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二十七章:「……彼に何を言ったの?」
「……会いたい」の続きです!
これいつになったら終わるのか……(遠目)
「それは……どういう意味??」
“最上司”の言った意味を理解したくなく、もう一度聞き返す。
声が震える私とは違い“最上司”は淡々と話す。
「そのままの意味だ
それとも理解したくないのか?
どれほどお前が会いたいと願っても彼は……“西木音樹”が望んでいないと理解するのは」
「……彼に何を言ったの?」
「お前が明日アメリカに飛ぶと言っただけだ」
「嘘よ!
彼に何を言ったの!」
言葉通りの意味じゃないのは私が一番よくわかっている。
彼を傷つける何かを言った。
力一杯扉を睨んでいると扉の向こう側から溜め息が聞こえる。
「分からないな……
あれは普通だ
お前がなぜあれに惹かれるか理解しがたい」
「……お母さんを実験体にした貴方には理解できないことよ」
「……」
束の間の静寂に緊張感が走る。
だが最上司は何も言うことなく去ってしまう。
そのことに安堵の息をついてからどうやって音樹くんに会えるか探っていた。
父親に深い傷を与えたとは知らずに。




