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New Age  作者: 焼きうどん
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 レトルトカレーにチルドハンバーグ載せ、美味しゅうございました。今どきのチルドハンバーグは美味いな。


 ええっと、時間は11時50分か、とりあえずは満腹値を回復させないとだな。あとは、霊廟に行く為の準備をしないと。何がいるだろうか? 手持ちのポーションの数は2つだが、心もとないか? 今日は様子見くらいのつもりだからこのままでいいな、手持ちが切れたらその時点で撤退だな。ええっと、他にはなにがあればいいんだ? 霊廟内で満腹値が減ったら困るから、携帯食料か。ぱっと思いつくのは干し肉とか乾パンなんかだが、売ってるだろうか? 屋台で飯を食べる時に店員に聞いてみるか。

 さて、今日は何を食べようかな。お、あの屋台はなんだろう。ふむ、肉まんみたいに見えるな。あそこにするか。




 ◆




 さて、ギルドに着いた。霊廟へ向かう準備だが、屋台の店主に紹介してもらった店で、乾パンと木製のカップを購入した。カップを購入したのは、乾パンだけだとなんだか喉に詰まりそうな気がしたからだ。水は魔法で出せばいいからな。まあ、ゲームで喉につまるなんて事は無いのだろうが、気分的な問題だ。合計650G。

 投げナイフの補充はどうするか考えたが、とりあえずは次回に回す事にした。時間が微妙だったからな。

 今の時間は12時45分。すこし早い気もするが待ってるくらいでちょうど良いだろう、と思って来たのだがどうやらアークさんは既に待っていたようだ。銀髪は目立つな、ギルドに入った瞬間に気づいたぞ。待たせてしまったかな?

 それにしても、なんだかギルドの雰囲気がおかしいな。四つ這いにり咽び泣く男がチラホラといる。不気味だが、何事だこれは。レアMOBでも出て狩りそこねたか? 指をさして笑ってやればいいんだろうか。ゲラゲラ、ざまぁ。


 ちーっス、アークさん。元気してるー?


「あ、リュウさん、こんにちは。もう準備はお済みですか? そうですね、ポーションと食料があれば大丈夫だと思います」


 お、ならバッチリでございます。で、お隣のパツキン美女がパーティーメンバーってやつですか? なんだよこの野郎勝ち組かよ。


「ええ、パーティーの一員です。紹介します、彼女はイザベラ。イザベラ、こちらの方が同行するリュウさんです」


「イザベラだ、よろしく頼む」


 どもども、只今ご紹介にあずかりましたリュウでございます。本日はお日柄もよく絶好の墓参り日和でございますね。よろしくおねがいします。


「アークから同行する冒険者がいるとは聞いていたが、君だったのか」


 うん? こんな御美人さんと面識なんて無かったはずだが。会話した事がある女性なんて、冒険者ギルドのツンケン受付嬢とぽややん受付嬢、錬金術師ギルドの受付嬢、そして女神アンナ様だけだったと思うんだが。あ、後は錬金術師殿が推定女性だったかな。だが、背格好がぜんぜん違う。あとは屋台で買い食いした際のオバちゃん店員ズだが、彼女たちの誰かがオバサン化の呪いにでも掛かっていたのだろうか。


「あれ、イザベラはリュウさんの事を知っているの?」


「ああ、顔を知っているくらいで名前は今紹介されて知ったがな。他の異人はラビットやウルフを狩るのに精を出しているのに、薬草を袋一杯もってくる異人が居るものだから、妙なヤツがいるなと気になっていたんだ」


 あー、悪目立ちしてたのか、なんか恥ずかしいな。だが、これからはルナリム草ちゃんを納品する毎日になる予定だ。うん、見た目は変わらんな。

 で、もう移動しますの?


