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新たな敵 パート2

彼は洗練された先進的なサイバネティックアーマーに身を包んでいた。その装甲には複雑な彫刻が施され、プレートに沿って走っていた。彼の長い髪は虚空のように暗く、まるで見えない流れに捉えられたかのように不自然に揺れていた。彼の目——深く血のように赤い——は何か不浄で、古代のものに輝いていた。


マーカスはグリップを固め、前に進んだ。彼は巨大なトライデントソードを抜き、その重さが手に馴染んでいた。刃は薄暗い光の下で輝き、鎖の部分がわずかにガタガタと音を立てながら、彼はそれをその人物に向けた。


「彼の魔力は完璧だ…」マーカスはつぶやき、彼から放たれるエネルギーの重さを感じていた。


ローズは尻尾をピクピクさせながら鼻で笑った。「当たり前でしょ、馬鹿。誰でも分かるわ」


マーカスはうなり、グリップをさらに強く握った。「なぜ悪魔のために働いているんだ…? 人間だろう!」


男の唇が軽蔑の笑みに歪んだ。


「人間?!」彼の声は嫌悪に満ちていた。「その価値のない臓物の欠片たちと一緒にされるなんて、よくも言えたな!」


カイが少し前に進み、姿勢を調整した。「作戦は、アーニク?」


だが——


カイが話し終えた瞬間——


エネルギーの爆発が起こった。


アーニクはすでに動いていた。


一瞬にして、彼は男の横に現れ、拳は生のエネルギーでうねり、変異の力でバチバチと火花を散らしていた。


チームの安全を危険にさらすわけにはいかない。彼は未知の存在だ。


彼の拳が突き進んだ。


男はわずかに頭を傾け、ゆっくりと自信に満ちた笑みを浮かべてアーニクの視線に応えた。


アーニクの拳は彼の全力を込めた直接攻撃で、変異の力を背負っていた。


そして——


カラン。


男はそれを片手で受け止めた。


全員の目が見開かれた。


「ありえない…」カイは武器を握りしめながらつぶやいた。


アーニクの腕が震えた。弱さからではなく——もっと恐ろしい何かからだった。


私の動きを読まれた。


男のグリップが締まり、アーニクを完全に止めた。彼の笑みは揺らがず、血のように赤い目が楽しそうに燃えていた。


男のニヤリとした笑みが広がり、アーニクの手をさらに強く握りしめた。


「それだけか? お前の力はみじめだな」


戦場に響き渡る不気味な音。


アーニクの叫び声が空気を切り裂いた。


ためらうことなく、ローズとマーカスが突進した。


マーカスはトライデントソードを振りかざし、蓄えられた魔法を破壊的な弧で解き放ちながら突進した。彼の突進の力で地面がひび割れた。


同時に、ローズはヤリを正確に突き出し、男のアーマーを貫こうとした。


だが——


彼はニヤリと笑った。


彼の体から魔法の脈動が爆発した。


数十本の剣が空中に現れ、刃の嵐のように彼らに向かって飛んできた。


マーカスとローズは即座に反応し、飛んでくる攻撃を切り裂き、武器が完璧なリズムで動いた。鋼のぶつかり合う音が響き、彼らはその中を切り抜けた。


だが——


彼らが彼にたどり着く頃には、彼は消えていた。


アーニクは砕けた手を握りしめ、歯を食いしばった。


アイカが彼に向かって走り、両手が癒しの魔法で輝いていた。「アーニク——!」


彼の目が見開かれた。「アイカ、後ろ!」


背後に不気味な気配が迫っていた。


男がそこにいて、魔法の刃を高く掲げ、その刃先が致命的な意図で輝いていた。


アイカは首を振り返る間もなく、刃が彼女の首を切り落とそうと振り下ろされた。


だが——


パキン!


鞭のような鎖が男の手首を巻きつけ、刃をアイカの首から数インチのところで止めた。


カイはしっかりと立ち、武器を流動的に握っていた。彼の表情は読み取れなかった。


「させない」


男は興味をそそられたように唸った。


彼は鞭を掴み、強く引っ張った——が、その瞬間、カイの武器が再び変化した。


鞭からウォーハンマーに、引き寄せる途中で変形した。


ドカーン!


