表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
New Age  作者: 焼きうどん
6/23

6

■ 改版履歴

□ 2018/06/15

1. ステータスからRES及びLUCを削除

2. 最大HPを24から27に変更

3. 最大MPを22から23に変更

 さて街に戻ってきました。


 とりあえず、この毛皮をどうにかするか。皮革スキルでもあれば加工できるんだろうか。わからんな。

 そもそも、今の所は皮革スキルを取得するつもりは無いし、売っぱらうか。となると、ドコで売ればいいかだが。ファンタジー的に考えれば冒険者ギルドかな。ダメだったらギルドで聞こう。よしいくぞ。混んでたらどうしよう。その時はその時だな。為せば成る。


 空いているとは言い難い程度の混み具合だったが、妥協できる範囲と思い受付の列にならぶ事にした。

 あー、早く進まないかな。暇だし魔力操作の練習しとこ。みぞおち、右掌、みぞおち、左掌、みぞおち、右足、みぞおち、左足。まえよりスムーズに動かせてる気が? カタツムリ速度がイモムシ速度になった気がする。

 お、そんな事をしてたら俺の番だ。なんだかホンワカした雰囲気の受付嬢だ、眼福です。そう言えば、女性NPCはみんな可愛いな。クリエイターの趣味か?

 リアルで美人さんや美少女と話す機会なんかないから、感謝しかないです。ありがたや、ありがたや。


 これ買い取って欲しいんですけど。え、買い取りは行っていないんですか。じゃあ、どうすれば? 街の商会を利用しろですか、ちなみにどこで売れますかね? 個別の商会への利益供与となる恐れが有るため回答できないと、ほう。


 がっくりだわ。これは、また露天で飯食いながら情報収取かな。


 え、他に要件ですか。うーん、あ、クエストって受けれます? ギルド員じゃないとダメ、と。登録は無料ですか。なるほど。んじゃ、そのギルド員の登録をお願います。うっす、うっす。

 最初はFランクから始まって、クエストをこなすとランクが上がっていくと。クエストにもランクがあって、自分のランクと同じクエストしか受けれないと。なるほど、よくあるテンプレってヤツですねわかります。ああ、いえなんでも無いです。

 パーソナルカードよこせ? なんすかそれ。

 またか、言いたげな顔で、トランプ大の半透明なカードをどこからともなく取り出した受付嬢。プレイヤーに何度も同じ事言われたんですかね。すみませんねぇ。

 ところでいまどこから出しました? マジック? 手品? あ、もしかして魔法? 違いますか。

 だせと言われましても、ねぇ。ポーチにそんなのありませんでしたし。

 思考操作で出せたりするのでしょうかね。まあ、とりあえずやってみるか。


 我が呼び声に応え、その姿を現世(うつしよ)に表わせ! いでよ、パーソナルカード!


 はいでたー! さっき受付嬢がだしたカードとは色が違うな。性差か? それともNPCとプレイヤーの違いだろうか。

 どれどれ、カードには名前しか書いてませんな。もちろん帝国語です。


 とりあえず出したカードをカウンターの上に乗せると、受付嬢が手をかざした。お、光った。


```

【NOTICE】

・ 冒険者ギルドに加入しました

```


 え、登録終わりですか? あっさりしてますね。

 お、カードに『冒険者ギルド:ランクF』の記載が増えてる。すごい。


 登録は終わったわけですが、ちなみに今受注できるクエストってなにあります?


```

・ 【納入】ホーンラビットの肉 x 5

・ 【納入】薬草 x 10

・ 【納入】レッサーウルフの毛皮 x 1

```


 おんやぁ? レッサーウルフでございますか。 もしや?

 このクエストってもしかして、もしかします? そうですか、もしかしますか!

 じゃあ受けます! そして納品です!

 ありがとう、ござしましたー!


 ちなみに報酬は500Gでした。あの激戦を考えると安いような。

 なにはともあれ、初収入だ。やったぜ。




 ◆




 ただいまの時間はっと。もうすぐ午後7時か。なーにすっかなーっと。

 あ、居酒屋みたいなところは無いのかな。噂あつめでもするか、義賊っぽいし。噂あつめと言えば酒場だ。

 ここは、仕事帰りらしきオッサンに聞くのが一番だな。


 へいへい、そこいくヒゲが素敵なお兄さん! そうそう、お兄さんの事だよ! おいおい、そんなに睨まないでくれよ、チビッちまう。

 ちょいと聞きたい事があってな! 美味い酒を出す飲み屋を教えてくれないか、お礼に1杯おごるぜ!


