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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第6章 学生編3
129/289

129話 現れたのは‥‥3

昨日、魔法師団で起こったことを説明することになったのだが‥‥


「話し始める前に、陛下は昨日のことをどの程度聞いてますか?」


「フリードからは恐らくネクロマンサーが襲ってきたのではないかということぐらいだ。」


「フリードさん。‥‥もう少し話せましたよね?」


「そうだが、俺から話せるのは全て憶測だからな。マリンから話した方がより確実だろ?」


「はぁ‥‥‥そうですね。えっと、フリードさんからはフードの中の顔は見えてなかったんですか?」


「ああ。」


「そうですか。じゃあ本当に私しか正体を見てないんですね。」


「そうだ。」


「なるほど。では話すならやっぱり最初からですね。」


「そうなるな。」


コンコン


「2人?‥‥‥知らない人達だけど‥‥あれ?この感じ誰かに似てる‥‥?」


「入っていいぞ。」


ガチャ


「「失礼します。」」


『え!?』


入ってきた2人に王族や公爵家の人達とフリードさん以外の全員が驚いた。

何故ならそれぞれがリリ様達姉弟やマリア様達姉弟に似ていたから。


「あ、あの‥‥リリ様、マリア様。このお2人ってもしかして‥‥」


「ええ。私のもう一人の弟と、」


「私の妹よ。」


『ええぇぇぇぇぇぇ!』


私達の驚きは続いた。


「し、シリウスとリゲル、お兄ちゃんだったの!?」


「「まあな。」」


『見えない‥‥』


「「‥‥ひどい。」」


「しょうがないわ。2人共。」


「姉上もひどいです‥‥」


「マリン。2人はまだお披露目もされてなかったから今まで会わせてなかったんだ。これから自己紹介させていいか?」


「え?は、はい。」


「だそうだ。‥‥2人共。」


「「はい。」」


まずリリ様と同じ金髪青目の男の子から。


「はじめまして。僕はセレスティン王国第二王子のリオト・ユラ・セレスティンと申します。」


続いてマリア様と同じ銀髪赤目の女の子。


「はじめまして。私はリコリス公爵家次女のルビア・フォン・リコリスと申します。」


‥‥‥‥はっ!私もか。自己紹介。

とりあえずベッドから降りないと。


そしてベッドから降りてカーテシーをして‥‥


「お初にお目にかけます。リオト殿下、ルビア様。私服で申し訳ありません。私はクローバー辺境伯家次女のマリン・フォン・クローバーと申します。」


「「あなたがマリン様ですか!?」」


「え!?は、はい。私がマリンですが?」


「やっとお会い出来ました!ずっと会って話してみたかったのです!」


「私もですわ!姉様と兄様にお話は伺っておりましたが、お会いできて嬉しいですわ!」


「え?私とですか?」


「「はい!」」


「え、えっと‥‥?」


「こらリオト、ルビア。マリンだけで自己紹介を止めてどうする。他の者もいるし、皇太子殿下もいるのだぞ。気持ちは分かるが、ちゃんとしなさい。」


「「‥‥‥申し訳ありません。」」


そして兄様達やレグルス達の自己紹介が一通り終わった後。


「マリン様!姉上と兄上から話を聞いてましたが、本当に可愛らしい方ですね!」


「ええ。本当に!」


「え!?‥‥‥あの‥‥リリ様、マリア様、シリウス、リゲル。お2人になんて話したのですか?」


「え?マリンちゃんは見た目も中身も可愛くてシリウスを変えてくれた勇者よって。」


「私も似たようなこと言ったわ。」


「‥‥‥‥‥好きな人って言った。」


「‥‥‥‥‥同じく。」


「‥‥な!?なんですか!?その恥ずかしい評価‥‥って、シリウスとリゲルはそんなこと言ったの!?」


「ああ。事実だからな。最初はなかなか話さなかったんだが、最近リオトから話し掛けてくるようになってな。俺が変わったと言われて、変わるきっかけを聞かれたからマリンのことを話した。」


