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下克上奴隷 〜平民から奴隷になった俺が、天賦で成り上がる〜  作者: れれ
第1章 ノヴァ連合王国を目ざして
8/8

第八話 始まり

ここグランディアス領ではよく雨が降る。

年間の60%は雨模様だ。



「随分走ったけど追手は来てねえみたいだな」



ジンとマディルカ奴隷収容所を脱出して3時間ほど経つだろうか。


収容所にいた間、ノヴァ王国について看守たちの話を小耳にしたことがある。

ノヴァ王国はグランディアスの南に位置するらしく、いくつかの王国がグランディアス魔帝国に対抗するため

連合国として合併し設立されたのがノヴァ連合王国らしい。

元々はグランディアスと複数の王国が戦争をしていたらしいけど、劣勢だった王国側がグランディアスの波を

退けるために連合王国として一つになったとか。

簡単に言えばグランディアスは魔族の国、ノヴァは人間の国だ。人間対魔族で争ってる。


なので俺たちはノヴァ王国を目指して走っていた。冒険者になるためにも。



「随分走ったね、あそこに小屋があるしちょっと休憩しよう。」



南に下る道中、小屋を見つけたおれとジンは休憩することにした。



「ルシード、ノヴァまではどれくらいの距離があるんだろうな」

「わかんない。でもノヴァまでは陸続きらしいからこのまま走ればいつかは着くよ」

「能天気な野郎だな!今のところ追手は来てねえけど、用心はしておこうぜ」



用心するに越したことはない。俺たち人間からしたらここは敵地なのだ。


何にもまず武器がいるなあ。いくらノヴァ・エターナルで魔神をまとって敵を倒せるとしても、

看守のダークオークより強い相手と戦うことになるかもしれないしそうすると武器がツルハシじゃ心伴い。


よし。南下しつつ町を探そう!魔族の町だからリスクはあるけど武器も防具もないんじゃ不安だし。



「おい、ルシード見ろよ!グランディアスの地図があるぞ!これはツイてる」



ほんとに地図がある!ナイスすぎるジン。さすがは頼れる相棒。

グランディアスの位置関係がほとんどわからないまま脱出したからこの発見はありがたい。



「収容所の南に町があるな。たぶんこのまま南にいけば着くだろう」

「"バビロンシティ"って書いてあるね、とりあえずここを目指そう」



"バビロンシティ"なる町がこの先にあると分かったので、ここで武器を探す。



「金もないことだし、道中で魔物倒してお金稼ぎしない?」

「名案だな!魔物のドロップ品でいくらか稼げるだろ」



そうと決まれば善は急げだ。

早速小屋を出て"バビロンシティ"を目指して再び走り始める。

収容所を脱出してからずっと雨だし全身ずぶ濡れだよ、、熱いシャワーを浴びたい。切実に


そんなことを思いながら走ってると、さっそく数匹の魔物を見つけた。



「おっ、あれは確かオーガだ。看守のオークどもより一回り強い種族だがやれるか?」



ジンは早くも戦闘態勢についてる。看守に比べたらちょっと強そうだけど、いけそうな気がする。



「よし、行こう」

「オーケー!」



ジンが隠密スキルを使用して走り始めた。雨の影響もあって足音は完全に消えているし気づかれる様子もない。

オーガの背後まで来たジンは、例のごとく思い切りツルハシを振った。



「グオオオォ?!」

「かすり傷しかついてねえ!」



ツルハシとはいえ先端は鉄でできているし鋭利に尖ってるのに傷つく程度か...

やっぱりオーガともなるとある程度耐久力があるんだ。



「頼むぞ、ルシード!」



俺も一気にオーガに距離を詰め、ノヴァ・エターナルを纏う。紫色の魔神が現れてオーガたちは驚いた顔をした。


前の看守も驚いてたけど、やっぱこういう自分にまとうスキルってあんまり見ることないのかなあ、、

それとも魔神に驚いたのか、、


そんなことを思いつつも、剣をふるう要領で、ノヴァ・エターナルを纏った俺は右手をふるう。

魔神の右手に現れた剣が、そのままオーガを切り裂いた。


両断されたオーガがおびただしい量の血を流してそのまま地面に倒れた。



「よっしゃあ!そのままもう一匹だルシード!」



うなづいてもう一匹のオーガに剣を振ろうとした瞬間、おれの視界は炎に包まれた。


炎魔法、、?!やばい、、

炎が顔に直撃し、俺の頭を包んでるようだ



「ルシード!大丈夫かッ!」



やばいかも。炎魔法なんてくらったの初めてだし、そもそも魔法攻撃を受けたのも初めてだよなそういえば。

おれのキレイな顔面が、、、



「あれ?なんか熱くない」



炎が顔面に直撃して燃えてるのになぜか熱くない。痛みもないし。



「おいおいマジかよ、お前の天賦ガードもできんのか、、」



ため息をつきながら呆れた顔でジンが俺を見ている。


えー、さっきの心配そうな声はどこに行ったの..でもこれなら、、

炎を振り払うと、おれの頭はノヴァ・エターナルの魔神の衣で覆われていた。



「そういえば自動ガードもできるって天賦の説明にあった気がする!」

「ほんとチートだなお前の天賦」



一番驚いたのは炎魔法を使っておれの頭も丸焼きにしたと思っていたオーガだろう。

火傷一つない俺の顔をみて、口をポカーンと開けている。


ごめんね。殺ったと思ったよね。おれも死んだと思ったよ


一気にオーガに距離を詰めて一匹目と同じように両断した。



「こりゃあ、案外楽勝でノヴァまで行けるかもな~」



ジンがニヤニヤしながらオーガからドロップしたであろうアイテムを品定めしている


こっちは死んだかと思ったのに何でそんなうれしそうなのジン..

なんか悲しいよおれ。

まあ無事勝てたしアイテムもドロップしたみたいだから良しとしよう。



「"オーガのだんび"らか、思いがけず武器が手に入ったな!」

「だね、"バビロンシティ"で買う予定だったけどこの剣を使おう」



二本ドロップしたオーガのだんびらをジンと装備したら、ちょっと様になった気がする。



「目当ての武器は手に入ったけど情報も欲しいしこのまま"バビロンシティ"目指そうか」

「そうだな、どのみちノヴァは南だ 道中だし行くべきだな」



俺たちは上機嫌でまた南下し始めた。











お読み頂きありがとうございます!


八話から1章始まりました!

楽しんでいただけると作者も嬉しいです!!


少しでも面白いと思っていただけた方はブクマ、評価を頂けますと、

作者のモチベーションにつながります!


随時更新していきますので宜しくお願い致します

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