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きみと出会わぬ異世界  作者: めあり
第三章 巡り廻る景色の中で
42/45

ショタはショタらしく、家に引き篭ればいいのに。

サボり分です

「【願い玉(ホープ・アイテール)】の場所、知っているよ? 教えてほしいよね、勇者様?」


 誰だ、こいつ。


 急に現れたと思ったら、【願い玉(ホープ・アイテール)】の場所を知っている?

 ふざけんな、こんな小さな子が?

 見る限り六歳くらいだろ。


「…………それ、本当ですか?」


 隣にいた聖剣が、恐る恐る、訊いてみる。見れば、年下っぽいためか、敬語を使っているのは少し滑稽に見えてしまう。金髪幼女に、青髪幼男。すごい光景だな、これ。


「あぁ、本当だよ。本当じゃないわけ、ないだろう? 本当に、本当の本当に、ボクは【願い玉(ホープ・アイテール)】、まあボクはドラ()ンボールって呼んでるんだけど、とにかく、兎にも角にも、ドラゴ()ボールのある場所を、知っている──」


「…………」


 にわかに信じ難いことである。


 ただ。


 もし。


 IF。


 こいつが聖剣や、シルバーブレットと同じような、武器としての存在だとしたら。

 そういう可能性も、あるのかもしれない。


「わかった、本当にお前が知っているんだな? それなら、教えてくれ。いや、それよりも前に、お前が誰なのか、それも教えてくれ」


 さっき会ったばかりのショタに、幼男に、信用を全て預けると言うような、馬鹿な真似はしない。

 しかし、名前くらいは知っておいてもいいのかもしれない、思い、訊いてみた。

 もしかしたら、武器かもしれないから。

 武器の名前を、発するかもしれないから。

 訊いてみた。


「うーん、そうだね、勇者様。教えてあげようか、教えてあげなきゃね、教えない必要がない、教える必要がある、よし、教えてあげる」


 もったいぶるのか、なかなか『教える』と言っておきながら、教えない。さっさと言えばいいのに、面倒くさいやつだ、本当に。


「ボクの名前は──」


 そこで一旦間を開けて、くくっと小さく笑うと。




「グングニル、それがボクの名前だよ──」




 案の定、と言うべきなのだろうか、よく知っている名前を、口にしたのだった……。

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