105話 一応午前中ですよ?
そして、朝食後。
私、レグルス、シリウス、リゲルはレグルスの部屋に集まっていた。
ちなみにベネトさんはというと。
「俺は本来殿下の護衛だが、城の中だしマリンが一緒にいるから大丈夫だろ?ちょっと散歩してくるわ!」
と言って去っていったのである。
そして、今の私はというと‥‥リゲルに捕まってます。
宣言通り、朝食前にシリウスにされたことをリゲルも実行してきました。‥‥‥口付けまで。
まだ抱きしめられてます。
‥‥‥‥そろそろ離してくれないかな‥‥
「あの‥‥リゲル。」
「なんだ?」
「そろそろ離さない?」
「え~‥‥」
「名残惜しいだろ?」
「ああ‥‥名残惜しい‥‥」
「「分かる。」」
「ちょっと3人共。変なところで共感しなくていいから。」
「「「え~。」」」
「ほう‥‥?」
「ごめんなさい。離します。」
ようやく離してくれた‥‥
「よろしい。‥‥さて、みんな明日帰る準備できたの?」
「「「ああ。」」」
「じゃあ明日何時に帰るかな‥‥父様達が屋敷にいつ着くかだね。」
「そうだな。‥‥去年はどうだったんだ?」
「えっと‥‥行きはゆっくりだったけど、帰りは行きより1日短縮したぐらい早く帰ったね。」
「何かあったのか?」
「何もないよ?多分屋敷にお留守番の母様達が心配だっただけじゃない?」
「なるほどな。じゃあ明日も昼食まで食べてからここに集合して帰るか?」
「それでいいんじゃないか?」
「ああ。」
「うん。私もそれでいいよ。」
「あっさり決まったな。」
「またやることが無くなったね。」
コンコン
「誰だろ?」
「陛下だよ。レグルス。」
「え?父上?‥‥ど、どうぞ!」
ガチャ
「正解だ。さすがだな。マリン。」
「でしょう?‥‥それで、どうされたんですか?」
「お前達、午後から慰霊碑に行くんだろ?」
「はい。そうですね。」
「俺も行くから。」
「え?陛下もですか?‥‥‥出ていいんですか?」
「ああ。元帥のベリトが不在の間は将軍が代わりをしてるんだがな、その将軍がマリンが一緒なのを条件に許可した。」
「将軍が?‥‥‥‥なんでしょうね、私に対する帝国の人達からのこの異様な信頼感。」
「そりゃ実力を存分に見せたんだ。当然だろ。」
「私、王国の人間なんですけど‥‥?」
「「今は」だろ?レグルスの嫁に来れば帝国の人間だぞ?」
「え!?ち、父上!?」
「なんだ?レグルスもそのつもりなんだろ?期待してるからな。レグルスの嫁がマリンなら大歓迎だからな。」
「‥‥‥‥と、とりあえず話戻しましょうか!私が一緒なだけが条件だったんですか?」
「いや。目立つから全員馬車に乗って移動しろってさ。」
「でしょうね。」
「歩いて行く方が楽しいと思うんだがな‥‥」
「その意見には同意はしますが賛同は出来ませんね。」
「なんでだ?」
「将軍が仰ってたんでしょう?目立つからですよ。特に帝国では陛下、レグルス、ベネトさん。王国でもシリウス達。みんな王家の人達なんですよ?たまに私も忘れてますが、本来国民からしたらなかなか会えない類いの人達なんですよ?注目を集めるに決まってるじゃないですか。」
「そういうもんか?」
この場の全員きょとん顔。
「はぁ‥‥何この自覚のない人達‥‥。はっ!まさか父様と伯父様の時から‥‥?」
「ん?確かに昔、ラルクとレウスが今のマリンみたいな反応してたな。」
「はぁ‥‥父様。お空の伯父様‥‥私、今同じ苦労を抱えてますよ‥‥」
「えっと‥‥‥なんかすまん。」
コンコン
「‥‥今度はベネトさん。」
「そ、そうか。‥‥どうぞ!」
ガチャ
「正解だ。さすがマリン‥‥ってどうした?」
「今父様と伯父様がかつて抱いたであろう苦労を感じてるだけです。」
「は?‥‥と!陛下もいらしたんですね。ちょうど良かったです。」
「ん?なんだ?」
「昼食の用意ができたそうですよ。」
「お、そうか。ありがとな。みんな行くぞ。」
「「「「はい。」」」」「はい‥‥」
そして、昼食後。慰霊碑に向けて出発です。