 ………

 ……

 …


 案内された店は、なかなか面白い店だった。着席するなり、すぐに木製のジョッキでお出迎え。頼んで無いんだけど、って思ったが、ヒゲおやじことロプスによると、この店では酒のメニューは1種類しかないらしい。

 昔はそれなりに品数があったらしいが、店主がめんどくさくなったそうだ。それでいいのか。

 俺のリクエストは美味い酒なんだが。飲んでから考えればいいか。


 よっしゃ、なにはともあれ、かんぱーい!

 あ、ウェイトレスのオネエチャン、ロプスが飲んでるコレは俺につけといてくれ!


 どれどれ、酒のお味はっと。ぐいっとな。


 ごっふぁ!? おいおい、度数つよくねぇか!? 10%以下ではないだろ!

 しらん、ってなんだよ。え、うまくて酔えればそれでいい?


 なるほど、至言である。


 強くてビックリしたが、たしかに美味いわ。動いた後の酒は暴力的に体に染み渡る。生きててよかった。

 度数は高いが不思議とグイグイ飲める。うまい。


 おい、ロプスさんよ、ツマミはなにがオススメなんだ? まずは、腸詰めと塩もみサラダ?

 おっしゃ、オネエチャン! 腸詰めと塩もみサラダくれ!

 あと、酒をもう1杯、ん? ロプスもか? 2杯だ!


 塩もみサラダを食って、酒を飲んで、腸詰め食って、酒を飲んで。

 あかん、止まらんぞ!


 ………

 ……

 …


 のんだぞー! 俺は自由だー!

 どうした、ロプス、いや兄弟? さっきの店の代金を払うって? なあに、きにすんな! 美味い酒を教えてくれた礼だ!

 ああん? 兄弟って何かだって? 一緒に飲み明かせばもう兄弟分だろう! 俺が弟で、ロプスが兄貴な!

 そんな事より、この後はドコで飲み直すんだ? だまって付いてこいって? オーケー、オーケー、おいらついて行っちゃうぞ!

 とことんまで飲むぞ、なあ兄弟!


 そうだ、歩いている間に酔いが覚めるといけないと思って、さっきの店から酒瓶もらってきたぜ!

 おいおい、金なんて言いこなしだ、のもうぜ、兄弟!


 ん、ここが目的地か? 飾り気のない石造りの建物だけど、めっちゃでかい、わらう。ここで飲むの? ホントに? 入ったら捕まったりしない?

 気にすんなって? 兄弟がそう言うならな、おっしゃ、気にしないわ!

 のむぞー!


 ロプス、ずいぶん寛いでいるじゃないか、まるでココの主みたいだな、まじわらう。酒はまだかー!

 高い酒と安い酒どっちがいいって? どうしたんだ、兄弟。俺を見くびってもらっちゃ困るぜ。

 お上品な酒なんて、今はお呼びじゃない! 俺が求めているのは、下品で粗野な酒だ!

 そうだろう兄弟! のむぞーー!


 ………

 ……

 …


 知らない、天井だ。

 本日二回目。


 あー、昨日はたしかロプスと、酒場で飲んで、その後に屋敷みたいな所で更に浴びるように酒のんで。

 あかん、記憶が途中から飛んでるわ。ロプスの娼館品評を聞いて、ゲラゲラ笑ってた記憶がある。その後は、うーん。

 そういえば、今何時だ、朝の6時、現実だと15時か。最後に記憶があるのは、たしか現実時間で13時だったような。うーん、飛んだ2時間はどういう扱いになってるんだろう。


 で、ここドコだ。四畳半くらいの部屋。まあそれなりのベッド。酔って宿屋にでも入ったか?

 あ、宿代とかあるよな? 所持金はっと、1000Gちょっとか。わぁお。あれまー? 冒険者ギルド出た時は1万超えていたはずなのに、あわわー?


