218話 世界樹の祝福
修行後のとある日。
私は部屋で一人、自分のステータスを見て固まっていた。
そのステータスが修行前と後で変わり過ぎていたからだ。
そのステータスは‥‥
[名前]マリン・フォン・クローバー
[種族]人間? [性別]女性 [年齢]十三歳
[称号]辺境伯家次女 転生者 神の御使い 亜神
四神の主人 神々に守られし者 精霊に愛されし者
世界樹の祝福を受けし者 勇者の弟子
[レベル]表示不能
[体力]表示不能
[魔力]表示不能
[能力]測定不能
[魔法]
創造魔法Lv.10
火魔法Lv.10
水魔法Lv.10
風魔法Lv.10
土魔法Lv.10
光魔法Lv.10
闇魔法Lv.10
聖魔法Lv.10
空間魔法Lv.10
[スキル]
鑑定Lv.10
武術Lv.10
体術Lv.10
物理耐性Lv.10
魔法耐性Lv.10
[加護]
創造神の加護Lv.10
生命神の加護Lv.10
魔法神の加護Lv.10
武神の加護Lv.10
商業神の加護Lv.10
精霊王の加護Lv.10
‥‥‥‥‥‥‥。
え?表示不能とかあるの?数値が見れないってどうなってるの?私のステータス。
称号にある勇者の弟子とか世界樹の祝福は分かるけど、亜神‥‥?あ!よく見たら人間「?」って「?」付いてるじゃん‥‥‥‥え?私、人間やめてるの?
でも一応?は付いてても人間なんだよね?
私もいつか雪奈姉みたいに神様になるんだろうか‥‥?
‥‥‥とりあえず「世界樹の祝福を受けし者」だな。
世界樹の祝福を受けし者▼
治癒・回復魔法の効力を上げる。
聖魔法の威力を上げる。
一度だけ術者の生命力を消費せずに死者蘇生が可能。
‥‥‥‥‥‥え?これ‥‥‥もしかして柚蘭の為‥‥‥?
封印されてる間にどうなってるか分からないから?それともハデスが柚蘭を操って攻撃してきても私が躊躇しないでいい様に?
どっちもかな。創造神様に頼まれたって言ってたし。
そういえば死者蘇生って術者の生命力を消費するって魔法書に書いてあったな。使える人自体が稀みたいだけど。
*****
私はルナに改めてお礼を言うべく、庭園へと向かった。
そして世界樹の株分けの前に着くと、手を当てて。
「精霊王。」
《ん?マリンか。》
「うん。そっちに連れていって。」
《ああ。》
そして景色は変わり、世界樹の前。
『マリン、身長やっぱりまた戻ってるな。』
「うん。」
《私が説明したでしょ?》
「そうだよ。」
『‥‥‥。』
《それで、挨拶に来てくれたの?》
「うん。それもあるけど、ルナにありがとうって言いに来た。」
《ん?》
「祝福、効果見たよ。その時がこないことを祈るけど、いざという時躊躇しなくて済むから。」
《ふふっ。やっぱり私の意図に気付いてくれたみたいね。》
「ふふっ。あと、挨拶もしに来たのは確かだよ。明日帰るから。」
《そっか‥‥‥マリン。》
「ん?」
《頑張ってね。》
「うん。ありがと。ルナ。」
そして私は二人(?)に「またね」と言って、短い滞在を終えた。再び精霊王に株分けまで送ってもらうと。
「ほ、本当にマリンがいきなり現れた‥‥。」
「ほ、本当ですわ‥‥。」
「‥‥‥リジア、ルビア。どうしてここに?姉様も。」
「ふふっ。二人がね、株分け見たいって言ったから連れて来たのよ。」
「それで、本当に精霊王に会ってきたの?」
「うん。二人共、言ってくれればここまでなら一緒についてきて良かったのに。」
「精霊王には会えないのよね?」
「はい。今のところ私だけですね。」
「だよね。」
そうして帝国滞在最後の日が終わった。