「いえ、もうひとりメンバーが居るので、少々お待ちください、っと言ってる所で来たようですね」


「よーっす! おっと、俺様が最後かい? 待たせてしまってスマンね!」


 なんか凄いのが来たぞ。黒いレザーパンツに黒いロングコート、そして頭には黒いつば広ハット。ロングコートの前は開け放たれていて、隆起した胸筋とバキッという効果音が似合う程綺麗に割れた腹筋が丸出しだ。見せつけるように露出された胴体にはタトゥーが所狭しと彫られており、全ての指にギラギラとした指輪、首には鎖を加工したようなネックレス、そしてコートの袖からはチラリと金属製のブレスレットが覗いている。

 なんだこいつ。いや、このゲーム世界の感覚だとオシャレとか普通な部類なのかもしれんぞ。もしコレがアリな価値観だとしたら、店売り装備なんかが悲惨な事になりそうだが、どうなんだ。


 ちらっとアークさんに視線を流すと、おやおや頭を抱えていらっしゃる。イザベラ嬢は他人の振りだろうかソッポを向いてしまったぞ。この流れで他人の振りは無理だと思うんだが、押し通す気か?

 とりあえず、この人物の格好がゲテモノの類なのは現実と相違ないようだ。安心した。世界の平和は守られた。


「エリオット、お前ってヤツは。頼むから、せめて町中ではもう少しマシな格好をしてくれないか。頼むから」


「オイオイ、何言っちゃってくれてんのよ。コレが、俺様の、勝負服だ、ぜ!」


 くるくる回った後に決めポーズ。ふわりとコートの裾が広がり、キラーンと輝く白い歯。うわぁ、やべぇやつだ。


「いや、それは分かるんだけど、確かにそうなんだろうけど、そうじゃ無くてだな」


 深々とため息をつくアークさん、お疲れですね。


「ええっと、リュウさん、彼はエリオットです。こんなヤツですが、戦闘では頼りになる魔法使いなんです。戦闘では、ですが」


 お、おう。戦闘以外ではアレなのね、うん何となくだけど分かるよ。


「よっろしくー!」


 あ、はい、よろしくおねがいします。




 ◆




 只今、馬車にて草原を突き進み、霊廟へと移動中です。馬車での移動だと聞いて、盗賊退治のようにケツへのDoTダメージを覚悟していたが、杞憂に終わった。なにしろ車輪がなく、荷台が空中に浮いているんだ。滑るように進む、ではなく滑って進んでいる。ビックリだぜ。


 浮いているってだけで摩訶不思議アイテムなのだが、そのお披露目から俺の予想の向こう側を全力疾走していた。なにせ立体パズルサイズの箱が、ガシャガシャと音を立てながらワンボックスカーサイズの馬車に変形したんだ。

 南門を抜けた所でイザベラさんが小さな箱を地面に叩きつけるという凶行に及んだのを見て、ああストレスでも溜まってるのかな、大変だな、なんてノホホンと見つめていた俺は、まさかの超変形に度肝を抜かれてしまった。

 地面に叩きつけられた箱がワンボックスカーに変形するなんて誰が思おうか。誰も思うまい、少なくとも俺は思わなかった。


 まあ、箱がワンボックスカーになるのは1000歩譲ってマンボ踊って、ついでにタンゴも踊れば、必死に折りたたんでいたのかなと思い込むことで、納得はできないがなんとか飲み込める。

 だが、馬車に繋がれている、馬らしき物の存在は解せない。首はなく、胴体も背中側が綺麗さっぱりと消え失せており、腹と四本の足しかない、馬の下半分としか呼びようがない物だ。どっから出てきた。そもそも、ちょっとキモい。


 まあ、そんな訳で移動中である。御者はアークさんが買って出てくれて、御者台にはアークさんとイザベラさんが並んでいる。完全に勝ち組の姿だ、ちくしょう。

 そうなると俺はエリオットと会話をする事になる訳だが、話してみると気のいいアンちゃんだった。あっという間に打ち解けて、今や呼び捨て敬語なしで話す程だ。下世話な話で盛り上がったぜ。ところで、月の蝶って娼館がすげぇ良いらしい、実地調査まったなしだな。


「なあ、魔法について聞いてもいいか?」


 魔法使いの知り合いは初めてだからな、許されるなら少しは話を聞きたい。


「はっはー! 俺様は大天才だからな! なんでも聞いてくれていいぜ!」


 おっと、それは助かるぜ。ありがとうなマイフレンド!


「それなら遠慮しないぜ? この前、走りながら魔法を使おうとしたら、うまく魔力操作が出来なかったんだが走りながら魔法って使えないもんかね? もし出来るならば戦術の幅が広がって、いいかなって思うんだけど」


「もちろん、出来るぜー! ま、俺様レベルになればお茶の子さいさいってもんよ。ひとまずは魔力操作のレベルを10まであげるんだな」


 お、けっこう近いな。あのクソ神父に裁きの鉄槌を叩き込む為には、ぜひ使えるようになっておきたいな。くくく、目に物見せてやるぞ、首を洗って待っていやがれ。

 後は、そうだな。魔力糸の使用用途か?


