第一幕
明らかに現在のラノベ業界に喧嘩売ってるような内容です、はい。
見苦しい作品ですが楽しんでもらえたら幸いです。
chapter 00: prologue
能力者が跋扈する世界で、
人々は忘れつつある。
三度目の大戦の最中で、
大衆は認めないようにしている。
そう、この世界は屍の上に成り立っている。
と、目の前の男は言った。
直後、1発の銃声が鳴り響いた。
ぱたり、とその肉塊は力を喪い、重力によって当然顔で灼熱の砂地に突っ伏する。
ぼくは構えた拳銃を降ろし、つい先程拳銃用弾丸を用いて脳髄を無茶苦茶に破壊したモノを見つめる。
それはかつての友人だったモノ。
結果としてぼくに立ちはだかったモノ。
最早、人と呼べるのか怪しいモノ。
後悔はあった。
少なくとも、かつて仲が良かった友人を撃ち殺したのだから。
良心が痛むのは当たり前だろう。人を殺して笑顔なのは狂人だけの特権だ。
常人――少なくとも自分をそうだとは思わないが――なら自己嫌悪に襲われ、ひどく嫌な気分になるはずだ。
でも、ぼくはそうならない程に人を殺しすぎていた。
そう、ぼくは兵士。
俗に言う、傭兵と呼ばれる戦争の駒の一つなのだ。
彼のぐちゃぐちゃに砕け、その中身を雲一つない空に晒している後頭部を見るのは流石にこたえたので、蹴って仰向けにしてやる。
かつて、上官に死体を蹴るなと叱られた事があったが、死体なんてただの“モノ”に過ぎないのであって、既に生を喪っているものに尊厳もクソもない、とぼくはそういう考えなので蹴ることに罪悪感は感じなかった。
奴の杖を近くの地面に突き刺し、軍人風の弔いを済ましたところでぼくの携帯端末が喧しく鳴り始める。
否、正確にはぼくの鼓膜を喧しく振動させる。
ぼくらの使っている最新型の無線機は既存の小型の機械では無く、こうした前世紀に流行った液晶付携帯電話の様な形状をしている。
と、言ってもこんなもの戦場にあっても邪魔なだけであって便利ではない、ということでぼくらを雇っている経済大国の軍のお偉いさんは技術部に改良を依頼した。
その結果、携帯端末は常にバックパックに詰めていてもOKという仕様になった。
というのも、無線が電話のように端末を持って通話するのではなく、SFなどでよく用いられてい体内無線によるバースト通信に切り替えられたのと、CALL音で敵に場所を知らせてしまう恐れがあのでは?という意見から、鼓膜付近に極小のバイヴレーションを取り付け、CALLと全く同じ周波数で振動する仕組みに変更されており、着用者以外には全く聞こえない仕様に変わったのだ。
いい加減応答しろ、と端末がうるさいので応じようとするが、流石に奴の血で塗れた手で端末を触るのははばかれたので一度携帯していた水筒で洗い流してから通話ボタンを押した。
『―――。』
code 01: Desart soldiers
―無限に続く、砂の丘―
―走る鉄塊は何を告げる―
世界は変わった。
取り敢えず、そう言っておこう。
発端はと言えば、かのカルト宗教の組織が世界中で同時テロを起こしたからだ。
と言ってもせいぜい“五百箇所”程度だが。
当然のごとく、世界は混乱した。
かつての大戦の時と同じように、人々は死という恐怖に襲われながら生活しなければならないようになった。
おまけに、テロの標的が何とその国の軍事基地であり、国軍はすぐに機能しなくなった。
某覇権国家の大統領は演説で、
『許されざる非道』として、唯一被害を“受けなかった”国として盛大に抗議した。
そしてぼくはその一連のテロの被害者だ。
当時、高校生だったぼくは海外旅行好きな父に誘われ、久しぶりの家族旅行へ行った。
