イケメンなやつほど、鬼畜な割合が高い。
先日出会った変態イケメン。あいつとのトレーニングが始まった。
「さぁ!まずは準備運動だ!腹筋500回な〜」
刹那、俺の後ろで稲妻が走った。
は?500回?死ぬ。
◆◇◆
「さんじゅうくぅ、よんじゅうぅ!」
無理だ、500回なんていけるわけない。ここまで来るのに30分ほど。あと何時間やる気だよ。
「はい、まだまだ〜!!」
「っるせぇ!この鬼畜野郎!変態野郎!イケメン!」
そんなやり取りをしながらやっていた。気づくと500回やっていた。しかし、辺りはもう暗い。まじか〜準備運動して終わっちゃったよ…
「じゃあ、俺はそろそろ帰るよ」
もうすぐ夕飯の時間なので、そう言った。すると、目の前にいるこいつは、変な事を言い出した。
「え?準備運動終わったばっかじゃん。次、腕立て1000回ね」
刹那、俺のうしろに稲妻が走った。
はぁ?はぁ?本気で死ぬ。
「一気にやるのは良くないんじゃないか?昔どっかで聞いたことあるぞ?」
「う〜ん、まぁ、そうなんだけど…君の場合はすぐに強くなりたいってことだから、こうした方が良いかなって思って」
確かにそうだ。俺は早く強くなりたい。強くなってチート級の力を使いたい。やるっきゃねぇな。
◆◇◆
「じゅぅぅう、じゅぅぅぅいちぃぃぃ」
またこのパターンだ。つうか、無理だよ、腕立て1000回とか…ただでさえさっきの腹筋で疲れているのに…
「何時間かかってでもいいから!自分のペースで頑張れ!」
こんなに応援してくれているんだ。頑張るしかねぇ。
深夜0時をまわりました。未だに終わってない腕立て。もう疲れたというより、お腹空いた。死にそう。つか、死ぬ。
「まだまだ!ファイト!もっと熱くなれよぉおぉぉお!」
相変わらず、こいつは応援している。というか、それどこの修造?
深夜1時。そろそろ終わる。長かったよ。まじ長かったよ。そういえば、悠莉は何してんだろ?流石に寝たか?帰りが遅いお兄ちゃんをずっと待って……ねぇな。
はいはい〜深夜2時をお伝えしま〜すぅ!おい誰だよ、さっきそろそろ終わるとか言ったやつ!俺しかいねぇよ!コンチキショー!
「はい、お疲れ様〜」
結局あれから30分ほど。長かった。死ぬかと思った。何はともあれ、これで家に帰れる。
「じゃあ、そろそろ帰るな」
「おう!明日は日曜だからな!明日もやるぞ〜」
は、はぁ?この超イケメン変態鬼畜野郎め。
翌日。
俺はベッドから動けないでいた。もしかして、金縛り!?いえ、ただの筋肉痛で〜す!痛くて動けませ〜ん!どうしよ…
「おいこのクソ兄貴!はやく起きろ!」
そしてここで、悠莉さんの登場である。
「女の子がクソとか言ってはいけません」
「うるさい!はやく起きて朝ごはん食べて!洗い物できないじゃん!」
そう、母親が死んでから悠莉が家事全般をやるようになった。え?俺はって?て、手伝ってるよ(震え声)
「と言われても、筋肉痛で動けん」
「……ああ〜筋肉痛ね、わかった。ご飯持ってくるから部屋で食べて」
「おう、さんきゅ」
◆◇◆
「ここに置いとくから早く食べて」
「悠莉」
「どした?」
「食べれん」
「なして?」
「手さえも動かねぇ」
「はぁ、しょうがないなぁ」
そう言うと、朝食が乗ったおぼんをこっちに持ってきた。
「はい、あ〜ん」
え?なんて?あ〜ん?もしかして?もしかして悠莉ルート行っちゃう?クソ!俺には赤城さんという彼女がいるんだ!
「あ〜ん」
べ、別にこれはあれだ。腕が動かないから仕方なくやっているだけだ。か、勘違いしないでよね!いや、これは悠莉のセリフか。
「ご馳走様でした」
結局全部食べてしまった。
「美味しかったぞ!」
「はいはい、ありがと」
「こっちこそありがとな」
「ううん、別にいいよ。兄妹だし!」
そう言うと、彼女は微笑んだ。
さて、トイレどうしよ…
アアアァァ( °∀°)ァァアアア 悠莉かわいいんじゃぁぁぁ
となることを願っています。




