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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第7章 世界の歴史とこれから
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193話 卒業パーティー2

その後ようやく集まって来た卒業生達のお陰で視線の圧力から解放された。

そして陛下の挨拶でパーティーが始まる。


「あ、アクア兄様‥‥‥既に精神的に疲れたんですが、帰っていいですかね?」

『駄目。』

「全員で言わなくても‥‥‥。」

「だってそろそろ‥‥‥ほら。」


ダンスタイムが始まってしまった。

勿論思い出してから来たけど、人前で踊らないといけない私にとってのこの羞恥プレイ。

うわ~いやな時間きた‥‥と思っていると。


まず、シリウスが片手を差し出して。

「私と踊って頂けますか?」と。


王子らしい誘い方にちょっとビックリしながらも。

「はい。」

と無意識にシリウスの手に自分の手を重ねる。


そして二人で中央のダンススペースに移動したのだが。

私はここで判断を間違えた事に気付いた。


私の相手はシリウス。たまに忘れるが、この国の王子。

そうなると、例え主役じゃなくても皆中央を譲ってしまう。むしろ私達だけで踊ることになる。

これ以上ないほどの注目の的になってしまった。


やっちまった‥‥


後悔しても時既に遅し。


チラッとシリウスの顔を見たら‥‥笑顔だった。


「嬉しいぞ。マリン。あっさり受けてくれて。」

「分かるでしょ。シリウス。今私、やっちゃったと思ってるんだよ。」

「だろうな。曲が始まる。覚悟を決めてくれ。」

「‥‥‥そうだね。もう逃げられないから諦めて覚悟決めるよ。」


そして私達は踊り始めたのだが‥‥‥

意外だ。踊りやすい‥‥‥もう一度言おう。意外だ。


「‥‥‥シリウス。上手いね。」

「そうか?」

「うん。踊りやすい。」

「それは良かった。マリンも上手いな。とても舞踏会が初めてとは思えないな。」

「ふふっ。ありがとう。」


そしてなんとか踊りきり二人で礼をすると、周囲から拍手が贈られてきた。


終わった~!と思って二人でみんなの所に戻ったのに‥‥。


「素晴らしかったわよ。二人共。」

「ありがとうございます。リリ姉様。羞恥心が半端なかったですけどね。」

「マリン。次は私と踊って頂けますか?」


次はレグルスが片手を差し出してダンスのお誘いだ。


ああ‥‥‥これは拒否したらレグルスに失礼なやつだ。

受けなきゃだな‥‥‥。


と瞬時に頭を駆け巡ったので。


「はい。」と。


今シリウスと踊り終わったのに次はレグルス。

王国の王子→帝国の皇太子

注目してくれと言わんばかりの順番。


心の中でため息を付きながらも、顔には笑顔を張り付けて再びダンススペースへ。


そして今度はレグルスと踊り始めると。

「あ。レグルスも踊りやすい。さすが皇太子だね。」

「そうか?なら良かったよ。マリンが受けてくれて助かった。」

「え?何で?」

「周り、見たら分かるだろ?」

「あ‥‥‥ははは‥‥‥。」


さっきのシリウスと同じ状況。

皇太子殿下だからね。


苦笑いしかでない。


「それに、個人的にも嬉しい。マリンと踊れるのが。」

「ふふっ。それは光栄ですわ。皇太子殿下。」

「はは!久しぶりだな。その喋り方。」

「こうすると、令嬢らしさが出るでしょ?」

「ああ。でも、マリンは普通にしててもちゃんと貴族令嬢らしさはあるぞ?」

「そう?」

「ああ。」

「そっか。令嬢にしては勇ましいかなって思ってたんだけど?」

「それは確かにそうだな。でもそれとは別にちゃんと女の子らしくて可愛いところはあるからそのままでいいんだ。マリンは。」

「ふふっ。ここでも天然たらし発動しますか。」

「事実を言ったまでだ。」


と、話しながら踊っているとあっという間に曲が終わり、私達が一礼すると再び拍手が贈られた。


そしてこれで羞恥プレイが終わる~!

