205話 毎年恒例の
そして月日は経ち、毎年恒例のあの国に行く季節です。
夏休み前日。
いつも通りにアクア兄様と学園に着くと、シリウスとリオト。リゲルとルビアがそれぞれ同じ馬車から降りてくるところだった。
「「四人共、おはよ。」」
「「「「おはようございます。」」」」
「ねぇねぇ。シリウス。今日、私達城に呼ばれてたりする?」
「ああ。勿論だ。リジアもな。」
「え?リジアも?まあ、一緒に来てもらう気でいたからいいけど。」
「私は?シリウス兄様。」
「ん?ルビアも呼ばれてるぞ?」
「じゃあ!」
「ああ。そういうことだ。」
「やりましわ!マリン姉様。」
「そうだね。あ、でも‥‥」
「いいたいことは分かるぞ。マリン。父上のことだろう?」
「あ、おはよ。レグルス、ベネトさん。そして正解だよ。レグルス。」
「「おはよ。」」
「皇帝陛下のことですか?」
「うん。私は意気投合したけどね、みんなは‥‥」
あ。兄様とシリウスとリゲルが視線逸らした。
「「?」」
「会ったら分かるよ。」
「おはよ。」
「あ、リジア。おはよ。今日、帰る前に城に行くよ。」
「え?あ‥‥‥帝国かしら?」
「正解。」
「私もなの?」
「リジア。招待されてるから諦めろ。」
「嘘でしょ!?」
「本当だ。」
「‥‥‥‥は!マリンがいるわよね?」
「勿論。招待されてなくても行くよ。」
「ちゃんと招待されてるよ。」
「だって。」
「‥‥‥‥なら諦めて行くわ。」
「マリンが一緒じゃないと嫌なのか‥‥。」
「だってレグルスの国でも他国よ?しかも親善パーティーでしょ?精神持つかしら?」
「大丈夫だよ。とりあえず、教室行かない?」
「そうね‥‥‥。」
そして生徒会業務まできっちり終わらせてから全員で城に向かった。
城内のいつもの一室に通されると、既に国王夫妻、宰相様、公爵様、父様がいた。ここまでは今まで通り。
そこに。
「陛下。お待たせしました‥‥ってヒスイ兄様?リリ姉様も。」
「俺達も招待されたそうなんだ。」
「あ、そうなんですね。」
「待ってたぞ。みんな。そういえば全員生徒会に入ってるんだったか?」
『はい。』
そして陛下に促されて私達が座ると。
「呼ばれた予想はついてるだろ?」
「はい。帝国から親善パーティーへの招待ですよね?」
「ああ。今年は招待者が多いからな。ヒスイ、リリアーナ、フレイ、マリア、マリン、リジア、リオト、ルビア。今名前を上げた者は必ず来てほしいそうだ。」
「おお~大所帯になりますね。」
「そうだな。」
「確認ですが、父上。俺とリゲルも行っていいんですよね?」
「ああ。勿論だ。」
「改めて、立場のすごい集団ですよね。」
「ははは!そうだな。頼むぞ。マリン。」
「やっぱり護衛も兼ねてますか。」
「だからって気張る必要はないからな。」
「はい。大丈夫ですよ。」
「でな。マリン。(ニヤリ)」
「な、何ですか‥‥?」
「今年の親善パーティーは趣向を変えてみるそうだ。」
「え?」
「舞踏会にしてみるそうだぞ。」
『はあ~!?』
帝国に行く(帰る)全員の声がハモった。
「何考えてるのよ‥‥皇帝陛下‥‥。」
「国同士の文書のやり取りがあるだろ?実はたまにその中にお互いの国の近況報告を忍ばせてるんだ。こちらから送った物に卒業パーティーでマリンがシリウス達の相手をしたと書いたらこうなった。」
「陛下‥‥‥何でそんな余計な情報を‥‥。」
「皇太子の相手もしたんだ。当然だろ?」
「ああ‥‥そうですね‥‥そうでしたね‥‥‥止めとけば良かった‥‥。」
「後悔しても遅いぞ。」
「楽しそうですね‥‥陛下。」
「ああ私はこれを伝えるだけだからな。頑張れよ。みんな。」
『‥‥‥‥。』
「は!そうか!‥‥‥」
「何よ?マリン。」
「ふふっ。私は卒業パーティーと同じようにしたら後は自由じゃん。って思っただけ。」
「マリンだけじゃない‥‥。」
「頑張れ。特にシリウスとリオトとレグルス。」
「「「え?」」」
「王子と皇太子に生まれた宿命だよ。ですよね?陛下。」
「そうだな。」
「「「‥‥‥。」」」
「さて、帰って準備するか。」
「はい。父様。」
「ああ。今日の用事はそれだけだからな。みんなもいいぞ。」
『はい。』
「では陛下、失礼します。」
「ああ。」
そして私達は全員帰路についた。