表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第5章 帝国編2
109/289

109話 帝国での出来事 1

さて、私の言いたいことは大体言ったけど‥‥

結局みんな私の質問に答えてくれなかったな‥‥。

でもそろそろ終わらないと。私が精神的にしんどい。


「皆さん、改めて謝罪とかしないでくださいね。聞きたくありませんし、許すつもりもありません。」


『‥‥‥』


「ディアナ母様、セレス母様、ヒスイ兄様、フレイ兄様。私は帝国でこの話を聞いたあと、一人別の所に行って城で寝てません。」


「「「「え!?」」」」


「ここにいる全員誰も知らない、私の安息の場所に行ってました。そして、翌日は陛下と模擬戦があったのでその為だけに帝国に戻りました。本当はその後、姿を消そうとまで考えてました。‥‥‥安息の場所に行くまでは。」


『え?』


「この話はレグルスとベネトさんも知らないですね。私の安息の場所には話し相手がいるんですよ。私は全部話したら落ち着いてきて、冷静になったら頭の中を整理する時間が取れました。そのあと、ゆっくりこれからどうするか考えました。そして、その相談にも乗ってくれました。だからレグルスとベネトさん達にはいつも通りだったでしょう?」


「「ああ。」」


「結局どこに行ってたかは私達にも教えてくれなかったが、今もその感じだと言うつもりはないんだろ?」


「うん。いつか全部話す時が来るからその時に纏めて話すよ。‥‥それで、ヒスイ兄様達。私は許すつもりはないと、姿を消すつもりだったと、そう言ったのにこうして帰って来たのが不思議じゃないですか?」


「「ああ。」」「「ええ。」」


「私は半分だけ、許すことにしたからです。」


「「「「半分だけ?」」」」


「はい。それで、半分だけでも許す気になった理由、4人は分かりますか?」


「‥‥‥‥やっぱり結婚を祝いたかったから?」


「母様、おしいです。理由の一つではあります。」


「‥‥‥‥この家が好きだから?」


「ヒスイ兄様もおしいです。それも理由の一つですね。」


「‥‥‥‥ごめん。教えてくれるか?」


「はい。フレイ兄様達は父様達と違って、素直な反応して下さいましたから同じくお話しますね。‥‥簡単なことです。私はこの国が、友人も家族もいるこの国がやっぱり好きなんです。あと、どんなにひどいことされても、やっぱり家族もリリ様もマリア様も嫌いになれなかったからです。先程母様が仰いましたが、素直に兄様達とリリ様達の結婚をお祝いしたいのもあります。最後に私一人だけずっと蚊帳の外だったことにいじけてたところもありますからね。」


「そうか‥‥。マリン。聞きたくないって言われたけど、この一回だけにするから聞いてくれ。‥‥ごめん。」


「俺も。マリン、知らず知らずの内に傷付けたな。ごめん。」


「私も。言える機会はあったのに、ごめんね。」


「私も。言える機会は‥‥‥難しかったけど、ごめんね。」


「‥‥‥‥はい。確かにお気持ちは受け取りました。ただ、半分許す条件があります。」


「「「「え?」」」」


「その条件は今は私も情報が少ないので曖昧になりますが、私はいつか私じゃないと駄目なことをしないといけません。命掛けの戦いをしないといけないかもしれません。その時、私を止めないで下さい。それが条件です。」


