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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第7章 世界の歴史とこれから
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191話 閑話 今の王城

どこかで王族の日常を書きたいなと思ってたのでここにしました。

ほぼシリウス目線です。



今日やっとマリンに会えた。

たった三日。しかも修行。本来は大袈裟。マリン本人も言っていた。

だが、いつもいる筈の人がいない。それが何故か怖かった。それはリゲルやリジアも同じだった様で、必ずマリンの屋敷で合流することになった。

レグルスも俺達の行動を分かっているので、勉強会を口実にマリンの屋敷に誘いに行くことに協力的だった。

お隣だからな。


そして、昨日までは「まだ帰って来てない」とメイドに言われて仕方なく隣に三人で行ってちゃんと勉強も一応して帰っていたが、今日は違った。昨日も応対してくれたメイドが今日は「少々お待ち下さい」と。

俺達は「え?もう帰って来てるのか?」と期待しつつ待っていると、当のマリンが出て来た。

「ただいま。」と。


そして今日は四人で隣に行くと、ここでもマリンは「ただいま」と言った。

その後リゲルと共にマリンにじっと見られたが、理由はハッキリとは教えてもらえなかった。

‥‥‥‥何だったんだ?


そして少し話した後は今日も勉強してから帰ってきた。

で、今は父上の執務室の前まで来ている。

入室の了承を得て中に入ると、父上は書類仕事に追われているようだった。


「失礼します。父上。ただいま戻りました。」

「ああ。おかえり、シリウス。どうだった?」


この「どうだった?」はマリンは帰ってたか?だろう。

修行に行っていると伝えてるからな。


「今日帰って来たようです。」

「何!?では早速‥‥」


あ。マリンを呼ぼうとしてるな。


「父上。マリンから伝言です。」

「ん?何だ?」

「歴史の真実は確かに聞いたけど、今は話すつもりはないから呼んでも無駄だと。」

「‥‥‥‥さすがマリン。行動が読まれ始めてるな。」

「みたいですね。では、俺は伝言を伝えに来ただけですので失礼しますね。」

「‥‥‥ああ‥‥‥あ、シリウス。」

「はい?」

「マリンは今年度の卒業パーティーには出るのか?」

「はい。物凄く嫌そうでしたが。」

「だろうな。だが、出てくれるのだな。」

「はい。」

「そういえばマリンはパーティーの何がそんなに嫌なんだろうな?」

「注目を集めることが嫌らしいです。初めて王都に来た時に俺達王族に関わってしまった時点で目立つのは分かっていた様です。」

「なるほどな‥‥‥シリウス。」

「はい?」

「私ともちゃんと話す様になったな。」

「何を当たり前のことを‥‥‥父上は俺の目標なんですから当然です。」

「!!‥‥‥目標?私がか?」

「ええ。そんなに驚くことですか?」

「いや、二年前のシリウスから考えたらどうしてもな‥‥」

「ああ。なるほど。」

「マリンか?」

「ええ。俺が自分を見失ってる時に言ってくれたんですよ。「国王なんて最高の見本がいるのに何言ってるんだ?次期国王なんだから素直に陛下を見本にしたらいいじゃないか。」と。ハッキリ馬鹿なのか?とも言われましたね。」

「おお。すごいな。マリンは。普通の令嬢はそんな事言わないぞ。」

「ですね。俺は出会いに恵まれているようです。今ではリゲルだけではなくレグルスやリジアまでもがマリンと同じ様に接してくれてますよ。」

「友人の輪が広がったか。マリン達には感謝しかないな。成績も上がってきてるのだろう?」

「ええ。Sクラスにも届くかもしれません。」

「ほう!そうか。頑張るのだぞ。シリウス。」

「はい。父上。執務の邪魔をしてしまい申し訳ありません。」

「気にするな。」

「はい。失礼します。」


そしてシリウスが出た後の執務室。


「あの、シリウスがな‥‥‥変わるものだな。昔はあんなに私の言うことすら聞かなかったというのにな。」


と国王がしみじみと呟いていた。



一方シリウスが執務室を出たところで。

「あ!兄上。お帰りなさい。」

「ん?ああ。ただいま。リオト。」

「マリン姉様は?」

「はは!お前もか。リオト。帰ってきてたぞ。」

「「も」?執務室から出てきたようですから‥‥父上ですか?」

「ああ。」

「マリン姉様、修行に行かれていたんですよね?早かったですね?」

「そうだな。」

「今日も勉強、してきたのですか?」

「ああ。勿論。折角Sクラスの友人がいるんだ。頼らせてもらってる。」

「なら、僕も頑張らないとですね。」

「ああ。そうだな。」

「‥‥‥兄上。」

「何だ?」

「兄上は雰囲気が優しくなって話しやすくなりました。そういう意味でも僕はマリン姉様を尊敬しているのです。」

「‥‥‥‥そうか。」

「兄上。僕はマリン姉様が本当の姉様になるのを期待してます。」

「な!‥‥‥‥‥ああ。」

「兄上、照れてないで頑張って下さいよ?」

「わ、分かってる!」

「本当ですか~?」

「全く。兄を弄るとはな。リオトと普通に話せるのは嬉しいが、弄るのは感心しないな。」

「ふふっ。申し訳ありません。」

「両殿下。仲がいいのは我々としても喜ばしい限りですが、廊下で話し込むのは感心しませんよ。」

「「あ。」」

「行くか。リオト。」

「はい。兄上。」


これが今の王城の日常。

シリウスの我が儘に振り回されて殺伐としていた雰囲気はない。

そういえば、何気に初めてですね。シリウス目線。

レグルスとリリアーナ目線は書いたことがありますが。


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