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「別談」影のない世界

戦争は終わったらしい。光つまり現実と、裏の世界である影。この戦争が終わった。

もはやどうして起こったかもわからない謎の戦争。これは、私ではなく私を作った者たちが知っているだろう。そして、何を求めていたのかすらもわからない。

けど、すでにその記憶はない。

なぜならそれは、この戦争が終わったのは始まってから300年後だからだ。

それほどに過激で冷酷な戦争であった。無数の死体はなく、血も流れない。

ただ、その存在を消しあった。

お互いの存在をなくなるまで消し去りあった。

その中で、

光側の存在を的確にかつ効率的に消していく存在が作り出される。

それまでの道具的兵器とは異なる。

それが、私だ。

私自身は影の産物であり。

兵器として生み出された一つ。自律思考型の兵器だ。

人型であるがゆえに認識もされにくい強みを持つ。

1950年代以降の影と光との技術発展の違いにより、出来たものだ。

完成時期は2315年対光として出来、

光がまぶしさを求めるならば、影はさらなる深い闇を求める。

その影の持つ静電気的な隠密兵器、

それが私、ロメリア。

影の持てる最大火力を託された私であったが、対光ゆえに影の世界には長居すると、悪影響を受ける。

原因は覚えていることによれば、対光の一種として、性質の違いを意識された構成であるために、

光への適応性は高いけど、影への適応性が相対的に低くなってしまった。

これが原因で、この光の世界にとどまる羽目となる。

ゆえに、影側に対する愛着はなく。

なにせ、影側にはほとんどいなかったため。

又、しっかりとした自律を持っているときから光にいたことから、

どちらかというと光側が好きって、こともある。

ただし、逆に物体構造上影の成分でできているがために、光を浴びると不安定となってしまう。

こんな不具合も抱えていることが分かった時は結構絶望したものだった。

存在が薄れていく感覚……。分かるかな?

