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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編集

自殺願望

作者:

初作品のふたつめです。作者は自殺推奨していませんのであしからず。

 私には小さい頃から自殺願望がある。


 最初はなんとなく親の気をひきたくて、自殺してみようかなと考えた。


 次は受験が嫌で考えた。エリートな道をただ親に言われるまま歩む。虚無感を覚えた。


 勉強は好きだった。人に強制されるのは嫌だった。いじめの対象になりかけたこともあったけど、他人に興味がなかったし、傷つかなかったのでいじめ未遂で終わった。死にたいとは考えなかった。


 ただ特に理由もなく、はやく死にたいと思った。大人になってからはただ目標もなく、普通の日々の繰り返し、生きることのつらさ、死への渇望ばかりであった。できれば痛くない死に方がいいと常々考えていた。


 昔から体が弱かったから病気で死ぬのもありかな。でも苦しんでみじめに高額な医療費を払って生き長らえるのは嫌だな。

なら、事故はどうだろうか?車事故だと一瞬で死ぬ可能性も高い。でも相手に迷惑がかかる。自分が死ぬのに相手の人生を狂わすのは間違ってるな。

 となると、やはり自分で死ぬしかない。飛び降り?いや、ぐちゃぐちゃな最後は片付けする人に申し訳ない。首吊り?死に顔は酷く醜いと聞く。なるべく遠慮したい。薬?簡単に死ねる薬が一般人に手に入るわけがない。刃物?何度か試してみたが、痛そうだし勇気がいる。



 私は思った。死ぬのにはすごい勇気がいる。こんな思いをしながら自殺方法を模索するなら、流されるまま生きてもいいんじゃないかと。CMスキップみたいに一気に老人になって老衰で死ねたらいいな。




 虚無感を抱えたまま流されてみた。愛してくれる伴侶ができた。でもすぐに愛に興味をなくしてしまい、死をパートナーとしたい私の生きる理由にはならなかった。


 子どもができた。すごく可愛かった。子どものためにも生きていこうと思った。子どもにとっては、自分を生きる理由にされたら迷惑だろうけど、親の責任として大人になるまでは頑張ろうと思った。それでも時々、死への渇望が溢れてくる。



 時が経ち、壁がいくつも立ちはだかることもあった。でも死ぬ理由にはならなかった。生きたい理由もなかったが。


 私には家族がいる。私が死ねば悲しむだろうことはわかる。でも時が癒すことがあるのも知っている。癒さなくて、深い傷を家族が負うのも少し嬉しいと感じる。生きる理由にはならない。


 私はなぜ産まれたのか、なんて哲学的なことは問うてもキリがない。理由なんてない。生物のあるがままの生態である。



 生きる理由はないけど、生きない理由もない。生きるのに疲れたけど、死ぬ方法を考えるのも疲れる。私は私が考えることができる人間であることに絶望した。忙しければそんなことは考えないと言うが、ふとした時にやはり考える。逆に森林浴してリラックスしていても考える。



 親が死ねば死んでも親不孝にはならないだろうか。伴侶が浮気でもすれば死ぬ勇気をもてるだろうか。子どもが成人したら死ぬことを許されるだろうか。いままでの人生、波乱万丈だったけど、さらなる困難がくれば絶望して息絶えるだろうか。




 しかし、どんなことが起きても生き物の本能として生きることを諦められないとわかる。生き物には平等に死が訪れる。ならば無理して死ななくてもいつかは死が迎えにきてくれるならば待っていてもいいんじゃないか。それまでにもしかしたら生きたくなっているかもしれない。




 明日になれば、何か変わるかもしれない。普段の小さな幸せが私を生かしている。家族、音楽、遊び、責任、義務、事実、性格、絆、しがらみ、いろんなものが絡まりもつれて私を生かす。私は生きる希望が欲しい。だから死ねない。死にたくない。未来を見てみたい!





 やっぱりとりあえず生きることにした。









 薬物で狂ったように血がついたナイフを振り回して暴れる男。

 お腹から流れる血を止めようと泣きながら必死におさえる男性。

「理恵子!死ぬな!目を開けてくれ!」




 やっぱり人生は理不尽の塊だと思った。

お読みいただきありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 自殺ネタですか!いいですね!
2015/11/04 00:17 退会済み
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