新しい武器
戦争会議室は息を詰まらせるような沈黙に包まれ、疲労と口に出されない悲しみで空気が重かった。薄暗い天井の照明が、テーブルに座るエンジェル・スクワッドのメンバーに長い影を投げかけていた。彼らの体は傷つき、傷口は急いで包帯で巻かれていた。戦闘の重みがまだ彼らにまとわりつき、骨の髄まで染み込んでいた。
アルニクは指を動かし、前腕に巻かれた包帯が引っ張られるたびに顔をしかめた。彼の腕には深い切り傷が刻まれ、敵がどれほど近くまで迫ったかを思い出させた。ローズは少し前かがみになり、息をするたびに肋骨が痛んだ。アイカの手は水の入ったカップを持つとわずかに震え、彼女の魔法はほぼ枯渇していた。カイの焼けた肩は固まり、制服は最後の攻撃の波でまだ焦げていた。
そしてマルクス——彼は帰還してから一言も発していなかった。
彼はテーブルの端に座り、姿勢は硬く、頭を少し下げていた。コートは破れ、乾いた血で汚れていた——その一部は彼自身の血で、一部はそうではなかった。彼の視線は目の前のテーブルに固定され、動かなかった。
「マルクス」と、アルニクがようやく沈黙を破った。声はかすれていた。「何か言えよ。」
何もなし。
マルクスは身じろぎもせず、反応もせず、部屋にいる誰をも認めなかった。
アンドリュー・ハンダーフォールはテーブルの先頭に立ち、腕を組んでいた。彼の鋭い視線はマルクスに注がれていた。彼はこれを以前にも見たことがある——戦場から戻った兵士たちが、救えなかった全てのものの重みに溺れている姿を。
「お前はできることは全てやった」とアンドリューは落ち着いた声で言った。
マルクスの指がテーブルに触れてわずかに動いた。
「お前は無数の命を救った」とアンドリューは続けた。「あの戦闘は勝てるものではなかったが、俺たちは脱出した。それには意味がある。」
それでもマルクスは答えなかった。
ローズは肋骨の痛みをこらえながら腕を組んだ。「マルクス…」彼女の声はいつもより静かだった。「あの子のことは…お前のせいじゃない。」
マルクスの指が拳に握り締められた。
全員を救えなかったなら…何の意味がある?
その言葉が空気中に重く、息を詰まらせるように漂った。
そして——
笑い声。
大きく、鋭く、緊張を切り裂くような笑い声。
ドアが勢いよく開き、クラウンがいつもの笑みを浮かべて悠然と入ってきた。彼の足音が重い沈黙の中に響き、両腕を大げさに広げた。
「その通り!」
ローズは姿勢を正し、顔を怒りで歪めた。「お前、ほんと病気だな。」
クラウンはニヤリと笑って彼女に向き直り、動じなかった。「俺が間違ってるって言うのか?」
全員が振り返り、疲労は一瞬、苛立ち——あるいはカイの場合、純粋な恐怖——に取って代わられた。
「やばい」とカイがつぶやき、こめかみをこすった。「始まったよ。」
クラウンは近くの椅子にもたれかかり、マルクスの方に首をかしげた。「その考え方、いいよな、坊主。なんの意味があるんだ? そもそも誰かを救う必要なんてあるのか? だって、どうせ後で死ぬんだろ?」彼の笑みが広がり、目に危険な光が宿った。「それが戦争だよな?」
マルクスのテーブルを握る手が強くなり、息はゆっくりと制御されていた。
アルニクはクラウンを睨みつけた。「今じゃない。」
クラウンは無視して部屋を歩き回った。「でも、お前は人を救ったよな? 実際、かなりの数を。」彼はアンドリューに向かって怠惰に手を振った。「ここの大将もお前はよくやったって言ってる。でも見てみろよ。」彼の視線がマルクスに固定され、笑みがより鋭くなった。「ここで悲しい子犬みたいに座って、なんであの子の命を救えなかったかって悩んでる。」
マルクスの顎が固まった。
クラウンは少し身を乗り出し、声をわずかに下げ、刺すように言った。「教えてくれよ、マルクス。お前が代わりに死んでたら、あの子は何人の命を救えたと思う?」
沈黙。
マルクスの息が一瞬止まり、肩がわずかに動いた。
クラウンは笑い声を上げ、姿勢を正した。「俺の見方だと、お前はまだ生きてる。ってことは、選択肢は二つだ。」彼は二本の指を立てた。「一つ、救えなかった人たちのことで泣き続けて、その中に溺れるか。もしくは二つ…」彼は一本の指を下ろした。「強くなるんだ。次は誰も失わなくていいくらい、強く。」
部屋は完全に静まり返った。
そしてクラウンの笑みが鋭くなり、声がさらに低くなった。「そして、必要なら——誰が相手でも——より大きな目的のために犠牲にする覚悟が必要だ。」
マルクスは鼻からゆっくりと息を吐いた。彼の手はわずかに緩んだが、目の嵐は消えなかった。
「……もっと良い武器が必要だ。」
クラウンはニヤリと笑い、両手を叩き合わせた。「それでこそだ。」
アンドリューの視線がアルニクに向かい、口調は揺るがなかった。「ただし、お前には関係ない。」
アルニクは目を瞬かせた。「何? なんで!?」
アンドリューは腕を組んだ。「お前の変異のような能力を持つ者にとって、どんな魔法のアイテムも邪魔になるだけだ。自分の能力と戦うことになる。」
アルニクはぶつぶつ文句を言い、腕を組んだ。「言いたいことは分かるけど…」彼は少しむくれて、床を蹴った。「それでも不公平だろ。」