と思ったが、次はリゲルだった。


同じく手を差し出して「踊って頂けますか?」と。

もう断れないなと諦めて「はい。」と答え、再びダンススペースへ逆戻り。


「疲れたか?」

「体力的には平気だけど、精神的には疲れた。中央で私達だけで踊るとか羞恥心半端ないよ‥‥‥。」

「だよな。でも王子と皇太子だから、どうしても一人目は注目を集めるからな。その点、マリンは二人の共通の友人だからな。違和感を抱かれない。それに二人目からはみんなも混ざって踊るしな。」

「あ~。それで私か‥‥‥ん?共通の友人ならリジアもじゃない?」

「それはリジアが可哀想だろ。」

「私は可哀想じゃないの!?」

「ああ。惚れられたマリンの運命だ。」

「何ということだ‥‥‥今、リゲルと踊ってるのも?」

「そういうことだ。」

「リゲルも嬉しいの?」

「勿論。」

「ふふっ。そっか。そういえばリゲルも上手だね。踊りやすいよ。」

「そうか?一応公爵家の嫡男だからな。マリンと同じで小さい頃から叩き込まれてる。」

「でも最初は逃げたんでしょ?」

「うっ。正解だ。」

「シリウスと一緒に?」

「ああ。まあな。レグルスはきっちりやってそうだな。」

「うん。やってそうだね。でも三人共踊りやすかったよ?」

「そうか。なら良かった。ちゃんと習った甲斐がある。」

「ふふっ。そうだね。」


そしてリゲルとも踊り終わってやっと解放されるかと思ったが、意外な人から誘われた。断る理由もなかったので再びダンススペースへ逆戻り。


次の相手は。


「ごめん。マリン。」

「いえ。困ってましたもんね。アクア兄様。」

「あんなに誘いに来られるとは思わなくてな‥‥。」

「ふふっ。一曲だけですよ?後は頑張って下さいね。」

「ああ。マリンが相手だと安心するからいい休憩だ。」

「ふふっ。精神的休憩ですね?」

「ああ。」


リゲルと踊って戻ってきたら同じく誰かと踊っていたアクア兄様も戻ってきて、待ち構えていたかの様に令嬢に囲まれた兄様は私を視界に入れた瞬間近付いてきて「一曲だけでいいから付き合ってくれ」と言われたので了承した感じだ。


「アクア兄様。大丈夫そうですか?」

「ああ。マリンのお陰でいい休憩になった。一緒に練習してたからかな。」

「恐らくそうだと思いますよ?」

「あ‥‥‥そろそろ終わるな‥‥。」

「そうですね。終わったら、さすがに私も精神的に疲れたのでちょっと外の空気を吸いに行ってきますね。」

「ああ。俺もそうしたいんだが‥‥‥」

「無理そうですね‥‥‥って。あ。り、リジアとベネトさんが踊ってます!」

「え!?本当だ‥‥。」

「あぁ~。兄様、ちゃんと見たかったですね。」

「そうだな‥‥。」


そして曲が終わり、二人で一礼してから戻る。

今度こそ終わりだとばかりに早々に飲み物だけ取ってベランダから外に逃げた。


はぁ‥‥‥‥疲れた‥‥精神的に‥‥‥令嬢ってこういうところが大変だよね‥‥‥。

今私が失敗するとアクア兄様と義理の姉になったリリ姉様に迷惑を掛けてしまう。

その後は父様にも。育ててもらった恩を仇で返す訳にはいかないからね。

出たからにはちゃんとパーティーが終わるまでは頑張らないと。


と、考えていると。


「休憩か?」


と声を掛けてきた人物は。

あれ‥‥おかしいな‥‥2分割で終わるつもりだったのに‥‥‥。

たまに作者自身がマリンを辺境伯令嬢だと忘れそうになるのでこういう話を混ぜたりしてます。

後、来年度にアクアを送り出しにくくなるので書きました。一年の時は参加を拒否る理由があるけど二年はないじゃないか。と。

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