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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第6章 学生編3
144/289

168話 兄達の結婚ー本番ー

そして会場の近くまで来ると。


「あ、あれ男性陣じゃない?」

「あ、本当ですね。レグルス達も合流してるみたいですし。」

「マリン。皇太子殿下達、呼んであげなさい。」

「え?姉様、目的地一緒ですよ?」

「会場の中の人達より先に今の姿を見せてあげてってことよ。マリン。」

「分かりました。シリウス!リゲル!レグルス!」

私が呼ぶと振り返った3人がそのまま固まった。


「「「!!!」」」

「あれ?固まってません?」

「しょうがないわ。行ってあげて。マリン。」

「リジア?うん。分かった。」

ということで私は3人に小走りで近づいた。


「3人共、どうしたの?大丈夫?」

「あ、ああ‥‥‥可愛すぎて見惚れてた。」

「あ、ああ‥‥‥可愛いくて驚いただけだ。」

「大丈夫だ‥‥‥可愛すぎて見惚れていただけだからな。」

「さすがに3人同時に言われたら私でも分からないよ?」

「3人共マリンが可愛すぎて見惚れていただけだろ?3人共。」

「「「ああ。」」」

「え!?」

「3人共。だから言ったじゃないですか。マリンを見る時は心して下さいと。」

「え?アクア兄様、そんなこと言ったんですか?」

「ああ。まあな。」

「あの、あなたがアクアさん?」

「あ、はい。クローバー辺境伯家三男のアクア・フォン・クローバーと申します。フレイ兄様から聞いてます。公爵夫人ですよね?」

「ええ。アリア・フォン・リコリスと申しますわ。アクアさんにもようやく会えました。」

「兄からも夫人が会いたがってると伺ってますが、何かご用事でしたか?」

「ええ。マリンさんには先程言えたのですが、アクアさんにも申し上げたいことがありまして。」

「何でしょうか?」

「今更ながらマリアとリゲルの命を助けて頂いて、ありがとうございました。」

「!‥‥‥2年前のことですよね?」

「はい。なかなかお会いする機会がなくてこのように遅くなりましたが。」

「いえ。それに俺はマリンを手伝っただけですから。」

「それでもですわ。どうしても一度、感謝を申し上げたかったのです。」

「そうですか。では、確かに受け取りました。」

「あ、あの。アクア様。」

「はい。何でしょうか?ルビア様。」

「その‥‥‥式が終わったらアクア様を兄様とお呼びしてよろしいでしょうか?」

「ルビア様もですか。」

「え?「も」?‥‥‥リオトね?」

「うん。」

「ルビア様も呼び捨て敬語なしをご所望ですか?」

「はい!」

「リオト殿下はよくてルビア様は駄目という訳にはいかない‥‥‥‥ですね。分かりました。そうさせて頂きますね。」

アクア兄様は一瞬公爵夫人の方に視線を向けて夫人が頷いたのを確認して話していた。


「やりましたわ!ヒスイ様もよろしいでしょうか?」

「ええ。勿論。」

「やりましたわ!母様!一気に5人も兄と姉が増えましたわ!」

『はははは!』

男性陣が笑っていた。なんだろ?