ただ、自分の兵器としての力はわかっていた。

爆弾が使えない。そして、使えない状況になっていた地球において、広範囲攻撃が出来たのは圧倒的な価値があるのだろうと察した。

だから、同じ兵器である彼と契約を結び、その「影」を借りることにした。

光の世界で唯一生きれる「影」である。存在が消えてもいても大丈夫な光の住人……。それが鈴望。

そして、

戦争終了と同時に契約通りに私は光の世界から消え去った。

理由は簡単だ。契約により、私はデータをもとに保存し直すために本体が消えてしまった。

つまり、私の影がなくなったために、私の基盤のものがなくなるから。だ。

どこが失われるのかは知らなかったけれど、認識される能力が消えるととはね。

念のため、という考えで影側で私のデータを保存している。それがいわゆる封印。

なにせ、人300年ほどの記録を残そうというのだから時間がかかるのは当然……。

私は、

周りの人の記憶から消えた。

存在というものがなくなり、私は地中奥深くにしまわれた。

かわりに私は世界を見渡す力を得た。

人の影から盗み見るという卑屈な力。

もともとの私の能力からすれば一部分であるが

逆に考えれば

封印されたのにもかかわらずこんなことが出来ることがすごいのだろう。

おそらくは現代科学技術万歳。

これが最適な発言。のよう。

私が見ているのは。

戦勝なのか、戦敗なのかもわからないけど、ひとまず終戦を祝う人々

影がどういうものか知らず、

全く戦闘してない。状況も知らない。ただ、人が危機であることだけを知り、

全てが軍という名の無人機に任せられ、

私たちのような兵器たちが戦った。

そして。

実際に何があったかでさえも、

よくわかってそうな子供も、大人も盛大に喜んだ。

ただ、中身を知る、の貴方は。

「何が嬉しいのかよくわからないよ……。」

無意識にもれたのかそう呟いているみたいね。

それでも、廻りの人に合わせて笑顔を作っている

すこし前のことを考えれば到底見れなかった姿だろう

今だからこそ見れる。

が、

どうせならしっかりと生きているときに見たかったな……。

軽く後悔する。かなわぬ願望。

きっと私が返ってくるころには姉さんは生きてないかもしれない。だから。

そんな私の姉さんは何か腑抜けた顔で、

何かが気になるらしく、

この戦争は人間が勝ったんだ、っていっても

どうしても何かが引っかかっているらしい。

私の消した記憶でも考えているのだろうか。

いや、消したんだから考えられるわけもないよね。

魔の抜けた顔、何かも思い出せない姉さん

多分、自分が記憶を消したせい……だけど。

そして、無理やり何かを

思い出そうとして、

出てこない顔を思いうかべようとしても無駄なのに、

貴方は何を考えたのか顔をしかめた。


神の反対のような目線で私は思う。

もう、あなたの記憶の中にロメリアの記憶は残ってないのよ。

鈴望(れみ)。私の姉さん。


私の感傷が伝わったのか、わかったものでもないけど。

姉さんは無意識に言っていた。

あーあ。勝手に行っちゃって。

さっさと帰ってきてよ……。と、俺の記憶に取り残された誰かの音声を

誰に向かってかもわかってないけど、

口に出していた。

ただ、

私はは一人思う。

その言葉が、確実に、大切だから。

頭に残っていたのだろうと。

日常の破片、残滓。記憶ののりしろとならないことを祈る。

最後でも笑ってくれる人を忘れたらそこで全てが終わりな気がしたから

と、あなたは言うけど

本当は

もはやだれも覚えてない……。けど、

きっと貴方だけは覚えてるはず……。

でも、何も残っていない、万に一つの私のミスで残ってるかもしれないと思ったけども、

しかし、自分の名前は忘れられているようで

涙を目に浮かべてしまう。

確かに自分がすべての記憶を……。消した……。私に関する記憶を。すべて。わたしが知りうる限りで。

はぁ、全く。不可能なことに何を願っているんだか・・。

いや、これはまだまだ私は後悔してるんだろうな。

忘れられることを、

始めはそんなこと、これっぽっちも思ってない人形だったくせに、わたしは…………。



以下『光陰戦争説』香月より。

2200年初頭からまっくろな姿形から「影」と称されていた

その人形の黒い物体は

今ではスキアと呼ばれた、

ギリシャ語で影と呼ぶそうだ。

いつからそんなことをいうようになったかはわからない。

ただ、それからなぜか人間の数は減り始めた

現在も調べているが全く手がかりがない

もっともほかの地域ではわかってるかもしれないけど。

人間が消えて以降

突如人が死滅する地域が続出したため

情報が回らなくなり

経済が停止しはじめ。

国が意味をなさなくなり

結局人々はリアンと言う小さな集団を作るようになった。

しかし、リアン自体がすでになくなりかけるまでに200年

2800年ごろにはおそらく100も下るレベルまでに落ちただろう

それは併合されたことも示すが

何より人が消えたことが原因だ。

あまりにも不自然に

しかし、なにも後を残さぬ消え方に

スキアによる神隠しが懸念された

しかし結局提唱した人物こそが行方を晦ました聞く。

元島国、日本という名前から続いた

秋津という国の中で提唱されたからこそ知っている話だ。

私がいた時には聞いたことがあった。

おそらくすでに他方では分かっている可能性があった。

しかし未だに他のリアンと連絡をとる方法はなく、すでに2機しかない無人人工衛星によるリアンの確認が限界だ。

となれば、どういう状況かもわかりやすい、とのことだろう。

それはともかく、奴らは

敵対行動は一切取らなかった。

ただ、不可解な現象がおきただけだ。

始めこそ警戒した人間は

攻撃をしかけていたが

これが発端となる

それによって、反撃を開始するスキアによって

一地域が壊滅して以降

人間は特別触れることはなくそのままにしとけばいい、とを学んだ。

この情報は世界に回った。

ただ、それ以降

影は、戦闘を吹っかけてくるのは自明で、

影は影なりの方法で、通信し、戦場を構成していることがはっきりとわかった。


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