 とりあえず魔力糸をひょろと伸ばして、っと。


「魔力を糸状に伸ばすコレってなんか使い道ないかな、色々と探ってはいるんだけど、なかなか有効活用の方法が分からなくてな」


「お、魔力糸か。あるぜあるぜ、もちろんあるぜ! よお、アーク! 魔法使っていいか! 使うのはシャドウボールだ! おっしゃあんがとな! いいかリュウ、見てろよ? これが普通に魔法を使った時だ。ほいっと、『シャドウボール』」


 これ、魔力糸って言うので合ってるのね。まあ、まんまだしな。

 エリオットが荷台の後方から身を乗り出し、魔法を放った。黒いモヤのような物がヒュンと真直ぐ飛んでいく。


「で、次が魔力糸を使って場合だ。『シャドウボール』っと」


 エリオットの腕から螺旋を描くように魔力糸が伸び、エリオットが呪文を唱えると魔力糸をレールとするかのように黒いモヤが飛んでいった。あっれー? おかしいな、俺が使った時にはあんな風にならなかったんだが、バグか?


「な?」


 あらやだ、すごいドヤ顔。


「ちょっとまってくれ、俺が魔法使ったときはそんな風にはならなかったぞ? 『ライト』」


 俺は指先から魔力糸を30cm程伸ばし、魔法を使ってみせた。もちろん光は指先に灯るのみで、魔力糸を伝っていったりはしない。ほらな。


「そりゃ、ライトは光球を出す魔法だからな。打ち出すような魔法じゃないと意味がないさ」


 あー、そっち。魔法の種類が悪いって事か。となると新しい魔法を覚えるまでは無用の長物って事だな残念。


「うーん、そこまで魔力操作できるのに、入門の魔法だけじゃ勿体無いな。よーし、俺様が特別に簡単な魔法を教えてやろう! 感謝しろよ?」


 え、うっそマジで。やだ、エリオットさんイケメン! ひゅー!


「あざーっす!」


「師匠って呼んでくれていいぜ?」


 ばちこーんとウィンク、やっぱりちょっと鬱陶しいな。




 ◆




```

【CONGRATULATIONS】

・ 光魔法 のレベルが上昇しました! (Lv: 0 => Lv: 1)

・ 光魔法 のレベルが上昇しました! (Lv: 1 => Lv: 2)

・ 光魔法 のレベルが上昇しました! (Lv: 2 => Lv: 3)

・ 火魔法 のレベルが上昇しました! (Lv: 0 => Lv: 1)

・ 火魔法 のレベルが上昇しました! (Lv: 1 => Lv: 2)

・ 火魔法 のレベルが上昇しました! (Lv: 2 => Lv: 3)

```


 道中、エリオット師匠から光魔法と火魔法のレクチャー受けた結果が、スキルレベルの爆上げである。口元がニヤけるのを止められないぞ。エリオット・イズ・ゴッド。エリオットさんかっけー!

 光魔法はライトボールという光球を飛ばす魔法と、シャインという強烈な光を放つ魔法、火魔法ではファイアボールという火球を飛ばす魔法を覚える事ができた。ライトボール自体にはダメージを当たる効果は無いそうだが、相手をひるませる事ができるそうだ。ただ魔物にはひるませ効果は期待できない無いとの事で、ダメージが欲しいならファイアボールを使えという話だった。


 さて私は今、クレーターのように抉れた場所の中央にある古代ギリシャ風神殿の前におります。おそらくこの神殿が目的地の地下霊廟なんだろう。ところどころに禍々しいレリーフが飾り付けられている。とっても魔王感があって素敵ですね。中に下り階段でもあるのかな。

 神殿の周りには、コンビニくらいの建物が1つと5個程のテントが立っていた。騎士団とかからの監視要員かな、なんたって魔王様がいらっしゃる霊廟だからな。放置はするまい。


 そう言えば、この霊廟には魔王が封印されてるって事だが、魔物は一体なにしてるんだ。魔王の亡骸が埋葬されているって言うなら墓守とも思うが、封印であるならその手下である魔物がそれを守護しているのも変な話だ。親玉を開放する為にせっせと働いているんだろうか。


 その辺どうなってる訳? 教えて、アークせんせー!


