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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第6章 学生編3
119/289

119話 夏休みが終わり、報告へ

そして翌日。

今日からまた学園だ。

いつも通りアクア兄様と学園に行くと。


「マリン、アクア様。」


「あ。リジアおはよう!」


「おはよう。リジア。」


「おはようございます‥‥」


「リジア?大丈夫?」


「大丈夫じゃないわよ!昨日帰ってから父様に色々聞かれたのよ?でもどこまで話していいのか分からないながらも考えながら話したの。‥‥本っ当に疲れた‥‥」


「ご、ごめん。」


「マリン、リジア、アクア様。」


「あ、レグルス、ベネトさんおはよう。」


「「おはよう。」」


「おはようございます、アクアさん。リジアも。」


「ああ。おはようベネト。殿下。」


「うん。おはようレグルス、ベネトさん‥‥」


「ん?どうした?リジア?」


「私のせいで昨日帰ってからも疲れる羽目になったって。」


「は?なんじゃそりゃ。」


「あれ?みんなそんなところで固まってどうした?」


「シリウスとリゲルもおはよう。」


「「ああ。おはよう。」」


「ここで集まっててもしょうがないし、教室行こ?」


『ああ。』「うん‥‥」


と、歩き出したはいいが‥‥。


「天使だ!」


「天使がシリウス王子達と歩いてるぞ?」


「天使達に何があったんだ?」


と天使呼びが夏休みの間に忘れられてるといいな‥‥という希望は打ち砕かれたのだった‥‥。


「き、消えてなかった‥‥」


「諦めろ。マリン。」


「‥‥‥‥」


「俺を睨んでも変わらないぞ。‥‥じゃああとでな。」


ここで学年の違う兄様とベネトさんと離れ、私達5人は自分達の教室へ向かう。


「シリウス、リゲル。女の子2人が元気失くしてるんだが、どうする?」


「「分からん。」」


「友人なのにな。」


「そうだよ‥‥3人共、他人事だからって‥‥‥」


「「「他人事だからな。」」」


「くっ。」


「あ。俺達もここまでだな。頑張れよレグルス。」


「なに!?」


シリウスとリゲルも違うクラスなので別れ、私達3人がSクラスの教室に入ると。


『天使が来た!』


「「「‥‥‥‥‥」」」


「「‥‥‥‥皆様。おはようございます‥‥。」」


「おはようみんな。」


『お、おはようございます‥‥』


「あの、殿下。お2人はどうなさったの?」


「えっと‥‥マリンは教室に着くまでの間、ずっと天使呼びされてぐったりで、リジアは何か別の理由で疲れてるそうですよ。」


『え?』


「とりあえず座ろ‥‥リジア。」


「うん。」


ガラッ


「皆さんおはようございます。‥‥ってあら?マリンさんとリジアさんはどうされたんですか?」


「レグルス、お願い。」


「ああ。‥‥先生。マリンは教室に着くまでの間の天使呼びにぐったりで、リジアは何か別の理由で疲れてるそうです。」


「へ?‥‥‥はあ。まあ今日は特に授業もないですからいいですが、マリンさんはもう諦めて慣れるしかないと思いますよ?」


「え?私が慣れないといけないんですか!?あの恥ずかしい限りの天使呼びに!?」


「はい。」


「!!!‥‥‥‥慣れたくないです‥‥‥」


「そうでしょうが、諦めて下さい。正直私にも天使にしか見えませんでしたし。」


「!!!‥‥‥先生まで!?」


「マリン。諦めて受け入れるしかない。もしくは気にするな。」


「‥‥‥‥‥」


「ベネトさんも言ったが私を睨んでも変わらないぞ?むしろ私には可愛いとしか思えないぞ?」


「な!‥‥‥はあ‥‥もうやだ‥‥レグルス‥‥」


そして私は自分の腕に額を当てて突っ伏した。


『おぉ~。』


「はい。皆さん静かに。先程も言いましたが、今日は特に授業はありませんのでこれで解散です。マリンさん、リジアさん。明日からは普通に授業がありますから、それまでに復活して下さいね。」