「ああ。俺もだな。変わってからルビアが話し掛けてくるようになったからマリンのことを話した。」


「‥‥‥‥‥‥リリ様、マリア様。事実ですか?」


「「ええ。」」


「私は、知らず知らずの内に兄弟仲まで改善していたと?」


「「その通りよ。」」


「‥‥‥‥なら良かった‥‥ということにしておきます。」


「あの!マリン様!これからはマリン姉様とお呼びしてもよろしいでしょうか?」


「あ!僕もです。」


「え?ね‥‥‥姉‥‥様?」


「マリンちゃん。私達とヒスイ様達が結婚したらシリウス達だけじゃなくて、リオト達も親戚になるのよ?それに、2人は10歳だからマリンちゃんの方がお姉ちゃんでしょ?」


「は!そ、そう‥‥なるんですね‥‥」


「あの、マリン様。できれば僕のことも兄上の様に呼び捨て敬語なしが嬉しいのですが‥‥」


「私もですわ。」


「え!?えっと‥‥‥ね、ねねねねね姉様!こ、こういう時どうしたらいいですか!?」


「え?なんで私に聞くのよ?マリン。」


「だ、だだだだって!」


「動揺が凄いわね‥‥とりあえず深呼吸して落ち着いて。」


「は、はい!」


深~く深呼吸すること2回。


「落ち着いた?」


「た、多分。」


「それで、さっきの動揺の原因は?」


「ね、姉様って初めて言われましたし、一生呼ばれることはないと思っていた呼び方だったので‥‥」


「なるほどね。それで、嫌なの?姉様って呼ばれるの。」


「嫌ではないです。お、落ち着かないだけで。」


「じゃあいつかお2人の要望に答えられそう?」


「うっ‥‥い、いつかって言ってたら私はいつまで経ってもお2人のご要望にお答えできる勇気は出ないと思いますので、区切りをつけたいと思います。」


「うん。いつにするの?」


「リリ様とマリア様を姉様とお呼びするのと同じにします。

‥‥リオト殿下、ルビア様。私がお2人を呼び捨て敬語なしで話すことと、私を姉と呼んで頂く件ですが、申し訳ありません。区切りをつけさせてください。リリ様達の結婚式後にしたいと思いますが、よろしいでしょうか?」


「「はい!勿論です。」」


「よ、良かった‥‥‥ありがとうございます。」


「ごめんね。マリンちゃん。ありがとね。」


「いえ。」


「2人共私達が話したからなのか、マリンちゃんが大好きなのよ。」


「姉上。確かにマリン様が大好きですが、微妙に違います。正確には憧れてるのです!」


「そうですわ!」


「‥‥‥え?‥‥‥い、今‥‥私に憧れてるって聞こえた様な気がする‥‥‥げ、幻聴?」


「マリンちゃん。幻聴じゃないわよ。2人の目を見たら分かるでしょ?」


「え?‥‥‥っ!」


な、なんてキラキラした目‥‥‥!

こ、こんな純粋な子達は私に憧れちゃ駄目だ!


「えっと‥‥‥お2人共、私に憧れるのはお勧めしかねますよ?」


『え?』


「え?って皆さん、分かるでしょう?私に憧れたら騒動に愛される様になってしまうかもしれないじゃないですか!」


「えっと‥‥‥そんなことはないんじゃない?」


「姉様。昨日のことを思い出して下さい。そんなことはないと言い切れますか?」


「‥‥‥‥」


「お。そうだった。2人が来たことですっかり忘れてたが昨日のことを聞いてる途中だったな。」


「え?えっと‥‥‥陛下。リオト殿下とルビア様にも聞かせてよろしいのですか?」


「ああ。構わん。」


「‥‥‥‥シリウス。あいつのこと、話していいと思う?」


「‥‥‥確かに話し辛いだろうが‥‥大丈夫じゃないか?」


「なんだ?やつのことならできる限りの情報を各国に知らせたいのだが?」


「‥‥‥一言で申し上げますと、気持ち悪い人‥‥だったので‥‥」


「そうなのか?」


「はい。」


「‥‥‥それはそれで構わんから話してくれ。」


「分かりました。‥‥ではまず、陛下は昨日私達が魔法師団を訪問することはご存知でしたよね?」


「ああ。シリウスに聞いていた。」


「今回の訪問の発起人は私です。まず、フリードさんから魔法師団の方々の士気を上げたいからアクア兄様と一緒に来て欲しいとだけ言われてました。最初は行く気は全くなかったのですが‥‥」


