197話 友人集合ということは‥‥
そして三年Sクラスの教室に入った私達六人。
そのすぐ後に今年も担任のレイヤ先生が入ってきた。
「さて、一年生の時から変わらない方達もいますが、はじめましての方もいますので自己紹介しますね。改めまして、今年もSクラスの担任を務めます。レイヤ・フォン・イザールと申します。皆さんまた一年よろしくお願いしますね。」
「先生。ついに揃ってしまいましたよ。」
「そうですね‥‥‥皇太子殿下だけではなく王子殿下、公爵家の方も‥‥‥揃ってしまいましたね‥‥魔法科の授業の様に助けて下さいね。マリンさん。」
「お任せください!レイヤ先生。」
「ありがとうございます!」
『‥‥‥‥。』
みんな何か言いたそうだったけど、知らない。
言葉にしないと分からないよ!みんな。
「それはさておき、選択授業を決めたりや生徒会に入る方の聞き取りは明日する予定だったのですが‥‥レグルスさん、マリンさん、リジアさんは今年も?」
「「「はい。」」」
「ですよね。私としてはありがたいですよ。学年末、卒業パーティーにも出席して頂けましたし。本当に助かりました。」
「無言の圧力、無かったですか?」
「はい!」
「良かったです。」
「では、今日は顔合わせだけなのでこれで解散です。皆さん。また明日。」
『はい。』
そしてレイヤ先生が教室を出た後、続々とクラスメイトも出ていく中。
「マリン。」
「ん?何?アイリス。」
「先生、助けてって言ってたけどどういうこと?」
「ああ、それはねぇ三人共仲良しなだけだよ。」
「え?」
「仲良しだから言い合いし出すし、魔法対決し出すんだよ。それを止めるのが私。」
「‥‥‥そうなの?リジア。」
「うん。確かにそうだね。」
「「「‥‥‥。」」」
「さてと。リジア、レグルス。生徒会行こ。」
「うん。」「あ、ああ。」
「マリン。」
「ん?何?」
「俺達も明日、生徒会入り志願していいか?」
「え?何で聞くの?いいんじゃない、入りたいなら入れば。シリウス達もSクラスに入れたんだからさ。」
「あ。そう‥‥だよな。」
「お‥‥王子殿下を‥‥皇太子殿下を呼び捨て‥‥。」
「え?アイリス、友達なんだからそりゃそうだよ。」
「そ、そっか‥‥私、すごい子と友達だったんだな‥‥。」
「じゃあまた明日ね。シリウス、リゲル、アイリス。」
「「ああ。」」「うん。」
「マリン、楽しそうね。」
「そりゃ楽しいよ。友達全員集合だもん。」
「確かにね。」
そして生徒会室。
「兄様。「生徒会長」って呼びます?姉様の時みたいに。」
「どうしようかな‥‥。」
「あ。そういえば兄様、シリウス達も生徒会に入るつもりみたいですけど、いいですか?」
「ん?いいんじゃないか?入りたいなら入れば。」
「兄妹で同じ事言ってるわ‥‥。」
「だな‥‥。」
「お?何だ?シリウス達も入るのか?」
「入りたいみたいだよ。ベネトさん。」
「へ~。いいんじゃねぇか?‥‥‥で、アクアさん。「会長」って呼びます?」
「お前もか。ベネト。う~ん‥‥‥明日迄に決める。」
「分かりました。兄様。」
「‥‥‥‥帰るか。」
『はい。』
◇◇◇◇◇
一方の王城では。
シリウスが学園から戻り、真っ直ぐ父である国王の執務室に向かうと。
「お。シリウス、おかえり。どうだった?」
「俺もリゲルも辛うじてSクラス入り出来てました。」
「本当か!?」
「ええ。」
「よくやった!シリウス。」
「マリンは変わらず首席でした。次席はレグルスに変わって、リジアが三位でした。」
「その三人はさすがだな。シリウス達に教えながらも自分達の成績も落とさぬとは。」
「ええ。そうですね。」
コンコン
「誰だ?」
「リオトです。」
「入っていいぞ。」
ガチャ
「失礼します。おかえりなさい、兄上。」
「ただいま。リオト。」
「どうでした?」
「Sクラス入りしたぞ。」
「本当ですか!?」
「ああ。」
「おめでとうございます!兄上。」
「ありがとう。リオトも新入生代表挨拶、頑張れよ。」
「うっ‥‥はい‥‥‥。」
「リオト、緊張はするだろうが大丈夫だ。俺もいるつもりだからな。」
「え?兄上も?‥‥‥あ、生徒会に?」
「ああ。」
「お?何だ、シリウス。生徒会に入るのか?」
「ええ。マリンとリジアは一年の頃から、レグルスも去年から生徒会に入ってますからね。今日「俺も志願していいか?」と聞いてみたら「入りたいなら入れば?」と言われました。」
「ははは!そうか!‥‥‥そろそろ王太子にしてもいいかもしれんな。」
「「!!!」」
「兄上!僕も生徒会に入ろうと思います!」
「いいんじゃないか?アクア様が生徒会長みたいだしな。」
「アクア兄様が!?それはますます楽しみです!」
「ああ。そう考えてたら緊張も感じなくなるだろ?」
「!‥‥はい。」
「さて、あんまり長居しても父上の邪魔になるしな。部屋に戻るぞ。リオト。」
「はい!兄上。」
「では、失礼します。父上。」
「失礼します。父上。」
「ああ。」
そして二人が出て行った後。
「う~ん。Sクラス入りを果たすとはな‥‥‥本当に王太子にすることも検討し始めてもいいかもしれんな。」
と国王が一人で思案し始めていた。
あ。書き忘れてましたが、ベネトは四年の首席です。
‥‥‥ごめんよ。ベネト。