「どうしたんですか?」

「マリン。実はな。今のルビア様と全く同じことをリオト殿下も言ってたんだよ。」

「え?そうなんですか?」

「ああ。」

「ふふっ。さすが幼なじみですね。そして良かったですね。ルビア様。」

「はい!クリス様とマリン様の仰った通りでした。」

「あ!あの、クリス様。」

「はい?何でしょうか、リオト殿下。」

「僕、クリス様からは了承を得ていませんでした。」

「ああ!‥‥‥ふふっ。逆に仲間外れは寂しいですよ。」

「では!」

「はい。姉と呼んで頂けると嬉しいですわ。私も呼び捨て敬語なしで話しますわ。」

「ありがとうございます!」

「ふふっ。ディアナ、セレス様。お2人の子供達は優しい方ばかりね。」

「でしょ?」

「ふふっ。」

「さて、みんな。いつまでもここにいたら駄目でしょ。中に入りましょう?」

『はい。』

そしてこんな面子が一気に会場に入ったからか、大いにざわついた。


「王家と公爵家と辺境伯家が一斉に来た‥‥‥。」

「あれは‥‥‥クリス嬢やアクア殿は分かるが、あの青髪の子は‥‥?」

「あの子がマリン嬢だろ。アクア殿と髪の色が同じだし。」

「ああ。確かに。ん?皇太子殿下も一緒じゃないか?」

「本当だな。シリウス殿下やリオト殿下、リゲル殿やルビア嬢もご一緒だぞ。」


ざっと聞こえたのはこんな感じだった。


「ふふっ。みんな注目されてるわね~。」

「他人事ですね‥‥‥ディアナ母様。」

「実際私の名前上がってないしね。」

「うっ。」

そして私達はそれぞれ新郎側と新婦側の家族席に座った。


この世界は何気に日本に近いことがそれなりにある。

一年の日数とか。この結婚式のやり方も似ている。

教会でやるし、指輪の交換もある。


私達が最後だったのか数分後、式の開始が告げられた。

まずヒスイ兄様達が入って来て祭壇の近くに並んで新婦の登場を待つ。


そしてまた数分後。

扉が開いてまずはリリ様と陛下が腕を組んで入ってきた。そして2人でゆっくり歩き、ヒスイ兄様のところに向かう。


リリ様の手をヒスイ兄様に渡しながら

「娘を頼むな。」

「はい。陛下。必ずお守りします。」

その言葉に陛下は頷き、席に座った。


続いてマリア様と公爵様。

2人も腕を組んでゆっくり歩き、フレイ兄様のところに向かった。


マリア様の手をフレイ兄様に渡しながら

「必ず娘を幸せにしてくれ。」

「お任せください。」

その言葉に公爵様も頷き、席に座った。


そして2組揃って祭壇の前に移動して立つ。


そして司教様が

「トリフォリウム教が崇める五神様の御前にて婚姻の契りを交わす者達。ヒスイ・フォン・クローバー、リリアーナ・ユラ・セレスティン、フレイ・フォン・クローバー、マリア・フォン・リコリス。名前に相違ありませんか?」

「「「「はい。」」」」

「よろしい。ヒスイ・フォン・クローバー。汝はリリアーナ・ユラ・セレスティンを妻とし、生涯愛し続けることを誓いますか?」

「はい。誓います。」

「では、リリアーナ・ユラ・セレスティン。汝はヒスイ・フォン・クローバーを夫とし、生涯愛し続けることを誓いますか?」

「はい。誓います。」

「よろしい。では、次に。フレイ・フォン・クローバー。汝はマリア・フォン・リコリスを妻とし、生涯愛し続けることを誓いますか?」

「はい。誓います。」

「では、マリア・フォン・リコリス。汝はフレイ・フォン・クローバーを夫とし、生涯愛し続けることを誓いますか?」

「はい。誓います。」

「よろしい。では2組共。指輪交換の後、誓いの口付けを。」


ヒスイ兄様とフレイ兄様がリリ様とマリア様と指輪の交換をした後ヴェールをあげて誓いの口付けをすると、再び司教様が。


「ここに2組の夫婦の誕生を宣言致します。」


司教様のこの言葉の後に会場からの祝福の拍手が上がった。


で、私はというと。

「え!?何でマリンが泣いてるのよ!?」

「ね、姉様‥‥‥‥リリ様が、マリア様が幸せそうに笑ってるので‥‥‥ヒスイ兄様とフレイ兄様も‥‥‥この光景が見られて良かったって思ったら‥‥‥」

「ふふっ。そういう事か。折角のお化粧が崩れちゃうから気をつけて涙拭くのよ。」

「はい‥‥。」


いや、もう本当に。帝国にいるときに去らなくて正解だったよ!

リリ様とマリア様がお姉ちゃんかぁ‥‥‥

ヤバい。嬉しすぎる。


そして参列者達を含めて全員大聖堂の前に出てリリ様とマリア様は上から私達に背を向けていた。

ブーケトス。この世界にもあったらしい。

私は参加する気は皆無だったのに、母様達に姉様と共に押しやられた。


「「行くわよ~!」」

「「せーの!」」

と声を合わせて2人が一斉にブーケを後ろに投げた。


そしてキャッチしたのは‥‥‥


「「え?」」


参加する気、皆無だった私と姉様だった。

動いてないのに私達の手に吸い込まれる様に落ちてきた。


「あら!クリスとマリンちゃんだわ。」

「本当だ。クリス~!マリンちゃん!」

「呼ばれてるわね。」

「はい。折角なので今から姉様と呼んだら喜んでくれますかね?」

「ええ。確実にね。」

「では、リリ姉様!マリア姉様!受け取りました!」

「「!!」」

「「マリンちゃん!」」

「分かりやすく喜んだわね。」

「はい。姉様は返事してあげないんですか?」

「いや‥‥この注目の中で?」

「え?」

と、周囲を見ると私達を見て静まり返っていた。


「むしろマリンはよく返事できたわね。」

「ははは。」

と、話してるとリリ姉様達の方から近づいてきた。


「クリス。何で返事してくれないのよ。」

「そうよ。」

「逆の立場で同じことが言える?」

「「え?」」

「‥‥‥‥‥無理ね。」

「ええ。むしろマリンちゃん。ありがとう。」

「いえ‥‥‥私の場合周りを見てませんでした。」

「そっか。」

「リリ、マリア。集合写真撮るぞ。クリスとマリンも。」

「「「「はーい!」」」」


そして王家、公爵家、辺境伯家の全員集まっての集合写真とヒスイ兄様夫婦。フレイ兄様夫婦と家族に分かれても写真を撮った。全員集合には遠慮していたレグルスとベネトさんも加えられていた。


さて、これから披露宴だ‥‥‥。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 前の話が、143話 だったのに、この話から、話数が、いきなり、168話に飛んでいるのが、気になりました。
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