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悪に立ち向かえ! 第2部

風が彼らを過ぎ去り、カイとアイカは下の戦場に向かって急降下した。世界は混沌だった——街中に炎が広がり、空では戦艦が衝突し、通りは血で塗られていた。


アイカは杖を強く握り、指が痛むほどだった。彼女の息は短く、慌ただしいものだった。


「カイ!」彼女は風の音をかき分けて叫んだ。「これ、速すぎるよ!」


「冗談じゃねえ!」カイが叫び返した。彼のコートは自由落下で激しくはためき、姿勢を保つのに苦労していた。「何か案がなきゃ、俺たち地面に叩きつけられるぞ!」


アイカは歯を食いしばり、集中しようと自分を無理やり奮い立たせた。胸を締め付けるパニックが支配しそうだったが、彼女はそれを押し込めた。


「私がなんとかする!」彼女は杖をさらに強く握り、下に突き出した。「重力シフト!」


深い紫の輝きが杖から脈打つように放たれ、突然、彼らを引き下げる力が弱まった。彼らの身体は空中で減速し、魔法が目に見えないクッションのように彼らを包んだ。


カイは安堵の息を吐き、降下速度が安全なものになるように調整した。「後で感謝するよ、覚えておけ。」


アイカが答える間もなく、戦場が彼らを迎えるように迫ってきた。彼らは壊れた超高層ビルの上に柔らかく着地し、アイカの魔法の最後の残りが煙のよう消散した。


カイは肩をほぐした。「悪くないな。」


アイカはよろめき、杖を支えに身体を安定させた。「これ… 思ったよりエネルギー使った。」


カイは彼女を支え、眼下の地獄のような光景を見渡した。ライオネルの軍は圧倒的だった——機械が容赦ない波となって進み、デーモンユーザーが恐ろしい容易さで兵士たちを切り裂いていた。


アイカは唾を飲み込んだ。「これ… 思ったよりひどい…」


カイは鋭く息を吐き、メガネを直した。「ああ、かなりヤバいな。」


彼の通信機がザザッと音を立て、アルニクの声が響いた。


「カイ? アイカ? 状況は?」


カイはイヤーピースを叩いた。「着地した。大きな怪我はない。状況はどうだ?」


「デーモンユーザーがここにいる。」アルニクが厳しい声で言った。「めっちゃ厄介だ。ミュータントとトップメイジだけが奴らを排除できてるが、数が限られてる。」


アイカは杖を握る手を締めた。「じゃあ、私たちが一人倒すよ。」


カイはニヤリと笑った。「その意気だ。」


下の戦場では、一人のデーモンユーザーが立ち、純粋な魔法だけで兵士の部隊を楽々と切り倒していた。彼の目は不気味な楽しさで輝き、手を上げると、触れたものをすべて無に変える黒い炎を召喚した。


カイの笑みが消えた。「ああ、あの奴はヤバいな。」


デーモンユーザーは彼らの気配を感じ、視線を向けた。彼は残酷で知的な笑みを浮かべた。


カイは首を鳴らした。「よし、アイカ、仕事の時間だ。」


アイカは深く息を吸った。「全力で行く?」


カイは武器を構えた。「絶対にだ。」


彼らは飛び降りた。


デーモンユーザーは彼らが目の前に着地しても動じず、笑った。「人間はいつも命を簡単に投げ出すな。」彼は指を動かし、暗いエネルギーがその間にパチパチと火花を散らした。


カイが最初に突進し、武器を振りながら変化させた。デーモンユーザーは防ごうとしたが、カイの刃は最後の瞬間に槍に変わり、喉を突いた。


デーモンユーザーはかろうじてかわし、槍の先が頬を切った。


彼は後ろに下がり、目を大きく見開いた。「ちっ、危なかったな。」


カイはニヤリと笑った。「どうした? ただの金属の塊だと思ったか?」


デーモンは唸り、魔法で身体を強化してカイに飛びかかった。「お前が先に死ぬ!」


カイは身構えた。


攻撃が当たる前に——アイカが彼の前に瞬時に現れた。


彼女の杖が赤く輝いた。


全身がきらめくヴェールに包まれた。


「アルケイン・ヴェール。」


デーモンの攻撃が当たった瞬間、アイカは力を吸収し、即座に跳ね返した。巨大な魔法エネルギーの爆発が前方に放たれ、デーモンを瓦礫の山に吹き飛ばした。


戦場が一瞬静まり返った。


物陰に隠れていた兵士たちは突然決意を固め、武器を握り直し、活気を取り戻した。


「奴ら、持ちこたえてるぞ!」一人の兵士が叫んだ。「援護するぞ! エンジェル・スクワッドが戦ってるんだ、俺たちも戦うべきだ!」


銃声が響いた。兵士たちがデーモンユーザーに発砲したが、通常の魔法弾はほとんど効果を上げなかった。


カイは歯を食いしばった。「バカ野郎! 重火器を使え! 魔法エネルギー弾だ! 普通の弾じゃデーモンユーザーに何の効果もない!」


指揮官の一人が叫び返した。「了解! 重火器に切り替える!」


砲塔が動き、大砲がエネルギーで唸りを上げた。戦場は、最初の高出力魔法弾が空気を切り裂く音で揺れた。


デーモンユーザーはうめき、瓦礫から立ち上がった。傷はすでに癒え始めていた。


「ちっ、うざい虫けらどもめ。」


カイとアイカは回復の隙を与えなかった。


彼らは突進した。


何かが変わっていた。


彼らは強くなっていた。


そして、まだ終わっていなかった。


デーモンユーザーは軽蔑の眼差しで血を拭い、深紅の目がちらついた。「このデーモンユーザーは前に戦った奴より明らかに弱いな。」カイは相手が魔法をどう操るかを分析しながら呟いた。エネルギー出力、呪文の構造——以前戦った怪物とは全く違っていた。


