覚醒
初めて小説を書いたので上手く書けているか分かりませんが、どうぞ宜しくお願い致します。
―-ピピピピッ!ピピピピッ!―
音が聞こえる。微かに、でも確実に。
暗いというよりは完全なる無の世界。自分という存在すらも薄い。そんな世界がヒビ割れる。
ずっとこの世界にいたい、そんな衝動が自分の中に沸き起こる。
―-ピピピピッ!ピピピピッ!―
音が聞こえる。今度はより確実に。そして何も無い世界がヒビ割れていく。
「仕方ない。そろそろ起きるか…」
僕はベッドから身を起こす。体が重く感じる。いや、これは気持ちの問題か。
憂鬱な気分になりながらも立ち上がり、カーテンを開ける。そこにはいつものように太陽がある―――――――――――――――――――――————————————————————————はずだった。
目の前の窓の奥には何もなかった。比喩表現でもなんでもなく、本当に何もなかったのだ。
「いったい何がどうなってるんだ…?」
目の前に広がる景色に脳内の処理が追いつかない。目の前の景色が分からない。
「とりあえず窓を開けて…いや、違う。とりあえず今は…!」
ドアの方に向かって走る。そう言おうとした瞬間、窓が開いた。
「なっ…!!」何か言葉を口にする前に窓に引きずり込まれる。
もちろん僕は抵抗しようとする。だが、引っ張る力は抵抗する暇すら与えなかった。
「ここは…!」
何も無い、本当に何も無い空間。自分という存在すら無くなってしまう。そんな予感がする。
「消えるのは嫌だ…!」僕は最後の抵抗を試みる。それは目を閉じる、ということだった。
もちろん何かこれで変わることを期待しての行動では無かった。
――ドサッ――
何かに着地、というよりは何かに落ちたというべきか。そんな感覚があった。
僕は恐る恐る目を開ける。元の家に戻ってきたのか?もしくはまた何も無い空間が目の前に広がっているのではないか、そんな風に考えながらも目を開ける。
だが、目の前に広がる景色は僕の想像を超えていた…