向かった先は東ヨーロッパ。
そして、そこでテロに巻き込まれた。
気がつくとぼくは自分が生きていることに気づいた。
あちこちから出血しているのか、傷口に土や瓦礫が入り激しく痛んだ。
でも、ぼくは生きていた。
そして、ぼくの家族は死んでいた。
父は、爆風で下半身を持っていかれ。
母は、破片で原型を留めぬ程体を破壊され。
姉は、巨大な瓦礫に潰され。
弟は、滑稽なことに折れた鉄骨に見事に上から胴を貫かれていた。
みんな、しんでいた。
後から聞いた話だとそのテロの中心地の付近で生存していたのはどうやら僕だけだったらしい。
家族皆殺しにされ、帰るところも出ていくところも失ってしまったぼくは特に当ても無く、破壊されたヨーロッパの街をふらふら、と歩いていた。
遠くから渇いた破裂音と、断末魔の叫びが聞こえる。
戦の音がする。
何故か、ぼくは音の根源に向かって歩き出した。
すると、逃げる市民と真逆に歩き始めたぼくの足にコツ、と軽い衝撃が走った。
割と痛かったので、それはかなりの質量を持っているのだろう。――人を殺せるくらいには。
ぼくは取り敢えず、地面に落ちていた“ソイツ”を拾い上げる。
どこからどう見ても“ソイツ”はライフル銃、――後で調べたらAK-74だった――俗に言う、カラシニコフと言うやつだった。
手始めにぼくは弾倉に弾が篭ってるかいるか確認し、コッキングレバーを引いた。ガシャッという無骨な金属の音がして、一発目が装填されいつでも撃てるようになったとその音は伝えてくる。
サバゲーをしていて良かったな、と初めて思った瞬間であった。
冷静に点射し、テロリストどもの頭や体をぶち抜いている時、ぼくは特に何も感じなかった。
ただただ、人を殺してるんだなという実感だけがそこにあった。
そして、彼らの目が印象的だったのを覚えている。
何故自分は死にゆくのか分かっていない目だった。
まるで、生まれて初めて死ぬことに恐怖したかのような、そんな瞳だった。
中には恐れの余り、ぼくの足にしがみついて命乞いをするような人間らしさMAXな輩もいたが、ぼくは容赦無くそいつの頭を鉛弾で砕いた。
正しく死屍累々という言葉がただしい場所に気がつくとぼくは一人たっており、周りの人間は皆死んでいた。
ぐるり、と周囲を見渡すと向こうにいかにも軍人と思わしき集団が見て取れた。
見ると武装しているようだったので、一応ぼくは彼らに向かってライフルを向けた。
「あんたらは?」
そう聞くと兵士達は軽く動揺し始めた、...一人、リーダーの様な奴を除いて。
そいつは動揺してぼくに向かってライフルを構えた部下達を手で制し、一歩踏み出す。
そして、そいつは困った様にニヤリと笑みを浮かべ、ポーチから白いハンカチを取り出し、ヒラヒラと振り始めた。
「一応敵ではない...かな?」
そう言って男は付けていた目出し帽を脱ぐ。
その素顔は思わず息を呑む程の美丈夫であり、その蒼い瞳は冷徹な――要するに、人を殺し慣れている者の――光を灯していた。
「さっきの銃の腕前は実に見事だった。まさか、たった1人で奴らを全滅させてしまうとは」
ぱちぱち、と拍手をしながら男はゆっくりと、ゆっくりと近づいてきた。
そして、ぽんっとぼくの肩を叩いて言った。
「...何処でその技術を得た?」
ちらり、と男の手を見るとそこには魔法のように一丁の拳銃が握られていた。
PB/6P9と呼ばれる、極めて暗殺に適した拳銃だった。マカロフだからと言って決して油断してはいけない武器だ。
だからぼくは疑われぬよう「サバゲーをしていたんで」と答えた。
