198話 選択授業、今年は‥‥?
翌日。
三年Sクラスの教室に入ると、既に友人全員揃っていた。
「‥‥‥。」
「おはよ。どうしたの?マリン。」
「おはよ。友達全員揃ってる‥‥‥って実感してた。」
『なるほど。』
「確かにこの友人の集まりはマリンを中心に集まったからな。」
「そうだな。」
「えっと‥‥そんなすごい友人達の中に平民の私は入ってていいんでしょうか?」
「ん?立場関係ある?ここ、学園だよ?王族、貴族、平民関係なく平等に学べる場。それがこの王立学園だよ?」
「さすが新入生代表挨拶した首席は言うことが違うわね。」
「リジア?」
「なに?」
「素で返された‥‥まあいいや。そういう訳だから気にしなくていいよ。アイリス。」
「そうそう。」
「うん。」
「あ、そういえばマリン。やっぱりリオトが緊張してるみたいでな。入学式前に一言声掛けてあげてくれるか?」
「ふふっ。優しいね~お兄ちゃん。」
「な!マリン!」
「うん。いいよ。そのつもりだったし。」
「ん?どういうこと?マリン。」
「シリウスの弟が首席で、リゲルの妹が次席で今度学園に入学してくるんだよ。」
「そうなの!?」
「うん。だから首席であるシリウスの弟が新入生代表挨拶するから緊張してるって話。」
「なるほど。」
ガラッ
「おはようございます。皆さん、席に着いて下さいね。」
そして全員が席に着いたのを確認すると、先生が。
「さて、まずは昨日言った様に生徒会に入る方を募りたいと思いますが、手を上げて頂けますか?」
バッと手を上げたのは。
私、リジア、レグルスに加えてシリウスとリゲルも手を上げた。
「え!?王子殿下とリゲル殿もですか?」
「「はい。」」
「えっととりあえず手を下げて頂いて構いません‥‥‥で、いいんですか?マリンさん。」
「何で先生まで私に聞くんですか‥‥。私はいいと思いますよ。」
「‥‥‥マリンさんがいいなら大丈夫ですかね。分かりました。この五人だけでしょうか?」
「先生。この五人がいらっしゃるなら他の‥‥私達は必要ないと思いますわ。」
「そうですか?特に人数制限もないですから希望に添うことはできますよ?」
『遠慮します!』
私達以外のクラスメイト一同の声が揃った。
「は、はい‥‥。では、選択授業を決めましょうか。用紙を配りますね。」
そして去年と同じく相談し始めた私達。
違うのはシリウス、リゲル、アイリスが加わったこと。
「で、どうする?マリンは去年と同じ?」
「ん?う~ん。ちょっと迷ってるんだよね‥‥‥。」
「え?なにで?」
「まず、貴族科と家庭科と魔法科は継続しようかなとは思ってるんだけど‥‥」
「残りは‥‥去年は薬術科だったっけ?」
「うん。そう。それをね、武術科にしようか迷ってるんだよ。」
「「え!?」」
「なに?リゲル、レグルス。」
「いや、去年は俺達でやってたからマリンも加わってくれるのかと‥‥。」
「ああ、そういうことか。ん?リゲルは去年何選択してたの?」
「貴族科と魔法科と武術科」
「レグルスと全く一緒じゃない。」
「そうなんだよ。選択授業の全部にリゲルがいたんだよ。」
「それは面白そうだね!」
「「全然面白くない!」」
「で、シリウスは?」
「「流された‥‥‥。」」
「ん?貴族科と魔法科だけだ。」
「へ~。アイリスは?」
「へ!?えっと、武術科と魔道具科。」
「あ~だから去年選択授業でもアイリスに会わなかったのか。」
「うん。」
「う~ん。どうしようかな‥‥ってあれ?アイリスとリゲル達、武術科の時話す機会とか無かったの?」
「えっと、まさか私から皇太子殿下や公爵家の方に話し掛けられる訳ないから‥‥。」
「俺は基本レグルスとしか話さないし。」
「私もリゲルとしか話さなかったし、マリンの友人だと知らなかったからな。」
「さてはリゲルとレグルスはアイリス以外にも話し掛けてないな?」
「「うっ。」」
「はぁ‥‥変なところで人見知り発動するよね‥‥。」
「私はマリンが勇者なだけだと思うわ。」
「私も。」
「ん?そう?」
「「うん。」」
「そっか。あ~どうしようかな‥‥薬術科も捨てがたいんだよな‥‥‥。」
「去年も迷って剣術に特化させたらいいや。って諦めて薬術科を選んでたわよね?」
「うん。う~ん‥‥‥とりあえず今年だけ武術科取ってみようかな‥‥‥。」
「「本当か!?」」「本当!?」
「えっと‥‥そんなに話す人いなかったの?三人共。」
「「「うん。」」」
「何か悲しい‥‥よし!元々興味はあったし今年は武術科にしよっと。」
「「「やった!!」」」
「そこまで喜ぶとは‥‥‥去年どうしてたのかしら?」
「さあ?どうなんだろうな?」
(リジアとシリウスです。)
「で、みんなは去年の継続?」
『うん。』
「あ、俺も武術科取ろうかな。」
「帝国で味わった悔しさ?」
「うっ。その通りだ‥‥。」
「いいんじゃない?‥‥‥あのさ、私、家庭科以外シリウス達と思いっきり被る事になるよね‥‥?」
「「「そうだな。」」」
「やっぱり薬術科にしようかな‥‥。」
「「「何でだよ!」」」
「冗談だよ。」
「「「‥‥‥。」」」
「マリン‥‥‥すごい‥‥。」
「だよね。私も慣れるまで戸惑ったわ。」
「じゃあリジアは慣れたの?」
「うん。必然的に慣れたわね。」
「私もそうなるのかな‥‥?」
「なるでしょうね。マリンによって。」
「ん?何?」
「「何でもない。」」
「え?そう?」
「「うん。」」
「?」
こうして今年の選択授業も決まった。
私、シリウス達の監視役か‥‥‥?