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きみと出会わぬ異世界  作者: めあり
第三章 巡り廻る景色の中で
43/45

その槍、異世界を貫いて。

最近短くてごめんなさい

「グングニル、それがボクの名前だよ──」



「…………」


 聞いたことがある。


 その槍。


 グングニル。


 伝説の槍云々。


 あとは知らない。知らないし、知りたくもない。別に伝説の武器だとか、言い伝えだとか、伝説だとか、そんなものには一切合切興味が無い。

 ただ、グングニルと言う名は、知っていた。

 何となく、ゲームやらなんやらである名前だ。

 逆に言えば、それ以外、つまり名前以外は知らない。

 それがどんなものなのか、誰のものなのか、知らないし、やっぱり、知りたくもない。

 もう正直、エクス・カリバーだけでお腹いっぱいだ、そんな、伝説何ちゃら云ちゃら。


 だから、別に今までもこれからも、グングニルと言う名の槍のことを、知りたいとは思わないけれど、しかし、この目の前の、青髪の幼男については、別だ。別腹だ。


願い玉(ホープ・アイテール)】の居場所を知っている、と言うのだから、そりゃあ、名前以外にも、信用すると言う点については、知っておく必要があった。つまり、こいつのことを知っておかなければ、信用は出来ないと言うこと。たった、それだけのこと。


 とにかく、兎にも角にも、名前以外にもこいつについて、何か知っておいたほうが良さそうだ。


「んー、そうだね」


 と、まあそりゃあ突然に唐突に、青髪のグングニルは、口を開いた。


「何かボクについて、知っておきたいことはあるかい?」


 まるで。

 俺の心を読んだかのように、読んだ如く、訊いてきた。訊ねてきた。


 じゃあ、何を訊こうか。


「お前は──何歳だ?」


 しょうもなっ!

 すごくしょうもないっ!


 俺の質問があんまりにも可笑しかったのか、ゲラゲラゲラと笑い、そして満足したのか、急に真顔になって、答えた。


「まあざっと、数億年、生きているんじゃないかな……?」


「長っ!?」


 長いっ! すごく長いっ!

 地球と一緒に誕生したんじゃないかってくらい長いっ!


「まあそれはさすがに嘘だよね」


 と、青髪。


「おいこらこの野郎、嘘だったのかよ」


 にっと笑ったグングニル、それが何だか可愛くて、思わず頬の力が緩んでしまいそうになったけれど、違う、違うぞ。こいつは男だ、落ち着け俺……。


「んで、生まれたのはエクス・カリバーとたいして変わんないんだよねぇ……。あ、魔剣のほうね」


「ん?」


 おい、今なんて言った?


「魔剣のほうのエクス・カリバーって、一体何なんだよ……?」

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