第一話 奴隷ライフ
--酷い土砂降りの雨が降っている--
ここ魔帝国グランディアスでは真っ黒の雨が降る
時刻は午前5時 。
土砂降りの真っ黒い雨の中、いつもの看守長の声で俺、イル・ルシードは叩き起される
「ヴォケどもーーーーッ!! 一体今は何時だ??そう朝の5時だッ!
テメーらボケ奴隷どもの起きる時間だッ!
ママの暖かいミルクとマフィンが欲しけりゃ今すぐあの世に送ってやる!
今日も生き永らえたいならツルハシを持って帝国のために身を尽くせッ!
返事はイエッサー以外許可しない わかったか愚図虫どもッ 」
ーーイエッサー!!ーー
土砂降りの雨の中で奴隷たちの返事が響いた。
他の奴隷たちがぞろぞろと檻の中からツルハシを持って外に出ていく。
ここマディルカは、魔帝国グランディアス領の西端にある、奴隷収容所だ。
マディルカにはグランディアス領で採れる魔力を溜め込んだ鉱物、
クロムライト鉱石が潤沢にあるマディルカ鉱山がある。
マディルカ奴隷収容所とマディルカ鉱山は隣り合わせに位置するため、奴隷を鉱石採掘に従事させるにはうってつけなのだ。
「くそっ、雨のせいで掘った斜面が飛び散って全身泥まみれだ 」
水を浴びれるのは週に1度。
昨日浴びたばかりなので泥まみれ状態でこれから1週間過ごさないといけないことが確定した。
「ここにきてもう2年か」
俺は10歳の誕生日にノヴァ連合王国領にある故郷の村で奴隷として攫われた。
両親を殺され町は焼かれた。
生き残った村人を労働力とするため、グランディアス軍が奴隷として帝国に連れ帰ったのだ。
奴隷制度が合法のこの世界ではよくあることだ
強者が闊歩し、弱者は死ぬ。
「ふーーッ 今日も何とか乗りきった!」
夜23時、一日の炭鉱作業を終えた俺は部屋に戻った。
部屋と言っても、ベッドも何も無い打ちっぱなしの檻だが。
俺は1日1回支給される食料、ゴブリンの肉片を食べながら考える
どうやってここを抜け出すか、、
ここに来て丸2年たつけど未だにキッカケすら掴めない。
「おれにすごい天賦でもあれば抜け出す方法はいくらでもあるだろうに…」
天賦とは1000人に1人、天から与えられるという特殊能力のことで、
天賦は使い方次第だが、冒険者はもちろん、一般人であったとしてもあらゆる面で自分に恩恵をもたらす。
天賦にはランクがあり、S〜Bといった評価が着くが、天賦は固有スキルであるため最低ランクのBランク天賦であったとしても有用であることがほとんどだ。
Sランクの天賦などは国にも重宝されるような
覇権スキルの場合もある。
「夢物語だな 実行できそうな脱出計画を考えよう」
おれは天賦どころか、スキル無し、レベルも1のただの奴隷なので現実的な脱走手段を考えるしかほかはない。
「ステータスを確認するか」
相手のステータスを見るには専用スキルかアイテムを使う必要があるが、自分のステータスは誰でも見ることが出来る。
ーーステータスーー
名前 :イル・ルシード(12)
種族 :人間
職業 :奴隷
Lv:1
HP:16
MP:8
スキル:なし
魔法:なし
天賦:なし
・装備
武器:採掘用ツルハシ(F)
頭:なし
体上:ボロボロの麻服(G)
体下:ボロボロの麻ズボン(G)
靴:なし
装飾:ノヴァの指輪(A)
ーーーーーーーーー
自分でも目を疑うくらいのお粗末なステータスだ。
レベルは魔物を倒すかギルドのクエストをこなすのどちらかでしか上がらないため
両方未経験のおれは当然レベル1のままだ
唯一おれに可能性を感じさせるものがあるとすれば、
装飾の『ノヴァの指輪』だよなあ
これは昔故郷に住んでいたころに、ノヴァ王国の一師団が村に来た際
身分の高そうな貴族がなぜかおれにくれたものだ
そのノヴァ王国の貴族は、この指輪はいつか君にとってきっと役に立つ、、と
だけいい小さいおれの指につけてくれた。
いまだに何の能力があるのか、何に使えるのか何もわからないままだけど
『ランクA』装備なので大事にずっと着けている。
ランクA装備など、王都などで買おうと思えば、白金貨1枚はくだらない逸品だ。
貴族が言ってたように、いつか役に立つだろうとは思っているが
現時点ではただの指輪のようなものなので能力の発動条件が何かしらあるのだと思っている。
「明日も炭鉱だ、もう寝るか」
おれはノヴァの指輪を部屋の隅に隠し、打ちっぱなしの冷たい床に寝転がった。
こんな指輪着けてたらすぐに帝国の奴らにとられるからな。守り抜かないと、、
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