連作障害について
連作障害についての解説と予防法
さて、第二彈となる今回は連作障害です。
本稿では、連作障害とは何か、何故おきるのか、そして、その対策と予防について書いていきます。
連作障害とは
植物の分類上、同じ科に属しているものを連続して作り続けることで起こる、病理的、生理的障害を連作障害とよびますね。
簡単に言うと、例えばアブラナ科であるキャベツや大根、菜花などを同じ場所で作っていて、根こぶ病になるといったことです。
何故、連作障害になるのか
連作障害には大きくわけて3つほどの原因がありますから、一つ一つ解説します。
1 欠乏障害
土壌中の特定の栄養素が著しく欠乏することによりおきるものですね。人間でもビタミンの不足で脚気や壊血病になったり、亜鉛不足で味覚障害になることがありますが、植物も例えばカルシウム不足によってトマトの尻腐れやピーマンの芯腐れがおきたり、マグネシウムやホウ素欠乏で葉に異常が出たりします。
2 過剰障害
先ほどと反対に過剰な栄養素によっておこります。
こちらは連作だけでなく肥料のやり過ぎでもおきますが、長いこと畑をやっていると、特定の栄養素が土に残ることはままあります。
3 ウィルスや細菌などによる病理的障害
対策せず同じ科の作物を作っていると、土の中で微生物のバランスが崩れ、悪さをするウィルスや細菌が増え、障害がおきることがあります。
上で紹介した根こぶ病や、じゃがいものそうか病、なすの半身萎ちょう病などがありますね。
対策と予防
対策の話をする前に、同じ所で作るのがダメなら場所を移す輪作や休ませる休耕地を実践すればと思うと思いますが、実際、家庭菜園では現実的ではありません。
例えば、ナス科のなすやじゃがいも、トマト、ピーマンで連作を予防したいのなら、最長で5年は間隔をあける必要があります。
短くする方法に水田のように水をはる方法がありますが、それでも丸一年は使えませんし、何より面倒ですよねf(^_^;
因みに水稲栽培では水田と乾田状態が一年のなかで繰り返されるために、好気性微生物と嫌気性微生物が死滅、繁殖を繰り返すことになり、増えたウィルスなどがリセットされるので土壌由来の連作障害がおきません。
では、どのような対策がお手軽で効果的なのか、
1 腐植を含む堆肥を多く入れる
前稿でも書きましたが、腐植質を含む堆肥による土壌改善は土壌微生物のバランスを整えてくれますし、物理的に土嵩が増せば相対的に増えたウィルスなどの比率が下がります。
2 石灰を正しく使う
アブラナ科の植物でも葉を食べる菜花やキャベツ、白菜などは石灰を多めに入れることで、フザリウム菌の働きを抑えて病気の発生を軽減出来ますし、逆に根菜はそうか病菌が酸性土壌を嫌うので、石灰を少なめにすることで抑えることが出来ます。
3 微量要素不足解消に蛎殻石灰などを使う
マグネシウム不足は苦土石灰を使うことで苦土分が補えますし、蛎殻石灰や貝化石石灰は軽金属類の補給になります。
錆びて使えなくなった鎌などを水に浸けてその水で水やりをすれば鉄分補給になりますし、ダイレクトに畑にぶっさして貰うのもいいです(笑)
作物に必要な栄養素は
大要素として三つ
窒素 リン酸 カリウム
中要素として二つ
カルシウム マグネシウム
そして、その他微量要素
ホウ素 マンガン 鉄分 硫黄 など
となります。
化成肥料などでは大要素が苦土石灰を使えば中要素が補えますが、どうしても微量要素が枯欠していきますから、有機質資材や堆肥などを入れて補いましょう。そうすることで、土壌の質が改善され、健康な作物が作れます。
健康な作物は健康な土壌からです。
4 農薬を使う
最終的にどうしても連作障害がおきる時は農薬を使いましょう、ナスの半身萎ちょう病などは、起きてしまうと改善が難しいため、ベンレートなどの土壌管注による消毒が必要になります。
日本で販売されている農薬は厳しい基準のもとに登録販売されていますから、使い方を守って使えば、残こう農薬の心配はありません。
まずは土作りをしっかりおこない、おこっている障害を理解して、正しく対策を打ちましょう。
参考になれば幸いです。
お読み頂きありがとうございますm(_ _)m
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