突拍子もない提案をする夢を見た話
「ならば、ご自身が教祖となられては?」
「……は?」
という会話から始まる夢を見ました。
背景としては、恐らく婚約者同士の交流を目的としたお茶の席だと思います。
会話をしているのは、宗教対立による隣国との戦がどうの・敬虔な国教の信仰者の減少がどうの・邪教がどうので頭を痛めている王子と、よくある転生者と思しき少女。
無意識ながらも日常的に八百万の神々をそこかしこに感じて(?)生きてきた典型的日本人のアラサー女子だった少女にとって、神が一柱だろうがそうでなかろうがどうでもよく。
むしろ『不満があるならテメェでどうにかしろや。権力だけは無駄に持ってんだろ?あぁん?』的精神で言ってみただけだったのだが。
「教祖とは、どういう立場の者を指すのだろうか」
割と真剣に問うてくる王子。
んもう!!真面目か!!
「教祖とは、教え導く者のことです」
おい、婚約者!!(ありがちだが公爵令嬢)
お前はお前で真面目すぎるわ!!
ていうか、スゲェ良いこと言ってる風だけど、王子を隠れ蓑に興そうとしてるのがズンドコベロンチョ教だってこと、私は気付いてますよ……?
「なるほど……」
王子!!
何も1つもなるほどじゃないから!!
いや、ある意味、日本的な多神教はおおらかだし許容範囲も広いけど。
アンタの時代、異端ってだけで火あぶりの刑とかままあるし、王子が火だるまになるとか洒落にならないから!!
惑わされないで……!!(切なる願い)
「私は、民が笑顔で日々を過ごせる国にしたいと思っている。なんてろ嬢(婚約者の公爵令嬢)の言うように、自身の責任で好きなものを大切にし、好きだと公言できたなら……」
王子、アウトーーー!!
……と。
思ってしまった瞬間が、私にもありました。
なんかねぇ、中世ナーロッパと現代日本が上手い具合にマッチした挙句、めっさ栄えた。
ズンドコベロンチョ教、ミントかドクダミかってくらいの繁殖力で広まったよね。
なんだろ。
結局のところ、自身の責任で好きなものだけを心ゆくまで愛でていいのなら、争いなんて生まれないのかもしれない。
※ズンドコベロンチョ教:部屋にポスター等を飾って推しを愛で、推しを愛でられる環境に感謝し、毎日三回の歯磨きを欠かさない健全な(単なる)推し活