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ゆく年くる年

作者: まさかす

『ゆく年くる年』って、そんな名前のテレビだったりラジオだったりの番組があるでしょ? といっても、私は一度も見た事は無いんだけどね。


 でね、その番組名を耳にする度に毎回思ってた事があるのよ。


 ゆく年は「若い私」、くる年は「老いる私」ってね。まあ、単なる言いがかりだわね。フフっ。


 あら? お迎えが来たようだから行くわね。アンタももう若くないんだから体調にはくれぐれも気を付けるのよ。それじゃあ、元気でね。



 雪もチラつく大晦日、母は病院のベッドの上で眠っていた。もうじき年が明けるかというその時刻、その母に繋がれた心電図モニターがフラットを示した。当然母は眠り続けていた訳ではあるが、何故か私には母がそう言ったように思えた。それは母の最後の顔に、笑みが浮かんでいたからかもしれない。


「お母さん、今迄ありがとうございました」


 旅立った母に、私はそう呟いた。果たしてその言葉は、母に届いただろうか。


2020年08月08日 初版

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