カイは首を鳴らし、武器を強く握った。「こいつの使う魔法からすると… めっちゃ下級だ。俺が倒せる。」


アイカは背後に立ち、戦場を見渡した。人間の部隊は散り散りになり、容赦ない機械やデーモンユーザーに押されて持ちこたえるのに苦労していた。


「エリアを一掃する! アイカ、できるだけ多くの兵士を癒せ!」カイが命じた。


アイカは一瞬ためらったが、頷いた。「わかった!」


彼女は振り向き、すぐさま周囲の負傷兵に集中した。杖が柔らかい紫の光で輝き、回復魔法の波が外に広がり、傷を癒し、人間の部隊に切望していた第二の力を与えた。


カイは息を吐き、剣を額に当て、詠唱を始めた。


デーモンユーザーの目が細まった。「バカめ! 隙を見せるな!」


凶悪な笑みを浮かべ、デーモンは爪を伸ばして突進した。


そして——彼はカイの首をきれいに切り落とした。


血が空に飛び散った。


一瞬、戦場が凍りついた。


アイカの心臓が締め付けられた。「カイ——?!」


だが、何かおかしかった。


血が消えた。体が溶けた。


デーモンの目が見開いた。


「何?!」


それは囮だった。


鋭い口笛が戦場に響いた。


デーモンユーザーは振り向き、本能が動けと叫んだ——


だが、カイはすでにそこにいて、詠唱を完成させていた。


地面が震えた。足元の埃と瓦礫がうねり、人型に変わった。何十もの人影が地面から立ち上がり、火星の粘土兵となった。


ドールマジック。


絶対的な精度を要する魔法。


カイは創作物が固まるにつれて息を吐いた。「ドールマジックはめっちゃ精密だ。高い集中力がないと起動できない。」


粘土兵たちが姿勢を正し、手に持つ石から武器が形成された。それぞれが創作者——カイの技術を備えていたが、強さと耐久性は彼の半分だった。


デーモンユーザーは鼻で笑い、平静を取り戻した。「ふっ、100人だろうが倒せるさ。」


カイはニヤリと笑った。「お前らデーモン、ほんと自分を高く評価しすぎだな。」


7体の粘土兵が飛びかかった。


デーモンは反応する暇もなく、彼らに囲まれ、全方向から攻撃を受けた。一つを防ぎ、別のをかわしたが、数の多さに圧倒された。刃が強化された皮膚を切り裂き、深く傷つけた。


「くそ——お前——!」


カイが動いた。


空中に飛び上がり、武器が再び変化——魔法を帯びた槍が握り手に形成された。


「死ね。」


鋭い突きで、彼は槍をデーモンユーザーの胸に突き刺した。


その生物は息を詰まらせ、唇から血が飛び散った。


魔法の槍が脈打ち——そして爆発した。


デーモンの体は砕け散り、その本質は現実から引き裂かれた。


戦場が静まり返った。


カイは軽く着地し、武器から血を振り払い、ニュートラルな構えに戻した。


アイカは不安定な息で振り返った。「あなた… 倒したんだ。」


カイはメガネを直した。「当たり前だろ。」


戦いを見守っていた残りの兵士たちはためらい——そして歓声が爆発した。


「デーモンユーザーを倒したぞ!」


「エンジェル・スクワッド、ほんとすげえ!」


士気が変わった。


初めて、戦場は完全に絶望的ではないと感じられた。


アイカは杖を地面に突き立て、決意に燃える目で魔法を放った。魔法が心臓の鼓動のように脈打ち、生のエネルギーが空気に渦巻き、地面自体が動き始めた。


カイの目が見開いた。石と金属が集まり、巨大な何かへと形を成した。


「アイカ?! マジか! お前の魔法力が高いのは知ってたけど、これ——」


言葉を終える前に、構造が完成した——戦争の混沌の中で堅固に立つ、完全な医療シェルターだった。


アイカは深く息を吸い、額の汗を拭い、叫んだ。「負傷者を全員連れてきて! 私が医者になる!」


兵士たちはためらわず、負傷者を運び、顔には新たな希望が宿っていた。


カイは息を吐き、頭の後ろを擦った。「じゃ、俺は護衛任務だな。」


さらに兵士たちが到着し、その中にはデミヒューマンも数人いて、壊れた空の下で魔法の武器がきらめいていた。彼らはまだこの戦いから脱落していなかった。


その一人、カイにニヤリと笑いかけた。「まだまだ仕事が山積みだな。」


カイは武器を握り締めた。


「そうだな。始めようぜ。」

了解しました! 章のタイトルですね:


章のタイトル:悪に立ち向かえ! 第2部


読者の皆さん、この章の書き方は気に入りましたか? アクション満載の展開やキャラクターのやり取りはいかがでしたか? ぜひ感想を教えてください! この物語を一緒に楽しんでくれて、本当にありがとう!

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