 これだから、アルコールはっ!!

 

 念のために、ポーチの中身を確認しておこう。


```

【ITEM】

・ 初心者ポーション x 1

・ 空き瓶 x 4

・ 解体ナイフ

・ ミジンコでもできる錬金術

・ ノート

・ ペンセット

```


 なんで、ポーション減ってんだよっ! 飲んだの!? 酔っ払って飲んだのか!?


「おう、起きたか、リュウ」


 ん、この声はロプスか?

 よお、ぐっどもーにーん! ところで、ここは一体どーこ!


「昨日は、お前が酔って寝ちまったからな。空いてる部屋に放り込んだんだよ」


 そいつは、迷惑かけたな。かたじけない。という事はココはロプスのハウスか。あの屋敷からは移動したのかな?


「んな事は後ででいいだろう。とりあえず、飯だ。食えるだろ?」


 二日酔いってわけでもないしな、よろこんで。あ、でも出来るなら軽めのモノでお願いします。


「よし、ついてこい」


 ………

 ……

 …


 現場のリュウです。現在戦場の只中におります。

 筋骨隆々のオヤジの群れがひしめき合い、競うように食い物を胃に詰め込んでおります。

 ロプスに部屋から連れ出された俺は、長い廊下を歩き食堂と思われる場所に来ていた。

 でかいテーブルが3つあり、それぞれのテーブルには山盛りの食料。

 はて、ここはロプスのハウスじゃないのか?


 入り口で呆けていると、ドンっと背中を叩かれた。なんだよ兄弟、ちょっとは気持ちを整理する時間くれよ。


 空いてる席に座って適当に食えって? お、おう。見てるだけでお腹いっぱいなんだが。

 まあ、満腹値も30%だし、お言葉に甘えて回復させてもらうか。

 あ、とりあえずサラダで。朝からその分厚いステーキはちょっとご遠慮いたしたく。

 では、いただきます。


 ………

 ……

 …


 ごちそうさまでした。

 サラダ、スープ、サンドイッチを平らげ満腹値は100%です。美味しゅうございました。

 食事で現実逃避したが、ここは一体どこだ。

 なあ、兄弟、そろそろ教えてくれよ。


「ったく、細かい事が気になるんだ。んじゃ、改めて自己紹介するか。鍛冶工房(くろがね)の三代目工房長ロプスだ。よろしくな。ここはうちの工房だ、まあ俺たち全員の家だな」


 ロプスはそういって、ギラつくような笑みを浮かべた。


 やーん、なんかすごそー! だが、どの程度すごいのかはまったく分からんので、反応ができない。


「まあ、異人に言ってもしかたねぇな」


 ん? なんで異人ってわかるん? NPCとプレイヤーを識別する方法でもあるんかね。

 初対面で言われたのは、クソ神父、錬金術ギルドの受付嬢、そしてロプス。アンナさんは最初は分からなかったよな、たしか。


「錬金術ギルドの? そいつはたぶんミネバだな。聞いた話で悪いんだが、魔力の質が違うらしいぞ。ミネバもあんななりだが高位の錬金術師で、熟練の魔法使いだからな。それに、エドガーの旦那だろ? あの人ならさくっと分かるだろうさ。たいていの事なら、まあ旦那だしで理解できる」


 クソ神父が謎の高評価。やつは一体何者。


「んだ、なんにも聞いてないのか? はあ、あの人らしいっちゃ、らしいが。まあ、とりあえず凄い人だって覚えとけ。詳しくはいつか分かるんじゃないか」


 クソ神父が重要NPC疑惑とか、マジ勘弁。あのドS神父が、凄い人だと? どんな冗談だよ。マジ勘弁。


「とりあえず、その話はいい。なんで俺がリュウを異人だと思ったか、だったな。俺を知らないヤツなんてこの街にはまずいない。(くろがね)のロプスって聞いて、間抜け面のままなのは子供か異人だけだ」


 おいおい、兄弟、まさかの有名人?


「武器に困ったら顔出せ。ほかにも相談事があれば聞いてやるぞ、解決できるかはまた別だがな」


 相談事ねぇ。あ、刀剣スキルのレベルあげたいんだけど、どうにかならん?