カイはニヤリと笑い、肘で彼をつついた。「元気出せよ。もう生まれつき超能力持ってるじゃん。」
「それとは違う」とアルニクがつぶやいた。
ローズは笑い、首を振った。「アンドリューがまた講義を始める前に、さっさと動こうぜ。」
チームは基地の薄暗い廊下を進み、疲労がまだ体に重くのしかかっていた。強化された鉄の床に響く足音だけが聞こえた。
ドアがシュッと開き、チームは武器試験施設に足を踏み入れた。空気は潜在的なエネルギーのうなり声で厚く、壁には実験的な武器が並んでいた——それぞれが未活用の可能性を帯びて脈動していた。
アンドリューは中央に立ち、腕を組み、鋭い視線でチームを見渡した。クラウンはテーブルにもたれ、いつも通りの笑みを浮かべていた。
そしてタカシマがそこに立ち、輝く魔法のオーブを持っていた。
オーブは脈動し、魔法の区分に使われるものと不気味に似たエネルギーが渦巻いていた。淡い輝きが彼のメガネに反射し、表情は読み取れなかった。
アンドリューが鋭い表情で歩み寄った。「その武器が必要だ。」
タカシマは鋭く息を吐き、輝くオーブを握る手が強くなった。「最後に言うが、まだテスト中だ!」
「お前も俺たちの立場は分かってる」とアンドリューは反論し、声は落ち着いていたが確固としていた。
タカシマの顎が固まった。「分かってる、だがテストされてない武器を渡すわけにはいかない。戦闘中に故障したら——」
マルクスが一歩前に出た。
彼の目は何か暗いもの——深く、容赦ないもの——で燃えていた。
タカシマは一瞬ためらった。
初めて、冷静な研究者が…動揺したように見えた。マルクスの視線には何かがあった——部屋を冷たく、重くする何か。
クラウンは隅で笑った。「まあ、最高のテストは戦場だって言うからな。」
タカシマは肩をすくめ、ため息をつきながら輝くオーブを手に持った。その表面は液体の光のように脈動していた。
「並んでオーブに触れてくれ」と彼は苛立ちを帯びた口調で指示した。
カイはうめき、腕を組んだ。「またこれかよ?」
タカシマは鋭い視線を向けた。「ああ、まただ。このオーブが各人に最適な魔法の武器を決める。適当に剣を渡して終わりじゃない。」
ローズはニヤリと笑い、拳を鳴らした。「いいね。どんなのが出るか楽しみだ。」
マルクスが最初に進み出て、オーブに視線を固定した。彼の指はわずかに震え、目の炎は消えなかった。
タカシマは慎重に彼を見た。「準備ができたら。」
カイが肩を回し、渋々オーブに手を置いた。指が触れた瞬間、部屋は眩い光に満たされた。
エネルギーが彼の腕を流れ、熱が湧き上がり、何かが彼の手の中で形を取り始めた。他のメンバーが身を乗り出し、武器が現れると目を見開いた。その輝きはほとんど目くらましだった。
「なんだこれ?」アルニクがつぶやいた。
光が消えた。
全員が見つめた。
カイの手には…金属の棒。
剣の柄付き。
沈黙。
そして——
ローズが爆笑し、脇腹を押さえた。「プッ——それだけ?! あの大袈裟な輝きで高級な棒?!」
カイの目がピクッと動いた。「黙れ。」
ローズは涙を拭った。「いや、マジで——刃はどこ? オーブ間違えたんじゃね?」
タカシマは武器を調べ、あごを擦った。「ふむ…面白い。」
カイはため息をつき、柄を握る手が強くなった。「最高だな。みんなはちゃんとした武器なのに、俺は高級バトンかよ。」
タカシマはニヤリと笑った。「早まって判断するな。これ、見た目以上に強力かもしれないぞ。」
カイは納得してなかった。「棒だぞ。」
アルニクは彼の肩を叩き、ニヤリと笑った。「昔ながらの殴り合いで頑張れよ。」
カイはうめいた。「お前ら全員嫌いだ。」
カイの目が驚きで見開かれ、手の中の金属が液体のように波打ち、伸び始めた。数秒でそれは滑らかで完璧にバランスの取れた剣に固まった。
「うわ」とアルニクがつぶやいた。
ローズは好奇心で目を輝かせ、身を乗り出した。「お…これは結構かっこいいな。」
全員がカイの手の中で武器がシームレスに変形するのを見つめた。
タカシマは腕を組んだ。「これは『無形の刃』と呼ばれる。」
カイは剣の重さを試し、握りを強めた。「無形?」
タカシマは頷いた。「お前の意志に応じてどんな武器にもなる。瞬時にニーズに適応する。」
カイのニヤリとした笑みが戻った。「これなら話は別だ。」
手首を軽く振ると、剣は元の棒の形に溶け戻った。
アイカは首をかしげた。「じゃあ、剣だけじゃないの?」
「いや」とタカシマが確認した。「意志に応じて反応する。ハンマー、槍、集中すれば鞭にさえなる。」
カイの目は興奮で輝いた。「おお、これは楽しそう。」
タカシマはニヤリと笑った。「調子に乗るな。まだ使いこなさないといけない。」
カイは棒を指の間でくるくる回し、肩に担いだ。「はいはい、分かったよ。」
アンドリューは腕を組んだ。「よし、次は残りのメンバーの武器を見よう。」
他のメンバーが前に進み、期待が高まった。
読者の皆様、本当にありがとう!あなた方のサポートが物語をさらに輝かせます!気に入った場合も、嫌いだった場合も、ぜひ最初にレビューを残してください!