「え?‥‥‥‥命掛け?マリンが?」


「はい。それどころかまだ強くなる必要があるみたいです。いつか師匠が鍛えてくれるのと、私の戦うべき相手を教えてくれるそうです。だから私も死ぬつもりはありません。」


「‥‥その情報源を教えてくれる気はないんだな?」


「はい。」


「分かった。‥‥‥条件をのむよ。マリン。」


「俺も。マリンが死ぬつもりはないって言うなら信じるだけだ。」


「私も。」


「‥‥マリン。その時は教えてくれるのよね?何も言わずに消えたりしないわよね?」


「はい。勿論です。ディアナ母様。昨日みたいにちゃんとみんなに行ってきますと告げてから行きます。そしてただいまと言って必ず帰ってきます。」


「そう‥‥。分かったわ。それなら私もマリンを信じて条件をのむわ。」


「ありがとうございます。‥‥‥‥はぁ~~疲れた~~。」


「「お疲れ。マリン。」」


『え?』


「はぁ~‥‥レグルス、ベネトさん。こういうのやっぱり精神的に疲れますね‥‥。あ、ちなみにシリウス、リゲル。私が帰ってきてから2人を怒らなかった理由は分かる?」


「「え?」」


「帝国では纏めて怒ってたでしょ?」


「「あ。」」


「忘れてたの‥‥?それで、理由。分かる?」


「「‥‥‥さあ?」」


「私は2人に怒る資格ないからね。」


『え?』


「あれ?皆さんもですか?シリウスとリゲルはリリ様とマリア様の弟。リリ様達の意思を優先して当たり前だったんです。私に言う義務はありません。‥‥だからシリウス、リゲル。あの時はごめんなさい。」


「「いいよ。」」


「え?そんなあっさり許してくれるの?」


「ああ。ちゃんと謝ってくれたからな。それに正直、マリンに言われるまで気づいてなかったしな。」


「そうだな。」


「そ、そっか。ならいいけど。‥‥レグルスとベネトさんもこんな重苦しい雰囲気の場所に付き合わせてすみません。」


「いや。構わないよ。」


「ああ。それにもう一つあるだろ?」


「そうですね。‥‥その話の前に私がもらった新たな加護の話からですかね。」


「そうだな。」


「え?他にも加護もらったのか?マリン。」


「はい。ヒスイ兄様。しかも私が初めてだそうですよ。」


「加護を渡したのがか?」


「はい。その加護は精霊王の加護ですから。」


「「「「精霊王!?」」」」


「はい。精霊王に会ってきました。」


「「「「会ってきた!?」」」」


「はい。その精霊王のいる場所。世界樹の元に呼ばれたので。」


『世界樹!?』


「あ。これは父様達にも言ってませんでしたね。‥‥世界樹の存在、言わない方が良かったのかな‥‥?皇帝が代々受け継いでた話らしいし‥‥」


『‥‥‥‥』


「ま、いっか。陛下もここにいる人達ならいいって言ってくれるでしょうし。あ、父様達も見た城の庭園にある大樹、あれは世界樹の株分けだそうですよ。」


『‥‥‥‥』


「どうしましょう‥‥マリンがとんでもないことをペラペラと‥‥」


「まだまだ続きますよ。そもそも私が精霊王の加護を頂いたのは私が浄化魔法の使い手だったからだそうです。」


『え?』


「精霊王曰く浄化魔法の使い手は純粋で綺麗な魔力の持ち主しか使えなくて、私以前の使い手は一人しか知らないそうです。」


「え?そんなに稀少魔法だったのか?」


「はい。そうみたいです。それで、私より前にいたその方は精霊王の加護を渡すには魔力量が少な過ぎたらしいです。だから私が初めてだそうです。精霊王の加護。」


「精霊王の加護はもらったら何かあるのか?」


「はい。私は加護をもらってなかったらいつか自分の魔力に体が負けていたかもしれないそうです。前の方はそれで戦死したと。」


「そうなのか!?」


「うん。レグルス、学園で初めて浄化魔法使った後、私倒れたでしょ?」


「ああ。」


「あれもね。浄化魔法をいきなり使って体が驚いたからだって。浄化魔法は光魔法とは別物だったから余計にね。」


「え?浄化魔法は光魔法とは別物なのか?」


「うん。昨日ステータス見たら聖魔法って光魔法とは別に記載されてた。これが浄化魔法だって。」


『へ~!』


「父様達にも話したことですが、浄化魔法の使い手は特殊なところがあるそうです。その一つが純粋で綺麗な魔力の持ち主しか使えないこと。次に人に好かれやすいところ‥‥ですね。精霊王に聞いたのは。」


「人に好かれやすいっていうのは?」


「私の魔力は人を惹き付ける性質があるそうです。だから基本的に私は嫌われ難いどころか逆に惹き付けるそうです。」


「ああ。確かにマリンを嫌うやつ、見たことないな。」


「ええ。確かにそうですね。」


「マリン。あの時、皇帝陛下も言っていたが、この場にいる全員、マリンの魔力に惹かれてる訳じゃないからな。」


「「「「!」」」」


「はい。分かってますよ。父様。あの時、確かめもしたじゃないですか。」


「そうだったな‥‥」


「確かめたってどうやって?」


「え?それは家族代表で姉様、尊敬している人代表でリリ様にはそれぞれ抱きしめてもらいました。あと、友人代表でベネトさんと握手してみました。」


「マリン。シリウス王子達を言ってないわよ。」


「うっ‥‥言わないと駄目‥‥ですよね。」


これはまた私にとって恥ずかしい展開になりそうだな‥‥

しかも逃げ道がない‥‥‥そして話が進まない!


