第2幕 良くある学校の噂的な~?
朝の授業が終わり、昼休みの時間へ。
私は結局あの後寝られず、授業中に何度も意識を失いそうになりながらも何とか耐える事が出来た。
「次の授業は世界史ね……」
私は教科書とノートを取り出して次の授業の準備を進めていると、隣から「あのー」っという遠慮がちに誰かが私に声を掛けてくる。
「どうしたのですか?」
「生徒会長さんすみません…… 少し、相談したい事があって……」
眼鏡をかけたおさげの女の子「柚子」さんは、そう言うと私に、昼休みに二人だけで静かな場所で会いませんか?っと頼んだ。
どうやら彼女は、周りにはあまり聞かれたくない話っという事なので、私は快く立ち上がって頷く。
「えぇ勿論良いですよ。それなら生徒会室の方だと昼休みは私以外誰も居ないですし、そこに来て頂いても良いですか?」
「はい! ありがとうございます!」
彼女は大袈裟に感じる程、頭をブンブン何度も下げて私にお礼を言い、それから嬉しそうに自分の席へ戻る。
ふふふ、いつ見ても人の安堵したり喜ぶ顔と言うのは良いものですね。
私は善行をした事による至福(自己満足)に浸っていると、水を差すようにして授業開始のチャイムが鳴り、心の中で舌打ちをしながら急いで着席をする。
それから数秒もしない内に世界史を担当する先生が、扉を開けて教室に入ってきた。
「は~い、それでは早速授業を始めたいと思います~」
数時間後、昼休み。
私は待ち合わせ場所の生徒会室で、柚子さんを待つ。
すると、彼女は数分もしない内に扉を開けて、生徒会室へやってきた…… 何故か未来ちゃんも一緒に。
「何故未来さんも居るのです…… ?」
「面白そうな事が起こりそうだと思って」
私が彼女へ問いかけると未来ちゃんは笑顔でそう言い、柚子さんは困ったような顔して私を見る。
「えぇ…… っと、柚子さん。一応彼女は悪い事を企むような子じゃないから、相談の件。気にしないで話して下さい」
「は、はぁ……?」
彼女は私と未来ちゃんを交互に見ながら、少し訝しい表情をするも、ゆっくりと口を開いてくれた。
「実はですね…… この学校で少し噂になっているのですけど、生徒会長さんは聞いた事がありますか?」
「学校の…… 噂?」
この学校で噂になるといったら、自慢もへったくれも無いけど隠れて巫女業やってる私か、それか今柚子さんの隣でスマホを弄っている未来ちゃん、後他数名…… って、確実にその数名が何かやらかしてるわね? っていうか、こらそこ、堂々と生徒会長の目の前でスマホを扱わない!
私は未来ちゃんからスマホを取り上げると、彼女はうぎゃー! っと変な声を出しながら、私からスマホを取り返そうとぴょんぴょん飛ぶ。だが悲しいかな、彼女の身長は私よりかなり小さく、取り返せなかった。ザマ―。
「噂とか、私はあまり興味なくて…… 一体どんな噂なのですか?」
私は興味が無いわけないけれども(主に関係者の不祥事にひやひや)、若干嘘を交えて彼女に優しく問いかける。
彼女は私を見ると、恐る恐る口を開いたのた。
「花子さんが女子トイレに出るっていう、噂です」
あ、全くの預かり知らずだわ。
私は自分の見知ってる面々達じゃない事に、ほっと胸を撫で下ろすのだった。(いや良くないけどね?)