地球の支配者は悪魔である!

水星の議会

水星、太陽に最も近い惑星。

かつては岩と炎の焦げた荒野に過ぎないと考えられていた…しかし、今、核心に埋められた魔法の石のおかげで、繁栄する要塞と化した。魔法の石の力は惑星を強力なバリアで包み、太陽の灼熱の怒りから守り、生命が根付くことを可能にした。

だが、火星の輝く尖塔や地球の自然の美しさの残骸とは異なり、水星は容赦ない産業の痕跡を帯びていた。その都市は高く優雅ではなく、真鍮と鋼の機械的な獣であり、蒸気と煙を曇った空に吐き出していた。太い鉄のパイプが建物に蛇のよう巻き付き、屋上の歯車が絶え間なく回転し、工場の煙突がギザギザの指のように空を突き刺していた。粗野で。ざらついていて。疲れていた。

それでも、そのすすで汚れた外観の下には、太陽系で最も優れた武器製造ネットワークが広がっていた——地球に次ぐものだった。

ここは夢の場所ではない。生き残る場所だった。

水星の首都シタデル議会の壮大なホールの中では、空気は蒸気ではなく、戦争の次の局面を左右する決断の重みで重かった。

タカシマはゆっくり歩き、銅張りの壁にブーツの鈍い音が反響した。目の下には深いクマができていた——不眠の夜と、死傷者数、壊れた機械、移転要請で埋め尽くされた報告書の証だった。片手には、火星の避難データをほのかに輝く中空のタブレットが握られていた。

彼の横には、火星高等評議会の豪華な戦略家、ヴェインが乗るホバーチェアが浮かんでいた。指の間には湯気の立つ磁器のカップが置かれ、メイドが肩を優しくマッサージしていた。白い毛皮のマントが王族のように椅子にかけられていた。その隣をルミスがほぼ無言で歩き、長いコートが一歩ごとに揺れていた。

「ふむ」とヴェインがつぶやき、ゆっくり一口飲んだ。「火星の淹れ物とは違うが、まあ悪くない。」

彼の目はタカシマに向かい、その沈黙が重くなっていた。

「タカシマ…友よ、茶でも飲んだらどうだ」とヴェインが言い、唇に笑みが浮かんだ。

タカシマはタブレットから目を上げなかった。「欲しいものはたくさんある。」

ヴェインは眉を上げた。「休暇でも？」

ルミスは静かに鼻で笑ったが、何も言わなかった。

タカシマはついに歩みを止めた。親指がスクリーン上の点滅する名前の上で止まった。

「7万人以上の避難者が確認された。火星は消滅した。そして、崩壊でどれだけ失ったかはまだ分からない。物資が尽き、安全地帯が尽き、時間が尽きつつある…」

彼は振り返り、目に苛立ちが燃えた。

「……お前は茶を飲んでる。」

ヴェインは気を悪くせず微笑んだ。

彼は少し身を乗り出し、声のユーモアが薄れた。

「今パニックになれば、水星も落ちる。そして水星が落ちれば…終わりだ。土星は指一本動かさない——豪華な壁の裏でクレジットを数えるのに忙しいからな。」

タカシマは一瞬彼を見つめ、ため息をついて目を逸らした。

「……生存者はどうする？」

ヴェインの笑みが完全に消えた。

その瞬間、シタデルの唸りさえ遠く感じられた。冷たい真実が沈み込んだ。

全ては次に何が起こるかにかかっていた。

「それは議会が決めることだ。」

巨大な議事堂のドアに近づくと、ヴェインは怠惰に手を振ってメイドを下がらせた。ホバーチェアが止まり、彼は立ち上がり、毛皮の裏地のマントが落ち着いた傲慢さの旗のように背後に広がった。

タカシマは黙って、集中して彼の横を歩いた。ルミスはコートを揺らしながら続き、三人は議場に入った。

中では、議事堂は水星の首都シタデルの上部地区に高くそびえる、磨かれた鉄と青銅の円形コロシアムだった。高い席の列が彼らを囲み——各王座のような椅子には、形式と権力をまとった代表者が座っていた。