「おい。」


「ギルドマスターの話を聞いてフリードさんが言ったのはこの為かなと思い、行ってみようという気にはなってました。そんな時に兄弟全員揃ったので折角なら驚かせてあげようと思って兄様達を誘って行ったのが昨日です。そして話の流れで私対兄様達4人の兄弟対決を少しお見せしました。その後フリードさんにネクロマンサーの姿絵を見せてもらっていたのですが、その途中でネクロマンサーが襲ってきました。」


「何故ネクロマンサーと言い切れる?」


「簡単です。見えた顔は直前まで見ていた姿絵そのままでしたし、本人も認めました。」


「やっぱりマリンには顔が見えていたんだな。」


「はい。直前に気配を感じて魔法攻撃を防ぎ視線を移すと、ちょうど着地する時で、その時に見えました。」


「ああ~その時に見えてたのか。」


「はい。‥‥‥フリードさん。ギルドマスターもですけど、ネクロマンサーがあんなに気持ち悪い性癖持ちと知ってて言わなかったとかないですよね?」


「ああ‥‥‥‥もちろん、知ってたら先に言ってるよ‥‥」


「今思い出してもゾワッとします‥‥」


「な、何があった?」


「それが‥‥」


その後のネクロマンサーとの会話や行動、私とレグルスがこうなった理由を話していった。


そして一通り話し終わった後。


「確かに‥‥‥‥その通りなら感想に困るやつだな。」


「はい‥‥」



本当に‥‥‥‥出来れば会いたくないけど‥‥‥‥

うげっ。


「はぁ‥‥来ちゃった‥‥‥すみません陛下。ちょっと失礼します。」


そう言って私はベッドから立ち上がり、ベランダに足を向けたのでその場の全員が戸惑っていた。


「え?マリン?どうしたの?」


「姉様‥‥‥噂をすればってやつです‥‥」


『え!?』


「‥‥皆さん動かないでくださいね。」


そして私がベランダに出ると奴が‥‥‥ネクロマンサーがいた。


「おや?気付かれましたか。」


「‥‥気付いて欲しいから気配を消すのをやめたのではないのですか?わざわざ私に自分の闇属性の魔力を入れたのも場所を把握するためでしょう?」


『っ!』


「おお!さすがマリン様。では私がここに来た理由はお分かりですか?」


「昨日返してくれると仰っていた、各国から誘拐してきた人達の居場所を知らせるためでしょう?」


「ええ。正解です。‥‥ところでマリン様。敬語なくした方が話しやすいでしょう?私に敬語は必要ありませんよ。」


「そう。じゃあ遠慮なく。それで、誘拐した人達はどこ?」


「この紙に記してますよ。どうぞ。」


と差し出された手に紙があるのは確認できたが‥‥


「‥‥‥それはいいけど、いつまでその人を操るのよ?」


『え!?』


「おや。こちらもお気づきでしたか。」


「もちろん。その人から出ても話せるんでしょ?出て。」


「ええ~。操ってる方が話しやすいのですが。」


「あなたの話しやすさなんて知らないわ。いいからその人から出て。出ないなら強制的に出すわよ?」


「え?」


私が精霊王の衣の姿に変わると。


「おお‥‥その姿‥‥なんと神々しい‥‥!初めてあなた様を見た感動を思い出します!」


ゾワッ


「っ!‥‥‥お、思い出さなくていいから早く出て!その人の精神に異常が出るかもしれないでしょ!」


「ああ。それで私に出ろと‥‥仕方ありません。マリン様のご要望ですから出ましょう。」


すると本当にネクロマンサーは出ていった。その際操られていた男性が倒れてきたので、支えてとりあえずその場に横たわらせた。そして男性が手に持っていた紙を取った。


「これにあなたが誘拐してきた人達がいる場所が書いてあるの?」


「ええ。確認してみては?」


「‥‥そうね。」


「その間に‥‥」


「私の後ろにいる人達に手出したら許さないわよ?あの人達全員私の「逆鱗」よ。」


『!!』


