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十六章:「フラグなんて爆発だ!」




「音樹、俺も姉貴もお前のことは唯一の友人だと思っている

今まで出逢ってきた人間のなかでお前は一番普通で優しい奴だ

……だからこそ忠告する

俺らに必要以上に関わるな

お前が辛い思いをするだけだ……」


そんな桐の言葉は高校一年の僕にとっては友達を失うことのように思えて受け入れきれなかった。

特に梢さんを失いたくない……、当時の僕は愚かにも自身の身の丈に余る想いを彼女に抱き始めていた。






寒さが少しずつ感じ始めた十月。

この学校の文化祭が近づいてきた。

進学校だけど意外にも行事に力を入れているため、文化祭の1週間前からは授業は二時間だけで他は準備期間に当てられている。

僕のクラス1組は劇と何の捻りもない催しものをすることになった。

題目はまだ決まっておらず何故か本馬鹿な僕に全部委ねられた……又は押し付けられたとも言う。

ま、委ねられたもしくは押し付けられて渋々だが家の書庫を漁って本を探し出す。

我が家は父親が小説家を副業とするサラリーマンで小説の参考になりそうな本を沢山買い集めている。

あまりの本の多さに家で一番広い部屋は書庫になってしまった。

因みに何故小説家が副業かと言うと、たまたま興味半分で書いた小説が大賞をとったらしい。

「にしても……演劇時間30分前後で出来る台本か……」

一番無難なのはディ●ニーの映画が一番簡単だが高校生でそれをするのは少々年齢が幼すぎる。

そんな事を考えながらも本を探すが……息がつまり現在は休憩中。

大体一人で探すとか無謀だと思う!

この家の書庫には国内外から集めたから10万冊近くもしくは超えている。

「うわぁ~

死亡フラグしか立ってない気が……」

弱音を吐くとドカンと景気のいい音がドアが開くと共に聞こえてくる。

何故か……本当に訳がわからないけ何故かどこで手に入れたんだと言いたいぐらいデカイ、クラッカーを両手で持って顔半分隠れているが満面の笑みを浮かべているでおろう人物……

「フラグなんて爆発だ!」

「そんなネタの為にパーティー用のクラッカーを書庫で鳴らすな!!この馬鹿姉!!!」

僕の姉“西木音嶺”が立っている。


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