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224話 兄の卒業

卒業生達が入場してきた後。


去年と同じく陛下の挨拶からパーティーは始まり、進んでいく。

そして私にとっては苦行の時間。つまりダンスタイムに入ってしまった。


去年と同じくシリウス→レグルス→リゲルと踊った。

共通して言われたのはやはり、


『相手してくれて助かった。』である。


シリウスとリゲルは卒業してもリオトとルビアがいるからまだ卒業パーティーには出席しないといけない筈なんだけど、どうするつもりなんだろ?

まあ、私はいないから気にしてもしょうがないか。


そしてリゲルと戻ってくると。


「マリン‥‥‥今年もいいか?」

「ふふっ。いいですよ。アクア兄様。」


疲れてるアクア兄様が待っていた。

そしてアクア兄様と踊ってる間。


「やっとこの苦行から解放される‥‥。」

「でもアクア兄様はこれから夜会とか含めた社交界に出ないといけなくなりますよね?」

「うっ‥‥‥舞踏会もあるよな‥‥?」

「恐らく。私は卒業した後、冒険者に勤しむので逃げますが。」

「そうか‥‥マリンは逃げられるな‥‥羨ましい。」

「ふふっ。まずはここを乗り越えないとですね。」

「ああ。今年もマリンのお陰で精神的休息が取れた。ありがとな。」

「ふふっ。どういたしまして。」

「ところでマリン。泣いたのか?」

「え?」

「目、赤いから。」

「あ~まだ赤かったですか‥‥卒業式でアクア兄様の卒業生代表挨拶を見てたら実感してきまして‥‥」

「なにを?」

「兄弟が誰一人私の側にいない日々が始まってしまうんだな~と。」

「ああ‥‥なるほど。確かにそうだな。」

「大丈夫ですよ?慣れないと世界を旅するなんて出来ませんし。」

「だな。それに夏休みに会えるだろ?」

「はい。」


と話してる間に一曲が終わった。

二人で一礼してみんなの所に戻り、私は今年もベランダに休憩しに出た。


すると今年も。


「休憩か?」


と陛下が来た。


「ふふっ。はい。休憩です。陛下もですか?」

「ああ。去年と同じ会話だな。」

「そうですね。去年は私にシリウスを王太子にするのはどうか聞かれましたね。」

「ああ。まさかその後本当にSクラス入りするとは思わなかったがな。シリウスがSクラスに入る様なら王太子にしようと思ってたが、まさかすぐそうなるとは思わず、王太子にする機会を逃してしまった。」

「え?もう王太子にするつもりだったのですか?」

「ああ。駄目か?」

「ふふっ。陛下、私が決めることではありません。陛下がいいと思った時でいいと思います。」

「はは!確かにそうだな。来年度もSクラスでいられるなら王太子に任命してやるかな。どうだ?シリウスの成績は。Sクラスに残れそうなのか?」

「そうですね。むしろ成績、上がってるみたいですよ?この前の試験も前より順位上がってましたから。」

「そうなのか!?」

「ふふっ。はい。頑張ってますよ。シリウス達。」

「そうか‥‥‥ありがとな。マリン。」

「え?」

「魔法も座学も教えてくれただろ?」

「私だけじゃないですし、本人達の努力もありますよ。」

「変わらんな。マリンは。」

「ふふっ。‥‥‥でも、シリウスが王太子‥‥。」

「どうした?」

「初めて会った時に比べたら別人だな~と実感してました。王太子にするにはあり得なかったですからね。当時。」

「ははは!そうだな。」


「二人共。自覚はありますが、失礼ですよ。」

「お。シリウス、来たか。」

「ふふっ。自覚があって良かったよ。」

「はぁ‥‥‥マリン、父上。そろそろ閉会では?」

「お。そうだな。」

「マリン。リオトが相手してほしそうだったぞ。」

「え?」

「おお、そうか。なら、マリンとリオトが踊ってから挨拶するか。」

「陛下‥‥。」

「マリン姉様!探しました!」

「リオト?」

「一緒に踊ってくれませんか?」

「ふふっ。いいよ。行こ。」

「マリン。リオト本人に言われるとあっさり受けるんだな。」

「当然だよ。シリウスと違ってこの純粋な目を見て断れる訳ないでしょ?」

「‥‥‥。」

「嬉しいです。マリン姉様。」


そしてマリンがリオトと踊っている間。


「ぷっ。シリウスと違ってか‥‥。」

「父上~?」

「リオトに負けるなよ?シリウス。」

「大丈夫ですよ。リオトにはルビアがいますし、マリンもリオトを弟の様にしか見てませんから。」

「みたいだな。」


と国王親子が話していた。



そして陛下の挨拶で卒業パーティーは終わりを告げた。

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