すると、男は突然大声で笑い出した。
突然の出来事に唖然していると、男はぼくの両肩をがしっと掴んだ。
「...気に入った!」
「え?」
男が何を言ったのか理解出来ずに思わず素っ頓狂な声が出てしまう。
男は更にニヤニヤを深め、
「お前、俺らの傭兵団に入らないか?」
と、とんでもないことを言い放った。
自分でも何故、あそこで断らなかったのか未だに分からない。
その後男が付け加えたように行く宛が無いのは確かだ。
でも何でわざわざ人を殺し続けなければならない仕事に就いたのだろうか。
と、言うわけでぼくは数ヶ月の間、彼らの訓練を受け、無事傭兵になれたのであった。
正式に傭兵になった時、ぼくは団長からM4カービンを渡された。
そこで引っかかったのだが、何故傭兵というならず者が米軍の装備を使っているのか、ということだ。
今日、9.11のテロやカルト宗教のテロを受け、国民の管理が更に強力となり、列強各国が武器の輸出を控えているというこの御時世の中、どうしてこんなヨーロッパのへんぴな場所でおまけに傭兵という立場でAKシリーズではなく、M4を渡されたのかイマイチ理解出来なかった。
その事を隊長に聞くと、彼は笑って、「僕達はアメリカと契約してるからね。だからこちらが要請すれば、色んな武器を貸し出して貰えるのさ」と、言った。
そこでぼくは自分の記憶との齟齬に気づいた。
少なくともこれまでの傭兵とは貧乏国の国軍の軍事支援や、助太刀が主だったはずだ。それが今では列強に雇われるという始末だ。
「今や“兵士”というのはとっても高価な物だからね。国軍の一人前にするまで数億かかる兵士を失うよりかは、比較的安く雇える傭兵を失う方が、損害が少ないだろ?」
なるほど、そういうことか。
だから雇われ兵の需要が増えたのか。
ぼくは一人納得すると、頂戴したライフルをひとしきり点検した。
うん、これなら能力者達を殺せそうだ。
というのも、数年前にぼくの家族を奪ったテロリスト達はなんと異能力を持つ者達で、おまけに日本の軍隊だと言うことをここに来て教えられた。
ジャップはテロリストがお前がいたヨーロッパの某国にある、と判断して能力者達を送った。そして、その作戦地域に“運悪く”お前ら家族は入っちまったのさ、と良くしてくれた司令官は語った。
あいつらは自分達を英雄だと勘違いしてやがる。ジャパニーズ・アニメーションのように何しても自分たちは関係ないって思っている。戦争をゲームか何かと勘違いしているみたいだ、と。
燃料資源が枯渇した現在。各地で資源を巡った戦争が起こり続けているおかげで世界は新エネルギーを開発することを諦めた。だから今僕らが乗っているのは軍隊おなじみの戦車や装甲車、軍用の輸送機ではなく鉄の道を征く、鋼鉄の塊である。それもただの鉄の塊ではなく至るところに対空機関砲や、主砲として120mm滑空砲などなど様々な武装が施してある他、少ない燃料で長時間稼働を続ける為に、太陽光発電、風力発電、廃熱発電などの設備がすべて揃っている為、1回の補給で数年は動き続けることができるそうだ。
ぼくらはそこで生活を営んでいる。勿論軍用の、おまけに兵器である為快適差は零に等しい。
内部の殆どが武装の可動部で占めているため、寝る際に新たに入った訓練兵や階級の低い兵士は120mm滑空砲の弾かミニガンの弾帯を抱き枕代わりにして寝るしかない。あと、中は物凄く暑いし、煙臭い。機体の内部の高温でストレスが溜まった隊員が煙草を吹かす。そしてその煙で更に暑くなり、結果として無限ループが発生している。
非喫煙者であるぼくからすれば酷く厄介なものである。