不意を突かれ、男は盾を上げる暇もほとんどなかった。衝撃で彼は後ろに滑り、埃が周囲に舞い上がった。


カイは鋭く息を吐き、武器を強く握り直した。「やっぱりな」


アイカは振り返り、手を震わせながら再びアーニクのそばに跪き、彼を癒そうとした。


だが——


男は彼らに休息を与えるつもりはなかった。


バチバチと鳴る魔法エネルギーの球がアイカの方向に飛んできた。彼女は反応する暇もほとんどなく、杖が脈動し、魔法のバリアを張った。衝撃は彼女の体に衝撃波を送り、その力で膝がガクガクした。


アーニクは歯を食いしばった。彼は戦いの重圧を感じていた。


これで遅れるわけにはいかない。


砕けた手は耐え難い痛みで脈打っていたが、彼はそれを妨げにさせなかった。彼の変異が生き返り、血管から熱が放たれた。炎が腕を這い上がり、激しく揺らめいた。彼は集中し、エネルギーが急上昇し、壊れた骨を無理やりつなぎ合わせ、まるで変異そのものがダメージを認めないかのようだった。


彼は咆哮し、突進した。


男は反応する暇もほとんどなく、アーニクの燃える拳が落ちてきて、その熱で周囲の空気が歪んだ。


だが、彼は速かった。


最後の瞬間で体をひねり、攻撃の大部分をかわし、報復として刃をアーニクに向かって振り抜いた。


マーカスはすでに動いていた。


彼はトライデントソードの鎖を握り、鞭のようにはった。刃は男の腕に巻きつき、それを固定した。


マーカスが引いた。


その力で男は近くのビルに飛ばされ、建物が彼の周りで崩壊した。


埃が収まる前に——ローズとカイが彼に襲いかかった。


戦いは容赦なかった。


全員が前に進み、攻撃は協調し、動きは鋭かった。


アイカの両手はバフ魔法を放ち、彼らのスピードと力を増幅し、スタミナを強化した。続けろ。押し続けろ。


戦場は混乱そのものだった。


マーカスの剣は不可能な角度から攻撃し、男を追い詰めた。アーニクは拳を地面に叩きつけ、地面を割る震動を送った。ローズは攻撃の合間を縫い、ヤリがサイクロンのように回転し、突くたびに正確で致命的だった。


それでも——


彼はまだ持ちこたえていた。


男は楽々と反撃し、かわし、受け流し、そのスピードはほぼ人間離れしていた。


建物の衝突の力で砕け、瓦礫が戦争の嵐のように降り注いだ。


カイは銃を構え、発砲した。


バン。バン。バン。


魔法の弾丸が男の胸に向かって一直線に飛んだ。


何も起こらなかった。


弾丸は彼のアーマーに無害に消散し、ほとんど影響を与えなかった。


カイの目が細まった。魔法の武器でしか彼を傷つけられないのか?


「ちっ、だろうな」と彼はつぶやき、武器を剣の形に戻した。


近づかなければならなかった。


戦いは続いた。


煙と埃が空を覆い、破壊の響きが崩れゆく通りを響かせた。機械はスクラップの山となり、地面には砕けた武器と焦げた瓦礫が散らばっていた。空気は血の金属的な匂いと燃える魔法の匂いで濃厚だった。


その混乱の中、アイカは素早く動き、回復のエネルギーで輝く手で仲間たちの間を縫った。誰かがよろめくたびに、彼女がそこにいた——傷を癒し、バリアを強化し、彼らを立たせ続けた。


カイは彼女が肩の深い傷に魔法を押し当てるとうめいた。「そんなに乱暴にしなくてもいいだろ?」


アイカは目を転がした。「攻撃されなきゃ、こんなに癒す必要もないのに」


ローズは口の端の血を拭い、ニヤリと笑った。「彼女が請求しないだけありがたく思いなさい」


アーニクはアイカが彼に触れてもほとんど反応せず、戦場に焦点を固定していた。「時間がない。動き続けろ」


アイカはためらい、頷き、魔法を止めなかった。


その時——


重い沈黙が降りた。


全員が荒々しく息をしながら立ち、戦場は周囲に廃墟と化した。煙と埃が空を満たし、彼らの戦いの響きが都市の崩れゆく残骸にまだ響いていた。


男はそこに立ち、サイバネティックアーマーはひび割れ、体には傷が刻まれていた。それでも——彼は癒えていた。傷は閉じ、ダメージは修復され、血のように赤い目が怒りと楽しさの間で輝いていた。