ということで、逃げ道がなさそうなので正直に話し始めました。


「えっと‥‥シリウスとリゲルにも抱きしめてもらいました。レグルスは今回帝国に行くまでの間から私に対する密着度が高くなって来たのでその場は除きました。直前に抱きしめられてましたし。」


「え?マリン?シリウス王子達に抱きしめられて平気だったの?‥‥というか、皇太子殿下も?3人揃って私の娘に何してくれてるんですか?」


「えっと、ディアナ母様。とりあえずシリウスとリゲルに抱きしめられても平気になりました‥‥よ?」


「ディアナ母様!この3人、私達が知らないところでマリンに他にもした事があるんですよ!」


「姉様!?」


「なに?3人は私のマリンになにしたの!?クリス。」


「ね、姉様!!」


「マリン。皇帝陛下にも私達にも見られて話を聞いた以上、母様達に黙ってるのはおかしいわ!‥‥ディアナ母様。3人はマリンに‥‥」


「マリンに?」


「口付けしてたんですよ!」


「「「「は!?」」」」


「‥‥‥本当なのか?マリン。」


「‥‥‥‥‥‥‥本当です。」


「‥‥‥どういうことかな~?3人共。マリンは友人なんだろ?4人共12歳だよなぁ?‥‥‥何うちの妹に手ぇ出してくれてんだ?」


「「「っ!」」」


「ひ、ヒスイ兄様!?」


「マリンも、嫌なら嫌でハッキリ魔法でもなんでも使って吹っ飛ばせばいいじゃないか。」


「え、えっと‥‥‥実は3人共嫌だという気持ちはなかったんです。」


「「「「‥‥‥‥‥え?」」」」


「え?嫌じゃないのか?」


「はい。嫌ではないですが‥‥私の3人に対しての気持ちが恋愛感情かどうか分からないので戸惑ってはいます。」


「く、クリス。」


「はい。なんでしょうか?ディアナ母様。」


「マリン、帝国でずっとこんな感じだったの?」


「はい。」


「か」


「か?」


「可愛いわ!マリン!」


『は!?』


「「「ですよね!?」」」


えっと‥‥何故か姉様とリリ様とマリア様が母様に同調したよ?‥‥‥正直?しか浮かばないんだが‥‥


「あの‥‥恥ずかしいので話を戻していいでしょうか?」


「マリン。後で個別に話してくれるなら話を戻していいわよ。」


「それ拒否権ないじゃないですか‥‥」


「いいじゃない。この後あの話、するんでしょ?楽しみがあった方がいいもの。」


「!‥‥ディアナ母様。弄りたいだけなら嫌ですからね。」


「はいはい。分かってるわよ。」


「では戻しますね。えっと‥‥特殊なところを話してたんでしたね。あとは‥‥あ、精霊王の加護を頂いた時に一緒にあるものを頂いたんです。」


「あるもの?」


「マリン、また見せてくれるのか?」


「うっ‥‥レグルス、そんなにあれ見たいんだ‥‥。でも見せた方が早いか‥‥」


私は精霊王の衣に姿を変えた。


「この姿が精霊王の加護と共に‥‥あれ?もらったってことになるのかな?‥‥まあいいや。とりあえず、浄化魔法を使う度にこの姿になるそうです。」


「か、可愛いわ!マリン!」


「え!?か、母様?」


「「「「ですよね!?」」」」


今度は姉様達にレグルスが混ざりました。


「‥‥‥‥‥戻していいでしょうか?」


「「「「「まだ駄目!」」」」」


「え~‥‥」


「でも確かに似合ってると思うぞ?マリン。」


「ええ。」


「兄様達もですか‥‥」


「マリン。諦めて次を話したらどうだ?残りは一番話したかった事だろ?」


「ベネトさん、他人事だからって‥‥はぁ。そうですね。このまま話した方がいいのかもしれませんね‥‥。まず、母様達、兄様達の4人は何故私が父様達と別行動をしたのかからですね。」


