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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第6章 学生編3
139/289

139話 冒険者ギルドにて

本編に全く関係ありませんが、別で「私、産まれ故郷ではチートでした。」という話の投稿も始めました。

よろしかったら合わせてよろしくお願いします。

陛下への報告を終えた数日後の週末。

私は人が少ないだろう時間帯である昼過ぎに冒険者ギルドを訪れていた。


そして前回と同じ受付嬢(名前はステラさんだそうだ。)がいてくれたので、そのステラさんに事前にストレージから出しておいた指名依頼達成の用紙とギルドカードを提示しながら話し掛けた。


「すみません。陛下からの指名依頼達成の報告はこちらでよろしかったでしょうか?」


「あ、マリン様。って陛下からの指名依頼?書類を確認させていただきますね‥‥‥‥‥‥‥‥マリン様。」


「はい?」


「少々お待ち頂けますか?」


「え?は、はい。」


「では、一旦失礼します。」


そう言ってステラさんは奥に消えていったが、数分後戻ってきた。


「マリン様。お待たせしました。まずはカードのご提示ありがとうございました。確認できましたので一先ずお返ししますね。」


「あ、はい。」


「それからマリン様。これからお時間ありますか?」


「もしかしてまたギルドマスターとのお話ですか?」


「はい。よろしいでしょうか?」


「はい。勿論、大丈夫ですよ。」


「ありがとうございます。ではこちらへどうぞ。」


そしてまたしても前回と同じく執務室に案内されると、ギルドマスターはソファーに座って寛いでいた。


「いらっしゃい。マリン。」


「こんにちは。」


「とりあえず座って。」


「はい。失礼します。」


そして私が座るのを見届け、ステラさんが2人分の紅茶を置いて去っていくと。


「マリン。陛下からの指名依頼、ご苦労様。」


「いえ。‥‥‥やっぱり私をこちらに通して下さったのはネクロマンサーの話でしょうか?」


「ええ。陛下や、現場にいた魔法師団の団長、騎士団のメリア隊長からも情報の共有はされてるわ。」


「あれ?では私が話すことはないのでは?」


「ええ。一通り話は聞いたから今回の救出部隊参加の件は改めて聞いたりしないわ。私が聞きたいのはどうやってネクロマンサーを本物か偽物かを判断しているのかってことよ。」


「今まで私が会ったネクロマンサーは全て本体じゃない。その判断材料は?ということでしょうか?」


「ええ。」


「えっと‥‥表現が難しいのですが、ざっくり申し上げますと、感覚(・・)なんですよね‥‥」


「感覚?」


「はい。私はリサ先生にサーチを教わってから訓練し続けて結構広い範囲を探れる様になりました。それと同時に人間と魔物の区別や、親しい人の気配をなんとなく分かるようにもなりました。ですが、ネクロマンサーは確かにそこにいて話してるのに、その人がいるという気配を感じないんです。」


「どういうこと?」


「ネクロマンサーが人を操ることはご存知ですよね?」


「ええ。」


「その操られてる人の気配しかしないんです。ネクロマンサーには生きてる人の気配じゃなくて魔力の気配だけなんです。だから本物じゃないんだろうなと思ってネクロマンサーに聞いたらやっぱり本体じゃなかったです。」


「はぁ‥‥‥確かに感覚の域ね、それは。」


「すみません。」


「マリンが謝ることじゃないわ。‥‥でもサーチを使い込んでそこまでの感覚を得てるのは恐らくマリンだけでしょうね。確固たる判断材料があるならそれを周知しようと思ったけど、よく考えたらそんな確固たる判断材料があれば陛下への報告で既に話してるわよね。」


「はい。それは勿論。」


「ありがとう。とりあえず参考にはなったわ。‥‥それで、もう一つここに来てもらった理由があるのよ。」


「なんでしょうか?」


「勿論、ギルドカードの更新よ。ギルドカードを貸してくれる?」


「はい。どうぞ。」


と改めてギルドカードをストレージから出し、私達の間にあるテーブルの上に置いた。


「今回、陛下からの指名依頼の内容は誘拐された人達の救出と王都へ帰還するまでの護衛。つまり護衛経験もしたと判断されるわ。‥‥どういうことか分かるわね?」


「‥‥‥‥Aランクになるということですよね?」


「ええ。そしてAランクになるには盗賊討伐と護衛の経験をすることが条件にあるけど、それだけじゃなくてね。ギルドマスターの承認がないとAランクになれないの。」


「へ~。そうなのですか‥‥」


「‥‥‥軽いわね。Aランクになろうかというのに。」


「前回も申し上げましたが、急いでランクを上げたい訳でもないですから。」


「そういえばそう言ってたわね‥‥。まあ、マリンは私から見てもAランクに昇格しても問題無しだと思ってるから昇格させてあげるけどね。‥‥だからちょっと待っててね。」


「はい。」


そしてギルドマスターが私のギルドカードを持って執務室を去っていった。


その後、十分位は経っただろうかというぐらいにステラさんを伴ってギルドマスターが戻ってきた。


「マリン。お待たせ。新しいギルドカード出来たわよ。はい。どうぞ。」


「ありがとうございます。」


そして受け取ったギルドカードは金色だった。Aランク冒険者の証だ。


「それから、これは陛下からの指名依頼の成功報酬よ。」


「ありがとうございます。」


そしてステラさんから報酬の入った袋を受け取る。


「成功報酬は白金貨12枚。確認してくれる?」


「え!?白金貨12枚!?‥‥12歳に渡す金額じゃありませんよね?」


「ええ‥‥。私も驚いたわ。報酬は10枚でネクロマンサーの相手という迷惑料で2枚ってことじゃないかしら?」


「それでも多過ぎませんか?」


と答え、ちゃんと数えたあと。


「一応確認できました。」


「ありがと。‥‥私も多過ぎるかなとは思うけど、もらえるものは貰っておきなさい。いつ必要になるか分からないんだから。」


「そうですね。分かりました。」


「私からの用事は以上だけど、マリンは何かある?」


「いえ。大丈夫ですよ。ギルドカード、ありがとうございました。」


「いいえ。いいのよ。またね、マリン。」


「はい。では失礼します。」


そして私は冒険者ギルドを出ると真っ直ぐ屋敷に戻った。


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