126話 いざ、魔法師団へ
そして話は続く。
「まあ、勉強会の話はおいおいするとして。折角魔法師団に行こうとしている人達が集まってるんで、日程決めませんか?」
「え?魔法師団に行くの?」
「殿下もか?」
「あれ?リゲルとレグルスはマリア様とベネトさんに話してなかったの?」
「「忘れてた‥‥」」
「おい!」
「まあまあ。えっとですね‥‥」
と、マリア様とベネトさんに一連の話をする。
「なるほど。行ってきていいわよ。リゲル。」
「はぁ‥‥俺も行く。」
「やっぱり。」
「「「だな。」」」「そうね。」
「ん?なんだ?」
「昨日帰ってからベネトさんに話してなかったって思い出したんだけど、レグルスが話すでしょって。あと話したら一緒に行くっていいそうだね。って兄様達と話してたんだよ。」
「ああ。そういうことか。」
「それで、いつにする?」
「とりあえず、今週末なら俺達暇になるからいいけど、みんなは?」
「俺も大丈夫です。」
「俺もです。」
「私も大丈夫ですよ。」
「俺も大丈夫です。」
「アクアとクリスとマリンは?」
「「「大丈夫です!」」」
「じゃあ決まりだな。問題はどこに集まって行くかだな。」
「あら。城に集まればいいじゃない。ね?シリウス。」
「ええ。一旦城に集まってからみんなで行けばいいかと。」
「そうだね。じゃあそうしようか。」
ちょんちょん
「ん?どうしたの?リジア。」
「わ、私も行っていい?」
「え?いいけど、リジアも行くの?」
「うん。魔法師団がどんな感じか見てみたい。」
「そっか。分かった。じゃあ一緒に行こ。兄様達もシリウス達もいいでしょうか?」
『勿論。』
「だって。私達とレグルスとベネトさんはお隣だから馬車を分けて乗るとして、リジアは一先ずうちに来てから一緒に行く?私がゲートで迎えに行くよ?」
「うん。お願いしていい?」
「勿論。じゃあ当日応接室で待ってて。アドニス邸で入ったことがある部屋ってそこだけだから。伯父様にも言っといてね。」
「うん。分かった。」
「じゃあシリウス。私達兄弟とリジアとレグルスとベネトさんは一緒に行くね。」
「分かった。じゃあフリードには今週末になったとだけ伝えておくよ。」
「うん。お願い。」
日程が決まったところでこの日は解散した。
そして週末。
予定通りまず私がゲートでリジアを迎えに行き、うちの馬車とレグルス達帝国の馬車に分かれて乗って城へと向かった。
城に着いたあとは徒歩で向かうのだが、そこでとある提案をすることにした。
城に到着すると、既にリゲルも来ていてシリウスと一緒に待っていた。
そして馬車から全員が降りたところで。
「あの、このまま行くとヒスイ兄様達を見ての驚きがあまり期待できない気がするので、直前まで姿消して行きませんか?」
『え?』
「ヒスイ兄様とフレイ兄様と姉様の姿を消して、フリード先生の目の前で解除するんです。面白そうじゃないですか?」
「ああ。面白そうだな。俺はいいぞ。」
「俺もいいよ。」
「私も。」
「じゃあ決まりですね。シリウス、もうこのまま行くんだよね?」
「ああ。全員集合したしな。」
「じゃあ早速。‥‥兄様達、手を貸してください。」
「「ああ。」」「ええ。」
そして3人の手をとって
「【雲隠】」
「‥‥‥消えてるのか?」
「はい。ヒスイ兄様とフレイ兄様と姉様。消えてますよ。声を出したら気づかれますし、触れることもできますので気をつけてくださいね。」
「「「分かった。」」」
「じゃあ行くか。」
そして魔法師団の訓練場に直接向かったのだが‥‥
王子と一緒にいるの誰だって声と視線がすごかったよ‥‥
そして訓練場に到着すると。
「お。マリン、アクア。本当に来てくれたんだな。」
「「はい。」」
「シリウス王子達だけじゃなく皇太子殿下まで。ありがとうございます。」
『皇太子殿下!?』
その場にいた他の魔法師団の団員の人達がざわめきだした。
「いいえ。私は友人についてきただけですよ。」
「フリード先生。」
『先生?』
「マリン。今は先生じゃないだろ。」
「えっと、ではフリードさん?」
「ああ。とりあえずそれでいい。で、なんだ?」
「ふふっ。実はですね。一緒に来たの、アクア兄様達だけじゃないんですよ。」
「え?他にもいるのか?」
「ええ。私達の後ろにいますよ。」
「‥‥?誰もいないぞ?」
「いますよ。今魔法解除しますね。【解除】」
「え?‥‥‥‥‥な!?‥‥‥え!?」
「驚きました?」
「え?‥‥‥ヒスイとフレイとクリス‥‥‥か?」
「「「はい。」」」
「え‥‥え!?お、お前達。な、なんで‥‥?」
「ふふっ。大成功ですね。兄様達。」
「「「ああ。」」」「ええ。」
「え?」
「折角兄弟全員集合してましたので、フリードさんを驚かしてみようかと。どうです?ヒスイ兄様とフレイ兄様は私達以上に久しぶりだから嬉しくないですか?」
「マリン‥‥。まあ、嬉しい‥‥かな。」
「素直じゃないですね。私達兄弟を魔法師団に勧誘しておきながら。」
『え?』
「え?団長。この子達勧誘してるんですか?」
「ああ。まあな。‥‥全員断られたが。」
『え!?』
「おお‥‥本当に団長なんですね。」
「マリン。お前失礼なやつだな。」
「そうですか?多分一緒に来た全員同じことを思ったと思いますよ?ね?」
コクン
全員頷きました。
「ほら。」
「くっ。」
「ぷっ。団長‥‥そりゃしょうがないっすわ。」
「なに!?」
「ええ。団長軽いっすからね。」
「ほら。皆さんもみたいですよ?」
「くっ!‥‥‥まあいい。マリン。この面子で来てくれたってことは魔法、見せてくれるんだよな?」
「はい。‥‥でもその前に伺いたいことがあります。」
「なんだ?」
「団員さん達の士気をあげたいのは例の指名手配犯に備える為ですか?」
『!』
「そういえばマリンは冒険者だったな。‥‥ランクは?」
「Bです。」
『B!?』
「そうか‥‥浄化魔法を使えるからって聞かされたんだな?」
「はい。ギルドマスターが話してくれました。あと、早めにSランクまで上がって欲しいとも言われました。」
「だろうな。‥‥マリンの質問に答えないとな。マリンの言う通りだ。指名手配犯に備える為に士気をあげたかった。」
「私達はまだ学生の身ですが、それで士気が上がりますか?」
「ああ。俺はマリンの魔法だけでも上がると思ってる。」
『!』
「だ、団長。その子、そんなに強いんですか?」
「ああ。この場にいる誰よりも強い。‥‥だろ?マリン。」
「はい。恐らく。」
『な!』
「まあ、信じられないだろうな。‥‥マリン、ちょっと見せてやってくれるか?」
「はい。えっと、どうしましょうか?誰かに相手になってもらったりしますか?」
「マリン。兄弟対決の威力抑えたやつやろうか。」
「ヒスイ兄様?」
「元々フリードさんに俺達の魔法を見せに来たんだ。これが一番手っ取り早くていいだろ?」
「確かにそうですね。‥‥それでいいでしょうか?フリードさん。」
「あ、ああ。」
「じゃあ早速やりましょうか。兄様達。」
「「「ああ。」」」「ええ。」
ということでまずは私達の魔法を兄弟対決でお披露目です。