第1幕 始まりは唐突に悪友の大暴露
諸事情で一日遅れたから、ギリセーフ!(それはおかしい)
古き良くない伝統と校舎が魅力の学校、西百合花高等学校。ある意味おんぼろという所が特徴の一つで、他は特に無い。そんな、特徴が無いのが特徴のこの学校で、私『天音心優』は学生として穏やかな日々を暮らしていた。
学生がおはようの挨拶をしたり、友達と和気藹々と駄弁ってる教室にて、私はいつものように椅子に座り、机に腕枕をしてほんの少しの間睡眠を取ろうとする……
が、早速邪魔が入って来た。
「ゆうべはお楽しみでしたね」
「だーれがお楽しみよ、誰が」
私の前の席に座る美しい藤のような薄紫の色をした髪をセミロングにしている、控えめに言っても美少女といっても過言じゃない少女、『久田未来』。
彼女からの軽口をあしらいつつ、私は未来ちゃんへ尋ねた。
「というか、何で知ってるの?」
「いつものあれさ、あれ」
彼女の言うあれというのは、ぶっちゃけて言うと『未来を見る能力』っという、どこのニジゲン―から取ったかのような能力なの。何故未来ちゃんがそんな能力を持っているというと……
「可愛いからさ」
「自分で言うか」
「事実でしょ」
「うるさいナルシスト」
「てへぺろ☆」
「あ、かわいい」
っと、まあこんな下らない会話は置いておいて、彼女は人間では無く『件』という妖怪だからだ! イェイ!!
変なテンションで彼女の正体を明かした所で、未来ちゃんは早速、また能力を私へ(勝手に)お披露目する。
「んー……」
「あ、こら! 人の許可を得ないで未来を見ない!」
人のプライバシーを何だと思ってるの!!!
私は指を額に当てて、考えるポーズを取ってる彼女に抗議すると、彼女は笑顔で言葉を返した。
「だって、貴女って大抵面白い事起こるから気になるやん? やんやん?」
「私程普通過ぎる人はなかなか居ないと思うのですけども…… 後やんやんじゃない」
「ちょっと待ちなさいな、肩書き巫女な癖に魔人っていう時点で最高におかし過ぎるじゃろ?」
「てへぺろ♪」
「かわいい」
彼女から物凄く重大な、それこそ後々明かさないといけないような機密情報をあっさり暴露されました。
はいそうです。実は私も人間では無く、悪魔と人間の子…… 魔人なのです。
「しかも、伝説上のナマモノ…… ルシファーの相の子というね……」
「シャーラップ、未来ちゃん!!!!」
やめて!!! これ以上ネタバレしないで!!! 終わっちゃう!!!(何が)
そんなこんなで、もう時間が経って始業のチャイムがリンゴンリンゴン鳴り響く。
そろそろ、先生が教室にやって来るので、未来ちゃんは借りてたという名の強奪してた席を、本来の自分の席だった生徒Aに返し、彼女は自分の場所へと戻るのだった。