「ちなみに許さないというと、私は一体何をされるのでしょうか?」


「そうね‥‥‥あなたは本体(・・)じゃないでしょ?捕まえても意味がないから浄化で消してあげるわ。」


『え!?』


「ほう‥‥。そこまでお気づきでしたか。」


「何を今更。昨日もじゃない。」


「ええ。そうですね。」


「はぁ‥‥全く‥‥‥‥‥‥っぷ!ふふっ‥‥ね、ねぇ、ネクロマンサーさん。」


「はい?」


「あ、あなたふざけてるの?」


「いえ?」


「こんな絵で分かるわけないでしょ!」


「ひどいです!マリン様。力作なのに!」


「これが!?‥‥‥これなら絵じゃなくて地図で書いてほしかったんだけど‥‥」


なにこれ‥‥?って感じに何書いてあるか分からない。

森?の中に人形?なのか?みたいなものが書かれていた。

絶妙に下手くそで面白い絵。


「まあ、そう仰ると思って地図も書いてますよ。」


「初めからそっち出してよ‥‥」


「マリン様の反応を見たくなりまして、つい。‥‥はい。どうぞ。マリン様。」


と、地図を受け取ろうとネクロマンサーに近づくと片手を掴まれて引き寄せられた。


「ちょっと!放して。」


「嫌です。‥‥あぁ‥‥‥愛しのマリン様が目の前に!」


ゾワッ


「か、紙、早く。」


「ええ。差上げますよ。どうぞ。」


なんとか悪寒に耐えつつ、もう片方の手で紙を受け取ると、掴んだままだった私の手を更に引いて抱き締めてきた。


「え!?ちょ、ちょっと!放して!」


「ああ‥‥マリン様の匂い‥‥‥甘美ですねぇ~‥‥‥あ!折角の機会です。マリン様の唇も直接頂きますね。」


「はあ!?や、やめ‥‥‥っ!」


と無理矢理口付けられた。


『あ!!!』


両手で頭を抑えられてなかなか動けなかったが、体は自由だった。なので、手に浄化の魔力を纏わせ、やつのお腹を思いっきり殴るとやっと放れた。


「ぐっ!‥‥‥効きますねぇ~‥‥さすがマリン様の一撃です‥‥‥でもやはり直接口付けた方が良かったですねぇ‥‥堪能できました‥‥この感触、癖になります‥‥」


「っ!‥‥‥‥‥やってくれたわね?」


「え!?」


「誘拐された人達の場所はこれで分かる。今のところ、あなたにもう用はないから消えてもらうわ。あなたの用事もそれだけでしょ?」


「ええ。ですが、私を捕まえられるとでも?」


「ふっ。私がなんの為にこの姿になったと思ってるのよ?」


「え?‥‥ま、まさか!」


「ええ‥‥普通の人ならあなたからは触れても反対は無理。だから誰も捕まえられなかった。けど、浄化の魔力ならどうかしら?‥‥実際に一撃お見舞いしてあげたから分かるでしょ?」


と、言いながら今度は私がネクロマンサーの腕を掴んだ。


「ふふっ。ほら‥‥‥捕まえたわよ?」


「ああ‥‥‥状況が違えばなんと甘美なお言葉!」


「でしょうね。私はあなたが使う闇を払う浄化の使い手。あなたの天敵なの。‥‥ちなみに本体じゃなくても痛みとかはあるのかしら?」


「え、ええ‥‥お分かりでしょう?本体とは一応繋がってますので、痛みとかも感じますよ。」


「そう。それよりあなた、私の質問に忠実に答えてくれるのね?じっとして抵抗しないし。」


「それは勿論。あなたは私が敬愛するお方。お答えするのは当然です。‥‥それに折角マリン様から触れて頂いてるのにどうして振り払えますか!」


「そ、そう‥‥敬愛する?‥‥‥ならさっきの行動はなんなのかしら?」


「ふふっ。私の暴走と捉えてください。」


「あぁ‥‥もう限界だわ‥‥‥さて、覚悟はいいわよね?」


「ひぇっ!」


「【セイクリッドシャイン】!」


「ぐあぁぁぁぁぁ‥‥」


叫びながらネクロマンサーは消えていった。

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