン‥‥。」
「うん。リジア、今ここにいるのは確かに皆が知ってるマリン・フォン・クローバーで間違いないよ。私の魂が別の世界から来ただけ。そして私には前世の記憶がある。」
『‥‥‥‥。』
衝撃で言葉が出て来ないかな。
そりゃそうだ。
「そしてこの家の主である私の師匠。師匠は前世での私のいとこ。一緒にいるのは師匠の妹で前世では私の同い年の親友。二人は前世で先に亡くなったからこの世界に転生してまた会えた時は本当に嬉しかった。」
「うん。私達も嬉しかったよ。鈴。‥‥‥さて、私達も自己紹介しないとね。」
「うん。そうだね。お姉ちゃん。」
「私は白石雪奈。この世界へは聖女に妹と一緒に召喚されてきた。勇者としてね。」
『え!?』
「雪奈姉。もう一個あるでしょ?」
「うっ。‥‥‥‥あと、王国初代王妃のセツナ・セレスティンでもある。」
『えぇぇぇぇぇ~!?』
「ははは!驚かれてるね~お姉ちゃん。‥‥私は妹の白石柚蘭です。私は賢者として召喚されました。」
『‥‥‥。』
「ふふっ。皆さん、衝撃しか待ってませんよって申し上げたじゃないですか。あ。あと、先程から二人が私のことを鈴と呼んでいたことですが、あれは私の前世の名前の愛称です。前世の私の名前は白石鈴音っていうので。」
『‥‥‥‥。』
驚き過ぎたのか固まってる皆様。両陛下でさえ固まってる。
「えっと雪奈姉。これは意外と衝撃が大きすぎた結果かな?」
「だね。」
と言っていると、最初に戻ってきた父様。
「マリン。確認だが、マリンは俺達の娘で間違いないよな?」
「はい。私、マリン・フォン・クローバーは父様とディアナ母様の娘です。それは間違いありません。」
「そうか‥‥‥それで、マリンが助けたいと言っていたのが‥‥」
「はい。ここにいる柚蘭です。‥‥‥父様。私個人としても、歴史に関しても話すことは沢山あります。最初から全て私達3人が話します。」
「ああ。分かった。」
そして私達は話始めた。