「「はい‥‥」」


「では皆さんまた明日。」


と、先生は去っていき、クラスメイトも次々と出ていった。


「マリン。リジア。生徒会行くぞ。」


「「うん‥‥」」


そして教室を出て生徒会室に着くと。


「もうやだ~!」


とリジアに抱きつく私がいた。


「どうした?」


「兄様‥‥‥教室に行くまでだけじゃありません。ここにくる間も天使、天使と‥‥‥ついには先生にまで‥‥」


「お、おう‥‥。なんか朝より疲れてるな‥‥。てか先生にまで言われたのか?」


「そうだよ!ベネトさん。担任の先生にまで言われたよ!魔法科の先生だから天使呼びの発端の現場にもいたんだよ!」


「そ、そうか。」


「その先生にまで諦めて慣れろって言われたの!」


「それには俺も同感だな。」


「な!‥‥‥くっ。いとこで同じこと言ってる‥‥!」


「お?殿下も言ったのか?」


「諦めて受け入れるか気にするなって言った!」


「マリン。俺も被害者だよ。俺もここにくる迄に天使のお兄様呼ばわりだ。」


「兄様もですか!仲間がいました~!」


「俺は仲間になりたくなかったけどな。」


「うっ‥‥。なんかすみません。」


「どうしようもないから俺は気にしないことにした。」


「どうしようもない‥‥。でも今日は本当に復活してないとです。」


「ん?何かあるのか?」


「帰りはリジアと一緒に帰るの。」


「‥‥‥あの話か?」


「うん。‥‥なので兄様。先に帰ってて大丈夫です。」


「分かった。」


「‥‥リジア。疲れてるところにごめんだけど、私がする話ちょっと重いかも。」


「そう‥‥でも真面目な話なんでしょ?マリンが話してくれることならちゃんと聞くよ。」


「ありがとね。リジア。」


「じゃあ今日は集まっただけだし、帰るか。」


「「「「はい。」」」」


そしてリジアと一緒に馬車に乗せてもらって、アドニス伯爵邸へ向かっている途中。

今は2人だけなので、私はあることをリジアに伝えていた。


「そういえばリジア。」


「ん?なに?」


「夏休みに帝国に行く時にね。レグルスとベネトさんが話してたところの一部を聞いただけなんだけどね。」


「うん?」


「ベネトさんはね。私よりリジアみたいな子の方がいいって言ってたよ。」


「え!?ど、どういうこと?」


「そこしか聞いてないから分かんないけど、2人で好みの話とかしてたんじゃないかな?」


「レグルスはマリンでベネトさんは私?」


「じゃないかな?ベネトさんがリジア派っていうのだけ聞いたから。これはなんとなくだけどリジアに伝えないと!って思ってたから言えて良かったよ。」


「そ、そう‥‥ありがとう?」


「どういたしまして。」


と会話していると、アドニス伯爵邸へと到着。


「こんにちは。伯父様。」


「ああ。よく来たな。マリン。入ってくれ。」


そして応接室に通されて全員座ったところで。


「では伯父様。私が今回、お話をしにきたのは帝国でのことです。でも、その話の前に私のことを話さないとかなと思ったんですが‥‥リジア。昨日伯父様にどれぐらい話した?」


「え?えっと、シリウス、リゲル、レグルスに言い寄られてること。天使呼びの発端。使える属性が4種類と空間魔法のストレージが使える‥‥ざっくり言うとこれぐらいかな?」


「私が冒険者になってることは?」


「あ、言ってない。」


「そっか。分かった。では伯父様。まず、リジアの話に捕捉と帝国に行ってもらったもの。それらを話さないと後々話が噛み合わなくなりますので、そこから話しますね。」


「ああ。」


「まず、私は既に冒険者になってます。10歳の時にアクア兄様とコボルトの集団、去年帝国に行く途中に黒竜を倒した実績でいきなりBランクです。」


「え!?」


その後、私のことはまずゲートだけ話した。話が合わなくなるからね。

そして帝国に着いてから精霊王に会い、加護をもらったことや自分の魔力の特殊性も話した。


「マリン‥‥‥精霊王って‥‥すげぇのに会ったな。」


「はい‥‥。私も最初、精霊達が見えた時は驚きました。しかも私だけしか見えてなかったらしいので。」


「だろうな。」


次に皇帝陛下から指名依頼を受けたことを話し、アンデッドの浄化に行くとリッチもいたこと。浄化が終わり、遺品を全てギルドに預けたことを話した。

そしていよいよ本題。


「そしてここからが私が話したかったことです。ベネトさんの提案で私が浄化しに行った魔物の森に行くことになりました。最初は私、シリウス、リゲル、レグルス、ベネトさんの5人だけの予定だったのですが、皇帝陛下が冒険者達の最後の地を見ておきたいと仰いましたので、一緒に行くことになりました。」


「なんつー面子連れてくんだよ‥‥」


「現地には元帥様が確認の為にいらしてましたので。」


「いや。それでも本来駄目だろ。」


「私も思いましたが、あの人達自分の立場の重みを微妙にしか理解してない気がします。」


「‥‥ということはマリン頼みか。」


「はい。らしいです。」


「‥‥‥頑張れよ、マリン。」


「‥‥‥‥はい。」


そしてそこで誰に会ったか。どうやって、それから何を話したのかを伝えた。


「そうか‥‥‥レウスに会ったんだな。」


「はい。最初はお顔が見えなかったのですが、最後消える直前に見えました。私や母様と同じ髪と眼の色をした伯父様そっくりの方でした。」


「間違いなくレウスだな。」


「ええ。この話をその場にいなかった父様と母様には既に話しましたが、伯父様と同じことを仰ってました。そして、レウス伯父様からこのことをアポロ伯父様、父様、ディアナ母様にも伝えてくれと言われたので伯父様が最後です。」


