暴食
コロナで世の中が大変ですが、希望を捨てずに頑張りましょう!
「とりあえずスキルを試してみようかな…」スキルを試す。だがどのスキルを最初に使うべきなのか。「少なくともリミットブレイクは最後にしよう…」流石にいきなりリミットブレイクを使うほどの勇気は僕には無かった。「とりあえず一番レベルが低い剣術スキルを試してみるか…」そう言って僕は周りを見渡す。当然剣が落ちているはずもなかったが、透明な木の枝が落ちていた。「これ触っても大丈夫だよね…?」恐る恐る指先で触れてみる。
「スベスベしてるな…」まるでガラスのような触り心地で、どう考えても木の枝の触り心地ではなかったが、とりあえず触れても体に問題はないようだった。
「まずは振ってみるか。ふんっ…!」勢い良く棒を振り下ろす。だが振り下ろす速度はとても速いと言えるものではなかった。「おかしいな…今度は透明な木に当ててみるか。」
今度は透明な木に向かって振り下ろす。————————————キィンッ――――――――
金属同士がぶつかり合うような音が鳴り響く―――――が、特に速度が変わることは無かった。「やっぱりスキルのレベルが0だから使えないのか…?」なんとなくそんな気はしていたが、少し残念な気持ちになる。「仕方ない。剣術は諦めよう…次は…」
と、その時、森の中からおかしな音が聞こえることに気がつく。
「ピシッパキパキッ!!ピキピキッ!」まるで何かが割れているような音。しかも、自分がいる場所からそう遠くない場所から聞こえる。もしかしたら誰かいるのかも知れない。
「誰かいるんですか…?」僕は音の方に向かって歩く。少しずつ、だが確実に音が近くなっていく。「誰か…」いた。だがそれは人間ではなかった。「バッタ…?」そう、バッタだった。しかし、それはどう見てもただのバッタではないことは明らかだった。なぜなら、そのバッタは透明な木に噛り付いていたのだ。自分が先程思い切り叩き付けたのに傷一つ付かなかった木に。更に、大きさも異常だった。自分の腰と同じ高さ程の大きさだった。
「これはヤバい気がするな…」少しずつ後ろに下がっていく。まだバレていない今なら何とか逃げられるかもしれない。だが、そんな小さな希望は打ち砕かれる。
―——————————目が合った―――――――そんな気がした。その次の瞬間、そのバッタは目の前にいた。「———ッ!」反射的に避ける。ほっとしたが、バッタの方を見て背筋が凍る。
バッタは透明な木にめり込んでいた。どれだけの威力で突っ込めばそうなるのか、そしてあれがもし自分に当たっていればどうなっていたか。そう思った瞬間に、僕は走り出していた。
「ぐっ…」息がうまくできない。恐らく自分はあまり走ったことが無いのだろう。
それでも走る。走り続ける。だがなかなか森を抜け出せない。だがそれでも走り続けた。
「さすがにここまで来れれば…!」何とかなったと思った。だが、あのバッタからは逃げられていなかった。—————————ドンッメキメキッ——————————————————
「嘘だろ…」
明日も投稿します。