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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第9章 封印とその後
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228話 元神との死闘

そして荒野へと移動すると。


「ふふふ‥‥‥はははは!やっとこの時が来た!やっと全ての人類を亡き者にできる!‥‥‥ん?来たか。ふっ。ちゃんと強くなった様だな。四神全員も従えて。その体と力。今こそもらい受けるぞ!」


「あなた、冥界の神ハデスさんなんだってね?‥‥‥柚蘭の顔で‥‥柚蘭の口でそんな言葉言わないで!!」


「なんだ、この娘のことを知ってるのか?」


「知ってるも何も親友よ!」


「そうか。なら、私がこのまま操って攻撃したら親友同士の死闘か。面白そうだな。どちらにせよ、お前は今のままだと私の操り人形にならないだろうから丁度いい。試させてもらうぞ、その力!」

「なっ!」


え?変わり過ぎじゃない?雪奈姉の話の中では口調丁寧だったよね!?

あ。学園襲った時、既にこんな感じだったか。


と考えてる間に攻撃を仕掛けてきた。

しかもあの時の雷。そして詠唱どころか魔法名も口にせずに。

私は咄嗟にあの時と同じく反射(リフレクション)で弾き返した。


あっぶね~!


「ちっ!やっぱり弾くか。なら!」


と、どこから出したのか剣を抜いて近付いてきた。

私も身体強化を掛け、ストレージから雪奈姉にもらった剣を抜くと、ハデスが振り下ろした剣を辛うじて防ぐことに成功した。


「ほう。これも防ぐか。だが、これで終わるとは思ってないだろ?」

「でしょうね。」


と、ハデスは私から離れてネクロマンサーの方を向いた。


「おい!お前に貸してやった力。返してもらうぞ。」

「「え!?」」


そう言うとハデスがネクロマンサーの方に手をかざした。

すると、ネクロマンサーの体から黒い塊が出てきてハデスの手に収まった後、吸い込まれて消えた。

そしてネクロマンサーは気を失って倒れていた。


「ふふふ‥‥これで完全に戻った!覚悟するがいい!」

「やだよ!」

「なんだと!?」

「当たり前じゃない!奥さんに仕事押し付けて暴走するような最低野郎に覚悟してあげる必要はないわ!私があなたを奥さんの所に連れていってあげる。」

「な、なんだと‥‥では今、冥界を仕切っているのはペルセポネなのか!?」

「他に誰がいるのよ?」

「なんということだ‥‥‥ますますやられる訳にはいかなくなった。やっぱりお前を叩きのめしてその体と力。もらい受ける。」


そう言って再び柚蘭の体を操って剣を振り下ろしてきた。

辛うじてそれを防ぐと、今度はその近距離のまま片手を剣から放して岩弾の様な物を放ってきた。それを寸でのところで避けて私も片手を放して真空弾(エアバレット)を撃った。避けられて、すぐさま距離を取り仕切り直しの様にまた向かってくる。この繰り返し。


そうして私対ハデスの剣と魔法の攻防はしばらく続いていた。


柚蘭は剣術どころか剣道すらやってなかったのに!

これが武神様の加護を持つ柚蘭の体を使った元神様の力ってことか!

でも、半神とはいえ柚蘭もまだ人間だし私みたいに鍛えてない筈だからそろそろ体力の限界がくる筈‥‥


と考えながら戦っていると、まるで心を読んだ様に。


「ああ。そういえば、この体の体力の限界を待っても無駄だぞ?操ってるのは私だ。この体が限界でも関係ない。使い物にならなくなるまで操り人形だ。」

「なっ!」


柚蘭。ごめん。

この期に及んでまだ迷ってた。柚蘭を傷つけるのを。

でもそれじゃ駄目だった‥‥‥。


「柚蘭を‥‥‥返してもらうわ。」

「はい、そうですかと返す訳がないだろ!」


と話してる間も攻防は続いていて、全く浄化魔法を使う隙がない。


なんとか隙を作って浄化魔法を当てないといけないけど‥‥‥どうやって隙を作るかな‥‥ほんの少しでも動きを止められる様な‥‥バインドだとすぐ砕かれるかもだし、麻痺はそもそも直接触らないと効果出ないし‥‥

なら、どうなるか分からないけど凍ってもらう(・・・・・・)しかないか!初めて使うどころか今思いついたのだけど、やるしかない!


とほんの一瞬の隙をついて


「【絶対的氷結(アブソルートフリージング)】!」

「な、なに!?‥‥‥な、なんだこれは‥‥」


と、喋りながらハデスは凍っていった。


よし。成功。

あとは浄化だ。


と、この少しの間でもう凍っているのを溶かされ始めた。


「まずい!柚蘭、今助けるから!【聖なる祝福(ホーリーブレッシング)】!」


そして既に凍らせていた体の半分以上を溶かしていたハデスに向かって浄化の光が降り注いだ。


「なんだと!?ぐっ‥‥あああぁぁぁぁぁぁ!」


その瞬間、柚蘭の体から何かが出てきた。

それをハデスの魂と判断して、倒れそうな柚蘭に瞬時に近付いて抱え込み、再びハデスから距離をとった。


「柚蘭!!」

「‥‥‥。」

柚蘭は気を失っていた。


《くそっ!御使い、お前も浄化が使えたんだったな。ゼウスめ。今度は浄化持ちの御使いなどと忌々しい!こうなったらこいつで我慢するか。》


と、今度はネクロマンサーの中に入ろうとした。


「させない!」


私は柚蘭を地面に寝かせてハデスの魂に向けて最大出力の浄化魔法を放った。


「ハデス。今、奥さんの所に送ってあげるわ!これが私達地上に住む人間の判断よ。あなたの様な身勝手なやつ、いらないのよ!【聖なる判断(ホーリージャッジメント)】!」

《なっ!っぁぁぁぁぁぁぁぁ!》


そしてハデスの魂は消えた。

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