「剣術の指導がほしいって事か? お前は旦那と知り合いなんだろ? 旦那からの指導はまず無理だろうが、せっかくだし旦那に紹介をたのんでみたらどうだ」


 いやー、あのクソ神父をぶちのめすためにスキル上げたいわけで、それをクソ神父に頼るのはちょっと。

 本末転倒というか、気に食わないというか、腸煮えくり返るといいますか。


「はあ? 旦那を? おいおい、正気か? この街はもとより、周辺の国であの旦那より強い人なんぞおらんぞ。お前、まさか、死ぬ気か?」


 おいおいクソ神父、どんだけだよ。なんだよ周辺諸国最強って。初期街にいていいNPCじゃねぇだろうが。

 教会所属で最強戦士って、勇者かなんかの? あの外道が? ないな。それはない。堕ちた勇者とかならありそうだが。


「何をしたらあの旦那に挑むような話になるんだよ」


 何って特に…。鼻の下を伸ばしながらアンナさんとお話した位だっての。やましい気持ちはてんこ盛り満載だったけど、なにもしとらんわ。


「かーーー、よりにもよって、アンナの嬢ちゃんに…。嬢ちゃんはな、旦那にとって子供、いや孫同然の存在、ようは旦那の逆鱗だ。あの嬢ちゃんの為なら旦那は何だってするだろうさ。それこそ国落としだろうが、古龍討伐だろうが、だ。実際あの旦那ならその程度造作もないだろうさ。しかし、お前もよく死ななかったな。ああ、いや異人は生き返るんだっけか? 何回死んだ?」


 いや、死んでませんけど。そもそもデスペナはまだ貰ったことないです。

 古龍ってなんやねん。俺は、ドラゴンスレイヤーに挑むのかよ。くっそ。クエストやめるか? いやしかし、キャンセル時に一部NPCの好感度が最低値になるんでしょ。クソ神父の身内にアンナさんが居る事を考えると、その一部NPCにアンナさんが含まれている可能性は捨てきれない。というか、多分にある。


「ったく、はあ。どこまでスキルあげたいんだ? あ? 10? 10!? 10っつったかお前!? 10ったら、中級者レベルじゃねぇか、うちの工房なら仕事を一人で任せる水準だぞ。ああ、もうしかたねぇな。ちょっとまってろ」


 ロプスはそう言うと、サラサラと手紙を書き、封蝋をした。


「ほれ、コレ持って北門に行って来い。まだこの時間なら騎士団の調練に間に合うだろう。そこで鍛えてもらってこい。レベルが上がるかは、お前次第だがな。まあ、気張れや」


```

【NOTICE】

・ 『ロプスの手紙』を入手しました

```


 あざっす、兄弟。この借りは必ず返す。


「ああ、そうだリュウ、カードだせ」


 ん? カードってパーソナルカードの事だろうか。ギルド員登録ってわけでもなかろうに、なんで?

 まあ、兄貴が言うことだ素直に出しておくか。

 

 んで、出したけどどうすれば? お互いのカードを触れ合わせるの? なんの為に? いいからやれってか。わかりました。

 それじゃ、ごっつんこ、っと。


```

【NOTICE】

・ ロプスとフレンドになりました。

```


 はー、こうやってフレンド登録するのか。なるほどな。

 祝初フレンド!


 今後とも宜しくお願いしますぞ、兄貴。



 あ、ちなみにロプスのカードは、受付嬢とも俺とも違う色でした。深まる謎。

2日目 06:30 (6/1 15:08)

```

【EQUIPMENT】

LV: 2


HP: 27

MP: 23

ST: 20


STR: 11

VIT: 12

INT: 11

MND: 10

DEX: 10

AGI: 11


スキル (SP: 12)

・ 刀剣 (Lv: 2)

・ 不屈 (Lv: 3)

・ 帝国語 (Lv: 3)

・ 魔力操作 (Lv: 0)

・ 光魔法 (Lv: 0)

・ 忍び足 (Lv: 0)

・ 身体操作 (Lv: 0)


装備

・ 粗末なショートソード (ATK: 5)

・ 粗末な布の服 (DEF: 0)

・ 粗末なアイテムポーチ


所持金: 1,120

```

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