「「ええ。」」「「ああ。」」


「私は精霊王の加護をもらった翌日、帝国の城に到着してから3日目ですね。陛下から冒険者としての私に指名依頼がありました。内容は帝都から馬車で2日の距離にある魔物の森に入り、アンデッドの浄化をすること。」


「「「え!?」」」


ディアナ母様だけが驚いてなかった。昨日ちょっと話したし、そのアンデッド達が元はどういう人達かも知ってて予想はしてたんだろうな。


「私は去年初めて帝国に行った時も、遠いのでうっすらですが気配を感じていましたので、気になってはいたんです。でも去年は私には対処法が分からなかった。浄化が使えるのも知りませんでしたしね。」


『‥‥‥』


「でも今年は分かります。浄化魔法を使えるのは今のところ私だけ。ならやるべきだろうと私はすぐに依頼を受けました。ちなみに私がこの時点で陛下に聞いたのは森にアンデッドの集団がいる。これだけです。何故アンデッドの集団がいるのか。元はどういう人達だったのかを全く聞かずに浄化の依頼を受けました。

ここからは父様達も知らないですね‥‥私は森に着いた後、気配を辿って真っ直ぐ森の奥にいるアンデッドのところに行って浄化していきました。そして終わったと思って浄化魔法を解いたらまだ気配が一つ残ってました。」


『え?』


「更に奥で一人佇んでいるリッチがいました。」


「え!?リッチがいたのか!?」


「はい。父様。かなり奥の方でしたし、手前にアンデッドの集団がいたので確認出来なかったんだと思います。」


「‥‥‥なるほどな。」


「そのリッチとたどたどしくはありましたが少し話しました。リッチの方は最初仲間を気にされたので浄化しましたよと、私が答えると今度は魔物、いえ竜が来て負けたと単語一つずつ発したのを読みとったらそう言ってました。」


『竜!?』


ちなみに陛下から一緒に話を聞いたシリウス達と、知ってるはずの父様以外の声。


「はい。負けた事実を伝え終わったら次に心配するなら、街や帝都が竜に襲われてないかだと思ったので両方無事ですよ。と先にお答えしました。‥‥ここからは私の主観ですが、街も帝都も無事だと知って僅かに安心したように私は感じました。なので、成仏できそうですか?と伺いました。すると、僅かに頷いた様に見えたので、再び浄化魔法を使ってそのリッチも浄化しました。」


「そうか‥‥」


「そして遺品を全て回収して、他にアンデッドが残ってないかを確認した後、無事に城に戻りました。その後、陛下による答え合わせと説明を受けました。」


「答え合わせ?」


「はい。先程、依頼を受けた時は森にアンデッドの集団がいるということしか聞いてないと申し上げましたよね?それの答え合わせです。まず、そのアンデッド達は生前どんな人達だったのか。何故集団でアンデッドになるようなことになったのか。です。」


「それで、マリンは分かったのか?」


「はい。まず、アンデッドの装備を見て兵士の物ではなかったので、冒険者の物だと分かりました。つまりアンデッド集団の生前は冒険者の方々です。次に何故集団でアンデッドになるようなことになったのかですが、これもすぐに分かりました。冒険者が集団で動くのは限られた場合のみ。その一つである大規模討伐だろうと。そしてアンデッドになるまで放置せざるを得なかった理由が竜だったと。全て正解でした。」


『‥‥‥』


「陛下がこの時教えてくれたことは、後に再び話して下さったことと重複することもありますので一旦省きますね。そして別の日にベネトさんの提案で確認の為、元帥様もいる浄化した森に行ってみようということになりまして。当初は私、レグルス、ベネトさん、シリウス、リゲルの5人で行こうとしたんですが、陛下も冒険者達の最後の地を見ておきたいということでしたので一緒に行ったんです。‥‥‥後で思いました。一緒に連れて行って正解だったと。」


「何かあったのか?」


これからレウス伯父様の話。

頼まれたし、しっかり伝えないとな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