議会は明らかに二分されていた。

一方には、労働者階級の代表者、主に水星の工場や鍛冶場を動かすヒューマン、デミウルフ、デミキャットで構成されていた。

もう一方には、政界人や裕福な産業のトップ——変異者と人間が混在し、多くは工場に足を踏み入れたことのない——ソブリンの代表者がいた。

その間には、軍の代表者が厳格な隊形で座っていた。その中心、演台に直面して、水星武装軍の将軍が座っていた——鋭い視線と汚れのない制服で知られる、頑強な人間だった。

空気は、爆発するバルブ前の蒸気のように重かった。

ヴェインはためらうことなく演台に向かい、磨かれたブーツの音が議場に響いた。

全ての目が彼に固定された。

彼は微笑んだ。

ざわめきが収まると、最上段の中央に座る男が身を乗り出した。彼の制服は鋭く、メダルと黒と金の肩章が権威を示していた。彼の声の重みで部屋はさらに静かになった。

「アラリック・ヴェイン。リン太郎・タカシマ。」

彼の声は重いが、冷たくはなかった。

「海賊戦争で最も勲章を受けた兵士二人。コルセア艦隊の最後を一掃した部隊の退役軍人だ。政治家を予想していたが、戦士が来た。」

男の鋭い目は二人をじっと見つめ、後ろに立つ無言の人物にちらりと移った。

「そしてこの男は？…どこか見覚えがある。」

ヴェインは短く敬意を込めたうなずきをし、口調は軽いが礼儀正しかった。「彼は私の執事にすぎません。ルミスと呼んでください。私の要請で同行しているだけです、それ以上でも以下でもありません。」

議会のリーダーであり水星防衛軍の司令官である将軍は、ルミスに目を細めた。認識のちらつきが表情をよぎったが、それ以上は何も言わなかった。

「……そうか」と彼はつぶやき、重いため息をついて席に座り直した。

タカシマは動かず、手の中のタブレットを少し強く握った。彼の焦点はすでに議会の背後の巨大なディスプレイスクリーンに移っていた——戦争地図が公開されるのを待っていた。

ヴェインはマイクに近づき、マントが動きで少し揺れた。

「始めましょうか？」

「私、アラリック・ヴェインは、火星の生き残った人々の代表としてここに立ちます」と彼は言い、声は落ち着いているが疲れが滲んでいた。「その人口は…7万人に減りました。」

議場にざわめきが広がった。デミヒューマンの代表者たちが耳をピクピクさせ、尾を振ってショックで囁き合った。硬派な軍の代表者さえ席で硬直した。

将軍は目を細めた。

「火星には1億人以上が住んでいたのではなかったか？」

ヴェインの表情は落ち着いていたが、目が暗くなった。

「その通りです。包囲の初めには、完全な軌道防衛、近大気圏の艦隊、都市全域の防御網がありました。だが、それは何の意味もなかった。」

彼はその言葉を一瞬空気中に漂わせ、続けた。

「ライオネルの最初の攻撃は暗闇の刃のようだった。精密な攻撃。これまで見たことのない悪魔の魔法。衛星は数秒で切断された。初日で——人口の半分が消えた。」

タカシマが前に進み、中空のタブレットを掲げると、背後に火星の赤いスキャンが点灯し、焦げ跡と崩壊した区域に覆われていた。

「全区域が数分で平らにされた。緊急シェルターは溢れ、すべての脱出ルートが死の罠になった。あなた方がここで見るのは…」彼は議会に向き直った。「…残されたものだ。」

将軍の顎が固まり、ちらつく赤い地図に視線を固定した。

「そして残りの50％は？」

ヴェインの声が低くなり、冷たく鋭くなった。

「消滅した。撤退時の最後の波で一掃された。7万人の魂だけが逃げ延びた。」

議場は呆然とした沈黙に落ちた。誰も動かず、誰も話さなかった。

労働者階級の代表側から静かな声が響くまで。

「……彼らはどうやって生き残った？」

ヴェインは少し振り返り、目が光った。

「死ぬことを拒んだからだ。」

「つまり」と将軍がゆっくりと言い、目を細めた。「あなたが火星を代表しているということは…レッドスパイアが落ちたということか？」

ヴェインの唇が厳粛な線になった。彼はゆっくりとうなずいた。

「残念ながら、そうです。ソブリン・カエルス・レッドスパイアは我々の脱出を確保するために残った。彼は最後の部隊と共に戦線を維持し、最後の避難ポッドを打ち上げた。」ヴェインの声はわずかに震えたが、揺らがなかった。「彼は全てを捧げた。本物の指導者…最後まで。」

将軍は敬意を込めて頭を下げ、静かにした。

「では、生存者について交渉しに来たのだな？」

「はい」とヴェインが答えた。「水星は我々の救援要請に応えた唯一の領域だった。そして、あなた方は応えてくれた。深く感謝しています。空を提供してくれた。避難所を与えてくれた。それを…我々は決して忘れない。」

タカシマが前に進み、声は今や落ち着いていた。

「我々は慈善を求めに来たのではない。協力しに来た。火星人が貢献できる場所を見つけ、立て直すために。」

将軍は短くうなずいた。「正直、もっと多くの人を予想していた。何十万、ひょっとしたら何百万の準備をしていた。」彼の視線が落ちた。「だが、あなたの言う通り、7万人だけが残った。」

静かな間が過ぎ、彼は続けた。

「我々は地球からの多くの避難者も収容している。そして今…」

彼が言葉を終える前に、ソブリン代表者のセクションから声が割り込んだ。

「——こんな風に受け入れ続けるわけにはいかない」と、黄金の蛇のバッジをつけたシルクの重ね着の男が冷笑した。「資源はすでに逼迫している。食料、スペース、仕事——無限じゃない。」