そしてまた数年経ち、この生活にも慣れてきたある日、ぼくはそんな煙草の煙と暑さに耐えかね、装甲列車の見張り台で一息ついていたところで、警報を聞いた。
何事か、と思い司令部に降りるとデスクワーカー達が忙しなく動いており、上官たちは険しい顔でモニタを睨みつけていた。
何が起きたんです、とぼくは上官に聞いた。
「この間の作戦で捕らえた敵工作員の処刑したことを知った向こう側がご立腹でな。ジュネーヴ条約が云々と五月蝿く喚いてきた挙句、宣戦布告までしてきた。..そして諜報部隊が奴らの行軍を確認し、今に至る。脅しに来たんだろうが向こうから来たんなら返り討ちにしてやらんとな」
ニヤリ、と上官は不敵に笑う。
「お前には期待してるぜ、八咫」
その捕虜を取れた前回の作戦の時にぼくはその名前をつけられた。
由来は作戦の時、ぼくが直感で指示した場所がたまたま敵の拠点だったことから日本大好きな隊員が、お前は八咫烏みたいだ。これからも導いてくれよ?と言ったことが広まったから、らしい。
出撃は明日だ、と告げられたぼくは一人自室に戻る。
装備の確認の為、ぼくは立て掛けていたライフル――SCAR H CQB――を手に取った。
この銃は作動機構はガス圧利用方式だが、M16がチャンバー内のボルトキャリアまでガスを流入させるリュングマン式を採用したのに対し、SCARはショートストロングピストン式を取っている。そのため、命中精度は若干低下するものの、ボルトキャリアが汚れることはなくなった。
他にも89式小銃のようなガス調整弁を備えて作動不良に備えるなど、M16で不満とされた信頼性を向上させる工夫が施されているため、ここでも多くの兵士達が使用している。
ぼくが使っているモデルはCQBモデルの為能力者達との戦いは接近戦、もしくは室内戦が多い可能性が高いということだ。
ぼくに与えられた司令は装甲列車に接近する敵を撃て、というものだ。
遠くの敵は全て狙撃班や対空機銃が撃ち落としてくれる。
既に能力者側は多くの死人を出していた。
なぜならシェパード司令官の予想が当たって飛行能力者が大勢いたから、狙撃班と対空機関銃達のいい射撃練習になったからだ。
いくら強い能力を放とうとしたところで、明らかにこちらのほうが初速も瞬間威力を上だ。
自分達が攻撃されることに慣れていない能力者達は一気に隊列が崩れた。
臆病風に吹かれて我先へと逃げ出す者は容赦無く狙撃班が背骨や後頭部をぶち抜き。
それでも抵抗を続ける者は対空機関砲であっという間にミンチに変えられる。
しかし移動しながらの迎撃というのは熟練の兵士でも中々難しい。よって列車は止まらざるをえない。
だからぼくら対奇襲部隊班があるのだ。
列車の最後尾で後方を警戒していると、同僚のマックスは愛用のハニーバジャーを撫でながら、「出来れば来て欲しくないんだがね」とポツリと呟いた。
どうしてだい、とぼくが尋ねると、彼は「いや」と首を振り。
「別に戦うのが怖いわけじゃない。何が怖いのかって言うのは...っと」
彼はすぐにヘルメットの赤外線ゴーグルを降ろし、ライフルを構えた。
暫く周囲を見たあと唐突に彼は発砲した。
ハニーバジャー特有の抑えられた発砲音が鳴り止むとそこには戦場には不似合いな出で立ちの少年が突っ伏して倒れていた。よく見ると背中がぐちゃぐちゃに破壊されている。
「仕留めたか?」
「お見事」とぼくは拍手を彼に贈った。
と、ぼくはもう一つ気配を感じたのでマックスに「待っててくれ」と一言告げるとゆっくり車両から降り、列車の右側に向かった。得物をSCARからmaxim-9とナイフに持ち替え、そいつにゆっくり接近し、十分に距離を詰め羽交い締めにした。