「おや、もしかして何か勘違いされてますか? 魔物は魔王に仕えている臣下や兵隊などではありません。そもそも魔物は破壊衝動だけを持ち、理性や社会性といったものが存在しませんので。魔王という呼び名は、規格外の魔物に対するある種の称号ですね。歴史上では魔王と呼ばれる魔物が度々現れましたが、その尽くは滅ぼされています。この地下霊廟に眠る魔王以外は、ですが。ここに封じられている魔王は圧倒的な戦闘能力の他に、魔物を生み出す能力、魔物に対しての統率能力、そして無限と思われる再生能力を持った魔王だったそうです。そして再生能力ゆえに討伐する事が出来ず、この地に封じ込める事しかできなかったそうですよ」


 分かったぞ、俺ちゃんの灰色の脳細胞にティンときたぞ。ストーリーの中盤で魔王が復活するんだな? そしてラスボスなんだろ。王道っすわ。

 そしてゲーム的な表現をするならば、ハイステータス、仲間を呼ぶ、めいれいさせろ、オートヒーリングってところか。ボスモンスターにオートヒーリングなんて正気とは思えないが、なにかキーアイテムでその能力を封印できるのだろうな、よくあるパターンだ。だが、統率能力ってのはどうなるんだ? よくわからんな。


 というか、予想以上にヤバそうな臭いがぷんぷんするんだが。え、そんなぶっ飛びモンスターがいる場所に入っていって良いもんなの? そもそも、魔物に社会性が無いというのならば、この神殿風の建物は誰が何の目的でつくったんだろうか。俺はてっきり家臣の魔物、そう四天王的な奴らが魔王様を讃える目的で作ったのかと思っていたんが。


「神の奇跡です」


 ふぁ? つまり女神アンナ様のおかげと?


「この地で魔王が封じられた時に、忽如としてこの霊廟が現れたと聞いています。この霊廟が現れたと同時に魔王の姿も消えてしまい、『封印が破られた!』と大騒ぎになったそうですが、霊廟を探索した部隊によって最奥に魔王が、幸いな事に霊廟が現れる直前の姿で封じられている事が確認されました。これが今から65年前の出来事になります」


 意外と最近の出来事なのか。一世紀たって無いとは予想外だ。てっきり太古の昔とか、神話の時代とかそんな系統かと思ったんだがな。話が随分と具体的なのもまだ風化してないって事なんだろう。

 お、となると図書館に文献なんかがありそうだ、これも調べて起きたいな。へへ、図書館で調べる事が山積みだぜ。


「では、行きましょうか」


 おっしゃ、やったんで! レッツ、レベリング!


「まずは、挨拶ですね」


 そらそうか。挨拶まわりは人間関係の基本だもんな。

5日目 14:00 (6/2 13:51)

```

【EQUIPMENT】

LV: 3


HP: 32

MP: 30

ST: 42


STR: 13

VIT: 13

INT: 13

MND: 12

DEX: 11

AGI: 13


スキル (SP: 13)

・ 刀剣 (Lv: 7)

・ 不屈 (Lv: 4)

・ 帝国語 (Lv: 5)

・ 魔力操作 (Lv: 6)

・ 光魔法 (Lv: 3)

・ 忍び足 (Lv: 1)

・ 身体操作 (Lv: 3)

・ 採取 (Lv: 1)

・ 植物知識 (Lv: 1)

・ 木魔法 (Lv: 0)

・ 火魔法 (Lv: 3)

・ 土魔法 (Lv: 0)

・ 風魔法 (Lv: 0)

・ 水魔法 (Lv: 0)

・ 闇魔法 (Lv: 0)

・ 魔力視 (Lv: 5)

・ 解体 (Lv: 0)

・ 隠密 (Lv: 0)

・ 奇襲 (Lv: 0)


装備

・ 粗末なショートソード (ATK: 5)

・ 粗末な布の服 (DEF: 0)

・ 粗末なアイテムポーチ

・ アイアンナイフ (ATK: 3)

・ リトルボアアーム (DEF: 7)

・ スローイングナイフ (ATK: 2) x 4

・ ホーンラビットソード (ATK: 9)


所持金: 6,970

```

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