上段の席からもう一つの声、狐のような特徴と氷のような青い目を持つ鋭い口調の女が響いた。「彼らが本当に忠実かどうかも分からない。もしライオネルがスパイを紛れ込ませていたら？ 災厄を我々の壁の中に招くことになる。」

三人目の、年配の、金の鎖に身を包んだ裕福な代表者の一人が、怠惰に身を乗り出した。「外郭地区に送ればいい。居場所を稼がせるんだ。炉で働かせ、排水溝を掃除させろ。立て直したいなら、底から始めればいい。」

その側からの同意のつぶやきが議場に響いた——静かで、陰険で、計算高かった。

労働者階級の代表、特にデミウルフとデミキャットは明らかに苛立ち、ヒスを上げ、半分立ち上がる者もいたが、タカシマが手を上げ、静かに落ち着くよう促した。

ヴェインの目が細まった。彼はすぐには答えなかった。

だが、答えた時、彼の声は低く——騒音を刃のように切り裂いた。

ヴェインは演台から前に進み、最後の冷たい発言の反響が背後に消えるのを待った。マントが軽く揺れ、表情は落ち着いていたが、目の奥には静かな、正義の炎が燃えていた。

「我々の人々をあなた方の上に置けとは求めていない」と彼は始め、声は滑らかだが力強かった。「また、彼らがあなた方と同じ地位や特権で扱われることを求めるためにここにいるわけでもない。我々は生存者としてここに来た。支配者でも、征服者でも、救世主でもない。生存者だ。」

彼の視線は部屋を横切り——ソブリン代表者たちへ、軍事評議会の無表情な顔へ、そして最後に労働者階級の代表団へ、疲れた目が彼の目に慎重な希望を持って応えた。

「だが、私が求めるのは…彼らを人として扱ってほしいということだ。」

彼は一瞬止まり、その言葉を染み込ませた。

「隣人として。偉大なスピリットの同じ子として。我々は皆、同じ空の下の仲間ではないのか？ 同じ赤い血を流し、同じ夢を見、同じ喪失を悼むのではないか？」

彼はもう一歩進み、手を背中で組んだ。

「残ったこの7万人は、灰と化した世界の最後の声だ。子を失った母。姉妹を失った兄弟。科学者。建設者。教師。農民。戦士。重荷ではなく、火星がかつて何だったかの記憶であり——そして再び何になれるかの種だ。」

ヴェインの声は柔らかくなったが、その重みは変わらなかった。

「物事が難しいふりをするつもりはない。難しいことは知っている。水星は火星がかつてそうであったように、戦争の瀬戸際に立っている。だが、苦難への答えが、すべてを失った者たちに背を向けることなら…あなたは家を守っているのではない。ただ小さな家を建てているだけだ。」

彼は言葉を重く静かに漂わせた。

「我々が求めるのは快適さではない。尊厳を持って生き残る権利だ。子たちがあなた方の子より劣っていると恐れずに目覚めること。家族が働き、助け、共に立て直すこと…」

長い沈黙が続き、考えに重かった。

ヴェインは敬意を持って目を下げた。

そして、ついに、将軍の声が緊張を切り裂いた——鋭くなく、意図的だった。

「……働ける者は」と彼はゆっくりと言った。「自分の居場所を稼ぐだろう。」

彼は手を上げた。

「賛成の者は？」

議場全体で手が上がった。三つの代表派閥から静かな賛同のつぶやきが続いた。多数決が決まった。

将軍は力強くうなずいた。「決まった。即刻始める。」

彼の目はヴェインに固定された。

「ライオネルの悪魔使いや彼の歪んだ機械と対峙するなら…勇気だけでは足りない。」

彼は立ち上がり、声に権威が響いた。

「新命令を発する：全精鋭部隊は現在の戦力を倍にせよ。これにはすべての高位戦闘員、特殊部隊——特に火星の英雄たちが含まれる。」

彼の視線は議場を横切った。

「戦争はもう来るものではない。すでにここにある。」

そして、議場の最後に議事槌の最終的な音が響き——会議の終わりと、来る戦争への水星の準備の始まりを告げた。

ルミスは手袋を調整し、他人をちらりと見た。「うまくいったな。」

「分かっていた」とヴェインが答え、自信に満ち、ほぼ満足げな口調だった。「水星は——その欠点にもかかわらず——まだ名誉の国だ。」

タカシマは腕を組み、表情はすでに再び集中に変わっていた。「では、すぐに始める。早く訓練すればするほどいい。」

「お前と他の者がそれを担当する」とヴェインが前を見ながら言った。「私については…アンドリュー・ハンダーフォールと私は我々の人々の配置を始める。」

これ以上言葉は必要なかった。