その際膝を蹴飛ばし、態勢を崩させたので完全に状況はこちらが掌握していた。
「くそっ!はなせっ!」と拘束から逃れるべく身を攀じる男。
よく見るととても若かった。ぼくよりふたまわり年下なのではないのだろうか。
「大人しくすれば殺さない」
ぼくはナイフを首に突き付けながら少年を脅した。命が惜しければ情報を寄越せ、と。
するとまた少年は急に暴れだし「誰がお前らみたいな劣性に言うか!」と、言った。
ぼくは呆れた。未だにメンデルの法則が人間の善し悪しに影響すると信じてる輩がいたとは。
今となっては禁忌に近い差別だと言うのに。
しょうがないからそのまま足を払い、地面に仰向けに叩きつけた。
ただでさえ自分達が攻撃するのに慣れていない能力者達でもここまで痛がらないだろうというほど、彼は痛がった。
きっと裏で指示を出すだけの口だけ番長であって白い目に見られてたに違いない。
仰向けに倒された少年はぼくの顔を見ると、二ヤァと気色悪い笑みを浮かべた。
「ほら、どうした?どうせ殺すんだろ?早くのその銃でぼくを―、」
ぶすっ、
彼の頭がゆっくりと彼のぼくを指さしていた腕を見つめる。
「ぁ...あ?」
声にならない声で、彼は目の前の光景を拒絶しようとしていた。
彼の視線の先には、肘から先がない彼の右腕だった。
「う、ぅぅぅぅああああああああ゛あ゛あ゛あ゛!!」
「五月蝿いな」
大きな蟲のようなやかましい叫びだった。耐えかねたぼくは少年の顔面を蹴飛ばし、拳銃を突きつける。
「おい、ガキ。“殺せ”なんて言葉を戦場で気安く言うな。戦争はゲームじゃない」
痛みの余り涙ぐんだ彼はぼくのコンバットハーネスを掴み「助けて。命だけは!」と言った。
ぼくはそれを聞いて安心した。
「わかった」
「やっ――」
ぶすっ、
額に穴を開けた少年は歓喜の表情のまま永久に凍りついた。
「...敵を信じられるなんて、お前おかしいよ」
ぼくはクツクツ笑いながら彼の死体を置いて同僚の元へ戻った。
帰ってすぐに聞いた話だと能力者達は撤退したらしかった。
「先輩!お疲れ様っす!」
開口一番、労いの言葉を口にし飲料水を手渡してきたのは新兵―ミーシャという名の―少女であった。
ぼくはうんざりしながらボトルを受け取り、
「先輩と呼ぶのは流石にやめてくれないか?ぼくはきみよりちょっと長く生きただけの男だ。そう呼ばれるだけの器なんて持っちゃあいない」
すると彼女は笑って、
「そういう所が“せんぱい”みたいだって言ってるんすよ!あといいじゃないすか!呼びやすいですし!」
そう言ってにぱーっ、と笑う姿はとても愛らしいのだが、同時に鬱陶しいなと感じる自分もいた。
でも彼女なりの気遣いを無下にするわけにもいかないのでその気持ちはおくびにも出さない。
彼女も能力者達に両親を殺された。ひょっとすると彼女のこの無邪気な明るさは悲しみの裏返しなのかもしれない。
元から趣味で狩猟をしていたというからショットガンやライフルの扱いはピカイチでもうすぐぼくらと同じ部隊に配属されることになるだろう。
唯一願うことは、彼女が実際の戦闘で怖気づかないかどうかということだ。
彼女はぼくの失った姉に似ている。そんな気がする。
彼女を失うことはもう一度姉を失うことと同じだとぼくは思っている。
例え、それがぼくの頭の中だけで行われている妄想だったとしても。
彼女に姉の姿を投影しているだけだとしても。
ぼくは別に彼女の家族ではない。
ぼくは彼女の恋人ではない。
でも、ぼくは
ぼくは彼女を失いたくない。