アーニクとマーカスは堂々と立っていた。他の者たちが息を整えるのに苦労している中、彼らはまだ強く持ちこたえ、体は揺らがなかった。


男は鼻で笑い、指を動かしながら再生を続けた。「お前たち二人…ここではお前たちだけが強い」


マーカスとアーニクは一瞬視線を交わし、頷いた。


言葉は必要なかった。


彼らは突進した。


男は怒りを爆発させ、うなった。突然のスピードで、彼はマーカスとの距離を詰めた。


マーカスが反応する前に、強烈な一撃が彼の胸に叩き込まれた。


その衝撃で彼は飛ばされた。


彼の体は砕けた瓦礫を突き破り、コンクリートと金属がその力で崩れた。埃と瓦礫が彼の周りで爆発し、彼の手から武器が滑り落ちた。


だが、アーニクはすでにそこにいた、彼を援護するために!


彼の燃える拳が男の肋骨に激突し、衝撃波を放った。


男はよろめき、咳き込んだ。


そして——


ゆっくりと、喜びの笑みが彼の顔に広がった。「嬉しいよ…」彼の目がさらに輝いた。「どうやらお前がその者だ…複数の変異を持つ者」


アーニクは答えなかった。


代わりに、彼は男の顔に不意打ちをくらわせた。


男はよろめいたが、すぐに体勢を立て直し、唇の血を拭った。「なるほど、あまり喋らないタイプか」


アーニクは限界に達していた。体は止まれと叫んでいたが、彼の中の何かがそれを拒否した。


その時——


それが起こった。


彼の変異が変化し、進化した。


エネルギーが彼の周囲でうねり、炎が新しい形にねじれた。


剣。


アーニクは自身の変異から剣を鍛え上げた。


カイの目は見開かれた。「彼は…限界を超えている」


「お前はまだ私を当てなきゃ——」男が言いかけた。


だが、アーニクはすでに突進していた。


一瞬の動き。


一閃。


男は凍りついた。


彼の目が信じられないと見開かれた。


彼の手がなくなっていた。


アーニクはニヤリと笑った。「これで私の手への報復だ」


男は叫び、目が怒りで狂ったように揺れた。彼の体は怒りで震え、傷が再び再生した。


「ただの人間に傷つけられるはずがない!!」


ローズは目を細めた。なんて赤ちゃん。


そして——男はキレた。


彼は全力で動き出した。


彼の動きは不規則で、怪物じみ、攻撃は以前より速かった。アーニクはかろうじてついていけた。打つごとに彼はよろめき、圧倒的な力に体が壊れていった。


そして——


アーニクは前に突進した。


男が反応する前に、アーニクは彼を強く抱きしめた。


そして——彼は燃え上がった。


彼の体から激しい炎が爆発し、二人を焼き尽くす業火に飲み込んだ。


「アイカ!」カイが叫んだ。


アイカはためらわず、手を前に出し、重力魔法が脈動し、マーカスのトライデントソードが彼の手に飛んだ。


マーカスはそれを掴み、目が鋭かった。


その瞬間、アーニクは男を押しやり、ちょうどマーカスの待つ刃に突き刺した。


トライデントソードが彼の胸を突き刺した。


「ノオオオ!!!」男が叫んだ。


彼は残りのすべての魔法を集め、最後の一撃を準備した。


だが、彼は遅すぎた。


動きの閃光。


ローズ。


彼女は突進し、ヤリが雷のように空を切った。


そして——きれいな一閃。


男の首が地面に転がった。


ローズは刃の血を振り払い、ニヤリと笑った。


「遅すぎ」


戦いは終わった。

読者の皆様、ありがとう!戦闘を楽しんでいただけたことを願っています!

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