「そうか‥‥」


「伯父様。最後にレウス伯父様からの伝言があります。」


「なんだ?」


「一言一句違わずそのまま伝えますね。」


ー最っ高に楽しい人生だった!元気でな!ー


「‥‥‥‥‥レウスらしいな‥‥‥」


「はい。これを伝えてくれと言われた皇帝陛下、元帥様、父様、ディアナ母様も同じことを仰ってました。」


「そうか‥‥」


それから皇帝陛下が話してくれた大規模討伐のことも話した。


「‥‥‥なるほどな。ラルクから大規模討伐に参加したってのは聞いていたが‥‥」


「伯父様。レウス伯父様の遺品を私が家族代表で受け取ってきたんです。皇帝陛下、元帥様、父様は受け取らないと。そしてディアナ母様にもアポロ伯父様に渡してくれと言われました。」


「ああ。俺が受け取るよ。帰る前に出してくれるか?」


「はい。分かりました。」


「マリン。今回、全部話してくれたこともだし、レウスの遺品も持って来てくれたし。何よりアンデッドにまでなっちまったのを浄化してくれたこと。本当に感謝する。ありがとな。」


「いいえ。私にとっても伯父様ですから、当然ですよ。」


「そうか。‥‥レウスも嬉しかっただろうな。最後に姪に会えたんだし。」


「はい。喜んでくれてました。最初に私を見た時はディアナ母様が来たかと思ったそうですが。」


「ああ。確かにマリンはディアナそっくりだからな。」


「あと、父様とディアナ母様が結婚していたこと自体に驚いてました。その理由は陛下が話してくれたことでなんとなく分かりましたけど。」


「どういうこと?」


「リジア。私の父様とレウス伯父様と皇帝陛下は学園に通っていた時、同学年でしかも一緒のクラスだったんだって。ほら、前にレイヤ先生が言ってたでしょ?父様と皇帝陛下が生徒会にいたんだよって。」


「あ!そういえば。」


「それで、一つ上に今の国王陛下と公爵様。一つ下に王妃様。三つ下にディアナ母様がいたんだって。」


「え!?なんでそんなに集まって‥‥‥あ。」


「気付いた?私達も似たような状況でしょ?私達の場合はみんな学年一緒だけどね。」


「私‥‥‥とんでもない世代にいるのね。」


「うん。一緒に頑張ろうね。リジア。」


「そ、そうね‥‥」


「‥‥伯父様。私がお話したかったことは以上です。」


「ああ。わざわざありがとな。」


「いえ。それで、伯父様。ゲート、体験してみますか?」


「ん?いいのか?」


「はい。うちの屋敷にいる人達は全員ゲートを知ってて言わないでくれてますから。誰か来てても玄関とかじゃなく、私の部屋に繋げたら問題なしです。」


「まあ、確かにな。じゃあ折角だから見せてくれるか?」


「はい。‥‥リジアも来る?」


「じゃあ、行こうかな。」


「うん。いいよ。」


そしてゲートを私の部屋に繋げると、伯父様が恐る恐る通った。


「おお‥‥本当に違う場所だな。ここがマリンの部屋か?」


「はい。」


「あ、ラルクは今屋敷にいるのか?」


「えっと‥‥‥いますね。」


「ん?分かるのか?」


「はい。なんとなく。」


「なんとなく‥‥」


「恐らく執務室ですね。行きますか?」


「ああ。」


「ではご案内しますね。」


そして3人で父様の執務室に向かった。


「ん?マリン‥‥‥ゲート使ったのか?」


「はい。話の流れでゲートの説明をしないと噛み合わなくなりますので、話しました。それで全て話終わったのでゲート体験です。」


「まあそうだよな。」


「マリン。ちょっとラルクと話したいから部屋で待っててくれるか?」


「はい。分かりました。リジアも行こ。」


「うん。」


そして私達は再び私の部屋に戻った。


で、折角なので。


「リジア。折角だから、昨日話した浴衣作りの為に身長とか測らせて。」


「え?うん‥‥分かった‥‥」


そして一通り測り終えたところで伯父様が戻ってきた。


「伯父様、もうよろしいのですか?」


「ああ。ありがとな。」


「ではまたゲート繋ぎますね。」


伯爵邸の応接室にゲートを繋ぎ、再び3人共戻った。


そして私はレウス伯父様の遺品を全て出した。

あの日記以外。


「伯父様。レウス伯父様の遺品はこれで全部です。」


「ああ。確かに装備とかはレウスの使ってた物だな。」


「では、私はこのままゲートで帰りますね。」


「ああ。」


「じゃあ、リジア。また明日ね。」


「うん。マリン、また明日。」


そして私は屋敷に戻った。


レウス伯父様として頼まれたことはこれで終わった。

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