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昔は弱かったってよくあるやつ?

ベタベタ

宮崎恵人は異世界転生を果たした人間である。

恵人はケイトと名乗り、転生の際に得た特典である『レベルアップ』を使いコツコツと真面目に冒険者となり生きてきた。

そしてコツコツ倒した分だけ成長したケイトはその世界の魔の元凶と呼ばれる魔王を倒したのである。


これまたベタな展開ではあるが、魔王はケイトに呪いをかけて、その呪いでぽっくり逝ってしまったのである。


「大丈夫です!また会えますから!」

ラフィの声が聞こえる。目はもう何も写すことはない。

「ああ…それなら…ちょっと眠っとくわ…」

皮膚の感触も、何も無く、純粋な眠気だけがそこにあった。


そして目が覚めたら…!!



「エルダーボアやんけ」

そう、目が覚めたら赤ん坊とかじゃなくて、目の前には思いっきりデカいイノシシがいたのだ。


「いや、確かにお前殺したやんけ!みたいな目で見ないでくれよ、多分俺もわかんねえよ」

俺はオツベルで、キノコの収集依頼をしてて、思いっきり襲われて死んで、蘇ったと。いきなりだったのかな?死んだときの記憶があんまないや。

武器はショートシード、木製のラウンドシールド、皮の鎧に皮のヘッドバンドとか皮手袋か。

C級冒険者なら十分すぎる装備だ。なんか幼馴染にもらった感じだな、死なないように揃えたみたいだけどちょっとかわいそうだぞ幼馴染…。


「え?やるの?やる気満々?」

装備を確認したら戦闘開始になりました。いや、もう一回ころそってなるよね…

とりあえずジャンプして跳び箱みたいにイノシシを飛び越え…って森より高く飛んでるじゃん!

「ステータスオープン!」

自分の情報を知ろうとするが…

「出ない…特典が無くなった?」

しかしこのジャンプ力…能力はそのままっぽいな!


特典レベルアップは敵を倒すとその名の通りレベルが上がる。

レベルが上がると力や耐久力が上がり、魔力も増えていく。そして突然スキルと呼ばれる技だったり、魔法を覚えるのだ。

本来この世界ではレベルという概念が存在せず、鍛えれば鍛える程力や耐久力、魔力を増やしていくのだ。

だから特典があると両方ブーストがかかるチートだった。だが。


「正直レベル上げには飽きたんでね!」

着地。さてC級冒険者オツベルくん!なんでこんなエルダーボアに負けたのかわからんが。仇は取ろう!

突撃してくるエルダーボアにすれ違いざま首に一閃。いい剣だ。幼馴染に感謝しといたほうがいいぞ


「さすがにショートソードじゃ首を刎ねるとはいかないか」

動脈を断たれたエルダーボアは暴れまわる。肉を痛めたくはないのでその辺の石を投げて側頭部にぶつけて昏倒させた。

知識を探るとオツベルくんはどうやらC級でも採取やら探索でランクを上げた人間らしい。

まぁそれでもC級だ。イノシシ1頭狩ったからって…


「お、オツベルくん!凄すぎるわ!」

冒険者ギルドの受付嬢にめっちゃ褒められた。


「まさかあのオツベルがA級のエルダーボアを倒しちまうとは…」

「しかもソロだと!?なんて野郎だ…」

「キノコ博士…とは呼べなくなったな」

…オツベルくん知識によるとキノコ博士はキノコ採取ばっかりやってるオツベルくんの蔑称みたいだ。


なんか腑に落ちない…なんでオツベルくんは死んだんだ?

ぶっちゃけオツベルくんはアレだ、こういってはアレだが、万に一つでも死ぬ可能性があれば引き返す人間だ。

エンシェントボア…とかいう奴はもしかしたら勝てるレベルだったのかもしれないが…。


「オツベルにいちゃん!!良かった生きてた!!」

いきなり幼女に抱き着かれた。検索!OKオツベルくん!

お、幼馴染の妹のサレアちゃんか。この娘が森に勝手に入って、ボアを引き付けるために戦ったのね。

オツベルくんは主人公体質だったのかもしれないな…あと黙って命を捨てる人間じゃないから勝算はあったのかもしれない。

「オツベル!!」

っとこれが幼馴染のサーラちゃんかな?HIオツベル!目の前の女の子を教えて。


「バカァ!!」

いやいや、ビンタってベタ過ぎない?俺の耐久力ならダメージにはならないけど、結構攻撃力あるよこれ


そしてサーラちゃんは自分の首からペンダントを抜き取る

「やっぱり!!」

ペンダントの先には砕けた宝石が…あ、これ見たことあるわ。

身代わりの水晶じゃん!致死ダメージを身代わりしてくれるダンジョンに挑む時の必須アイテム

2個以上持ってた時に死んだら全部砕けるから1個しか意味ないアイテムだよねぇ。まぁ魔石とエルフの秘術で作るんだけどね…。


「アンタの事だから、これを利用して死んだと見せかけて切りつけるとかやったんでしょ!」

なるほど、驚いているスキにズバっとやればいいのね。オツベルくん頭いいなぁ~


「これの効果が偽物だったらどうする気だったのよ!本当にバカ!」

そんな可能性もあるのか。まぁ田舎で鑑定士とかいないのかな?


そしてサーラちゃんは胸倉をつかむ…少々武闘派が過ぎないかねこの娘

「でも…サリアを…ありがとう…」

胸倉つかんで泣きに来るムーヴか、新鮮ですね。…

…何もしゃべらないのは不自然か。泣かないでってキスでもすればいいのかな?

「ごめん、サーラ泣かないで…」

抱き寄せて頬に口をつける。


「な!なな!!何を!!!」


「お姉ちゃん?」


あれ、俺また何かやっちゃいました?


「ばばばば晩御飯つくってあげるから後でうちに来なさい!!!」

サーラは逃げ出した!って感じだな。

こちらの文化では謝罪と頬にキスをするのです!ってラフィが言ってたんだけど違った?え?


「お、お姉ちゃーん!お兄ちゃんまたね!」

サレアちゃんも一緒にいなくなった。


「案外やるのねキノコくん…」

女性冒険者が尊敬の目で自分を見ていた。


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