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225話 新しい一年の始まり

卒業パーティーが終わった後。

折角なので父様と母様に庭園を見てみないか?と誘ってみたら陛下達も来ると。

結局王族、公爵親子、辺境伯家の卒業パーティーに参加したメンバー全員来た。


そして庭園を見た感想は。


「おお‥‥!」

「見事なものだな‥‥。」

「マリン達生徒でやったのよね?」

「そうですよ。母様。」


数ヶ月掛けて整備して、植えた苗は春に咲く花達。

チューリップやカスミソウみたいな小さくて可愛い花など、まだ咲いてるとまではいかなくても大分育ってきた花達が花壇を彩り始めていた。


「まだまだ前の庭師さんが私に見せてくれた程ではないですが、少しずつ近づいてます。」

「そうか。理事長として気になってたんだ。ありがとな。マリン。」

「いえ。前の庭師さんとの約束ですから。あの時見せてくれた景色を現実にすると。」

「そうか。」

「陛下。私からも感謝を申し上げたいと思います。」

「ん?」

「今日、姉様達も一緒に送り出せた気がします。それにここの整備も、ほぼ生徒達だけでやるなんてとんでもない提案を通して頂きましたので。」

「とんでもないことを言った自覚はあるんだな。」

「あるに決まってるでしょ。シリウス。王子や皇太子にまでやらせたんだよ?」

「でも、私は楽しかったぞ?」

「俺も。」

「楽しかったならいいじゃない。シリウス。」

「ああ。とんでもないことを言った自覚はあるんだな。って言っただけで、特に文句は言ってないだろ?」

「あ。確かにそうだね。」

「ははは!マリン。庭園のこともクリス達のこともどちらも当然だ。」

「そうですよ。マリン。私も統括責任者として嬉しかったですよ。それに我々も庭園に入るのは初めてですからね。」

「え?では父様や母様も?」

「入ったことはなかったな。」

「私も。」

「なら、今日提案して正解でしたね。」

「ああ。」「ええ。」

「私が卒業するまでに再現できるといいな‥‥。」

「そんなに綺麗だったのか?」

「うん。王国と帝国。両方共城の庭園がすごく綺麗だったけど、そのどちらとも違った綺麗さがあったかな。」

「例えるなら?」

「二国の城の庭園が「豪華」と表現するならここは「素朴」かな。」

「ちょっと分かる気がする。ここの花達、マリンが庭師さんと相談して決めてたもんね。」

「うん。みんなにも聞いたのに全員揃って私に任せるって言うから。」

「マリン主導でやってるんだから当たり前でしょ?それに前の庭師さんが見せてくれたっていうのは私達知らないしね。」

「うっ。確かに。‥‥ちなみにこの黄色の花の名前、フリージアなんだよ?」

「え?そうなの?」

「うん。他にもいろんな色があるけどね。」

「へ~私と同じ名前なのね。」

「そうだよ。こういう発見も楽しいでしょ?」

「うん。」


「ふふっ。マリンちゃんが生徒会長になったら伝説でも残しそうね。」

「ああ~確かにね。マリンは既に有名人だし、庭園整備も主導してやっちゃうぐらいだしね。思い付いたら行動力すごいから、知らず知らずの内に功績を残して伝説の生徒会長とか言われそうだよね。」

「ははは!それは楽しみだな。」

「‥‥‥来年度でやりたいことやって功績があってもベネトさんに押し付けようかな‥‥。」

「頼むからやめてくれ‥‥自分の時にしてくれ。」

「マリン‥‥大丈夫そうだな。」

「ふふっ。はい。父様、一人でも大丈夫ですよ。」


それからしばらく庭園を見て回った後、それぞれの帰路についた。



それから、父様やマリア姉様と一緒にアクア兄様が領地に帰っていき、姉様もその後魔法師団の宿舎に引っ越していった。



そして私達は4年生になった。

今年もクラス分けを見ていると、みんなが集まってきた。順位も載ってる。


「やっぱりマリンが首席かぁ~。私、また3位だし。」

「いや、3位でも十分すごいでしょ。」

「そうだぞ?俺達より成績上なんだから誇れよ。」

「でも、シリウスとリゲルはまた成績上がったね。」

「ああ。去年19位だった俺が4位って夢かと思ったぞ。」

「俺も5位って‥‥。」

「アイリスもだね。」

「うん。6位は驚いた。」

「私達6人で上位独占だな。」

「うん。とんでもない集団になったよね。」


首席→私、次席→レグルス、3位→リジア、4位→シリウス、5位→リゲル、6位→アイリス


「マリン姉様!」

「あ、リオトとルビア‥‥ベネトさんも来たね。」

「おはようございます!皆さん。」

「「「「おはよう。」」」」

「リオト達も見てきたのか?」

「はい。兄上。僕、今年も首席でした。」

「私も次席でしたわ。」

「ベネトさんは?」

「当然首席。」

「ならやっぱりベネトさんが生徒会長だね。」

「だよな‥‥‥で、みんなはどうだったんだ?」

「シリウス達、成績上がってたよ。」

「‥‥‥本当だ‥‥兄上すごいですね‥‥。」

「兄様もですわ‥‥。」

「だな‥‥そしてマリン達はさすがだな。」

「ふふっ。勿論。さて、みんな教室行こ?」

『ああ。』「「うん。」」「「はい!」」


こうしてまた新しい一年が始まる。


そして選択授業は全員去年と同じ。

私達の担任も変わらずレイヤ先生。

生徒会にいるメンバーも同じ。


ただ。

去年懸念していた通り、今年の新1年生の生徒会加入希望が沢山いたらしく、担任の先生を悩ませたそうだ。

理由はリオト達の時と同じ。私に会えるからだと。

では、担任の先生はどうやって決めたか。単純に首席と次席だけにした。後は知らん!‥‥ということにしたらしい。(首席さん情報。)


そしてこの新1年生二人(ちなみに男女一人ずつ)。

最初からキラキラした目で見られるから戸惑った。

この子達にも天使は伝わっていた‥‥‥

第一声が「「天使様!」」だったよ‥‥。

戸惑うわ~‥‥。


とか考えつつ私はちゃっかり作っていた袴を着て、弓道道場で弓を射っていた。武術科の授業中です。


「お。中心に当たる様になってきたな。クローバー。」

「はい!」

「その今着てるやつ、はかまだっけか?」

「はい。」

「自分で作ったんだよな?」

「そうですよ。」

「‥‥‥何着か作ってもらってこの授業だけこれに着替えるとかするかな‥‥」

「私、家庭科も取ってるので作り方伝えられますよ?」

「お。本当か?なら家庭科の授業に申請してみるか。」

「お任せしますよ。」


そして本当に家庭科授業で袴を作ることになった。


先生、行動力すげぇ‥‥


と思いつつ、作り方は私しか知らないので完成品として自分用に作った袴を見本に全員に作り方を伝えた。


そうして月日は過ぎていき、再びあの季節です。

閑話章、終わりです。

次回から物語を進めます。

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